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CDはメガヒット級のINI、タレントパワーでは10代男女+20代女性で上昇中

『臼井孝のヒットは複眼で探せ!タレントパワーランキング編』

話題のアーティストのセールス状況や新作の内容、タレントパワーランキングを見ながら、そのヒット傾向を読み解く『臼井孝のヒットは複眼で探せ!タレントパワーランキング編』。第111回は、11人組ボーイズグループINIに注目。

オーディション『PRODUCE 101 JAPAN SEASON2』からJO1の弟分としてデビュー

INIは、池﨑 理人(いけざき・りひと)尾崎 匠海(おざき・たくみ)木村 柾哉(きむら・まさや)後藤 威尊(ごとう・たける)佐野 雄大(さの・ゆうだい)許 豊凡(しゅう・ふぇんふぁん)髙塚 大夢(たかつか・ひろむ)田島 将吾(たじま・しょうご)西 洸人(にし・ひろと)藤牧 京介(ふじまき・きょうすけ)松田 迅(まつだ・じん)(以上、五十音順)の11人からなるボーイズグループで、兄貴分となるボーイズグループJO1同様に、サバイバルオーディション番組『PRODUCE 101 JAPAN』の“SEASON2”にて選ばれ、2021年11月にシングル『A』にてデビューを果たした。

『PRODUCE 101』からデビューした日韓のボーイズグループに共通していることとして、ファンによる自発的な応援広告はINIにもあてはまるが、彼らの場合は、二男坊らしく、よりアグレッシブで自由なパフォーマンスが際立っていたように思う。それゆえ、『PRODUCE 101 JAPAN』第2弾が、第1弾の二番煎じ的に映ることなく、デビュー作にして累計50万枚を突破、また兄貴分のJO1も彼らのデビュー後初めてシングルで50万枚を突破するなど、互いに切磋琢磨されていて好影響を及ぼしていることが分かる。

INI「Password」ビルボードジャパンの総合&部門別で見たチャートアクション

デビュー作から3作連続で年間TOP10クラスのCDセールス。Twitterでは上位常連

ちなみに2022年9月25日時点でのこれまでリリースされた3作のシングルの売り上げ(いずれもビルボードジャパン調べ)は、1stの『A』(2021年11月3日発売)が58.5万枚、2ndの『I』(2022年4月20日発売)が84.2万枚、そして3rdの『M』が77.2万枚(2022年8月24日発売)と、3作連続で50万枚を突破。いずれも、CDシングル年間TOP10確実となるセールスだ。しかも、彼らの場合は、最新作『M』のリードトラック「Password」のビルボードジャパンチャートからも分かるように、CDセールスのみならずストリーミングもTOP10入りを果たしている。これはボーイズグループの中ではBE:FIRSTとINIについて、特に顕著にみられる特長と言える。さらに、彼らとJO1は、そのファンの強力な応援体制からデビューを勝ち取ったという経緯もあり、Twitterでも圧倒的な強さとなっている。

INIのタレントパワースコア、2022年8月:全体、全男性、全女性

全体でのタレントパワーは途上段階、しかし既に10代男女と20代女性では大ブレイク寸前の支持

そんな彼らのタレントパワーのスコアを見ると、全体では6.1ポイント。男性5.1ポイント、女性7.0ポイントと女子人気への偏りは大きくないとはいえ、全体ではアルバムで週間TOP5級の中堅アーティスト級の浸透度となっている。つまり、実際のセールスは既に国民スター級に届いているのだが、一般層への認知(タレントパワーは「顔と名前を知っている」×「見たり聞いたりしたいと思う」から算出)は、まだまだ途上段階にあるということだ。これは、同じく2021年に華々しくブレイクした女性シンガーのAdoが15ポイント前後になっていることを考えると、やや低いように思えるかもしれない。

ただ、性別×年代別で見ると、女性では10代・20代で既に大ヒット常連の20ポイント目前となっているし、また男性でも10代では15ポイント前後と若い世代に突出していて、ティーンの男女ともに盛り上がっているボーイズグループという点で彼らは筆頭格になっていることが分かる。彼らのプロモーションは、吉本興業が担当しているので、今後、バラエティー番組への進出やお笑い芸人とのコラボにて、さらに一般ファンを開拓しているかにも注目したい。

最新作『M』は、飛躍的な成長を感じさせる充実の一作!

そんな彼らの最新作『M』は、通常盤に「Password」「STRIDE」「Shooting Star」「Mirror」の4曲が収録されているが、ボーカルの訴求力が飛躍的に向上していることに驚かされた。明るく穏やかな前半から、中毒性の高いサビで新たな扉を開けようとアゲていく「Password」、これまでよりも甘いボーカルが堪能できるミディアム調の「STRIDE」、シャウトやラップが際立ったヒップホップ色の強いダンスチューン「Shooting Star」、そしてメロディアスなピアノやセンチメンタルなギターの生演奏に合わせてメロウな「Mirror」と、この1作だけでもアルバム並みの充実度を感じさせる。2021年の同日デビューや番組共演などで度々同じくボーイズグループのBE:FIRSTとの良きライバル関係を報じられることがあるが、彼らは音楽的にも互いに高め合っているような気がした。2022年12月には全国4か所でのツアーも予定されているINI。LIVEパフォーマンスでも、その成長ぶりを見せることができれば、より強固なファンとの絆が生まれそうだ。

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著者プロフィール

うすい・たかし。1968年京都府出身。特技は1975年以降のバースデーソング占い(笑)。地元大学大学院理学研究科修了、専攻は理論化学(だったはず)。総合化学会社、音楽系広告代理店での数値解析やマーケティング実務を経て、05年にT2U音楽研究所を設立。現在は、音楽分析や配信サイトの選曲、コンピレーションや復刻CDの企画のほか、日経エンタテインメント!やfumufumu news、共同通信加盟社の各地方の新聞等で愛と情熱に満ちたコラムを執筆。Twitterは @t2umusic(よかったらフォローして下さい♪)

コミュニティFM「渋谷のラジオ」にて水曜12時から『渋谷のザ・ベストテン』というベテラン・アーティスト中心の音楽番組を生放送でお送りしています。専用アプリから全国で生放送が聴けますし、過去のトーク部分は番組の(『渋谷のザ・ベストテン』note)から聴くことができます。よろしければ♪また、このうちプレイリスト #おとラボの説明をSpotify ポッドキャストにて実施中。こちらも好評(?)です!

☆各種ストリーミングサービスにて大人向けのプレイリスト『おとラボ』を選曲しています♪

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