戦隊ヒーローからキャリアをスタート
1995年生まれの塩野は、2012年にドラマ『GTO』(カンテレ・フジ系)で俳優デビューした。2013年には、『獣電戦隊キョウリュウジャー』(テレ朝系)のキョウリュウグリーン・立風館ソウジ役に選ばれレギュラー出演。2014年には『純平、考え直せ』で舞台初主演、2015年には『鼻目玉幸太郎の恋!』で映画初主演を飾り、順調な滑り出しを見せた。
2016年には、『小さな結婚式〜いつか、いい風は吹く〜』『戦国BASARA4 皇』などの舞台に主演。2017年は『LEADERS II』(TBS系)、2018年は『PRINCE OF LEGEND』(日テレ系)ほか4本の民放ドラマに出演。そして2019年に得た当たり役が、映画『HiGH&LOW THE WORST』の小田島有剣だ。金髪&ブルーのサングラス姿で鳳仙学園四天王の1人にふんし、「あまりにもかっこいい」「いつの間にか虜に」などSNSには沼落ちする人々が続出した。
2020年からは『来世ではちゃんとします』(テレ東系)、2021年からは『絶対BLになる世界VS絶対BLになりたくない男』(CSテレ朝チャンネル1)とシリーズ化される話題作に出演。『来世ではちゃんとします』では、主人公(内田理央)を虜にするドSのイケメンセフレ・Aくん役で強いインパクトを残した。そして2022年は、三谷幸喜脚本、河原雅彦演出のパルコ・プロデュース舞台『VAMP SHOW ヴァンプショウ』などで活躍。この頃からLDH JAPAN所属となり、劇団EXILEにも加入した。
2023年から『かしましめし』などの連ドラで大役が増加
大役での出演が急増したのは、2023年だ。同年は、ドラマ『かしましめし』(テレ東系)、『天狗の台所』(BS-TBS)、『ブラックファミリア〜新堂家の復讐〜』(読売テレビ・日テレ系)と3本の連ドラにレギュラー出演。『かしましめし』では前田敦子、成海璃子と並ぶ主人公の1人を演じて注目され、『天狗の台所』でも主演の駒木根葵汰、越山敬達と並ぶ存在感を見せた。
2024年に入ると、3月にスペシャルドラマ『ぼくの人格シェアハウス』(関西テレビ)が放送。トラブルメーカーの後輩に翻弄される、事なかれ主義の主人公・相田雄介に扮して主演した。そして4月には『9ボーダー』(TBS系)の第1話にゲスト出演して主人公(川口春奈)の元彼役を担い、4月から『光る君へ』に登場。以降、冒頭のような躍進が続く。
タレントパワーの推移とイメージワード、そして意外な支持層1位は?
タレントパワーランキングでは、年に4回、合計4400人のモニターに認知度や誘引率(「見たい、知りたい」の指標)についてのアンケート調査を行う。過去1年間の塩野の調査結果を見ると、前半は認知度10%台で推移。しかし2024年5月に11%台に乗せ、同年8月に13.6%まで上昇している。これは『光る君へ』の出演効果が大きいだろう。誘引率は、『天狗の台所』と『ブラックファミリア〜新堂家の復讐〜』が放送されていた2023年11月と、『光る君へ』に登場後の2024年5月が高かった。認知度に誘引率を掛け合わせて算出した「パワースコア」が最も高かったのは、2024年8月。スコアは11月調査でさらに跳ね上がりそうだ。
タレントパワーランキングでは、年に1度、イメージワード調査も行っている。塩野のイメージワード1位は「クールな感じ」で37.3%、2位は「男前な」で35.3%、3位は「演技力がある」で28.7%となっている。「クールな演技派イケメン」といった印象が強いことがわかる。以降「落ち着いた」「さわやかな」「センスが良い」「さっぱりとした」と続く。ちなみにイメージワードのグラフが似ている「相似タレント」としてデータが弾き出したのは、渡邊圭祐、黒羽麻璃央、松村北斗、高野洸だった。
最後に、2024年8月のパワースコアから、塩野の支持層を調べた。ダントツでファンが多かったのは、25~29歳男性。一般的なイケメン俳優と異なり、同性の、しかも同世代を強く引きつけている点が興味深い。2番目に支持が高いのは35~39歳女性、3番目は25~29歳女性だった。
2025年は、1月8日24時30分から放送のドラマNEXT『五十嵐夫妻は偽装他人』(テレ東系)に主演(新川優愛とW主演)。偶然にも同じ会社に転職してしまった別居中の夫婦を新川と演じる。ほかにも出演作が目白押しの1年となりそうだ。
塩野瑛久(しおの・あきひさ)
誕生日 1995年1月3日
出身地 東京都
所属事務所 LDH JAPAN
公式サイト https://www.ldh.co.jp/management/shiono_a/
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公式インスタグラム https://www.instagram.com/akihisa_shiono_official/?hl=ja
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前ページに戻る文/泊 貴洋 とまり たかひろ
ライター
雑誌『演劇ぶっく』(現・えんぶ)の編集者時代に、演劇と映画の学校「ENBUゼミナール」の立ち上げに参加。1999年、映画雑誌『ピクトアップ』創刊に参加。2004年、フリーライターに。『日経エンタテインメント!』『キネマ旬報』などの雑誌やウェブ媒体にて、俳優やクリエイターなどへの取材を行う。著書に『映画監督への道』『ゼロからの脚本術』(ともに誠文堂新光社)、『映画監督になる』シリーズ(演劇ぶっく社)など。
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