ライブ・スペクタクル『NARUTO-ナルト-』、ミュージカル『スリル・ミー』などに主演し、舞台での躍進ぶりが際だっていた松岡広大。2022年は俳優デビュー10周年の節目を迎え、映像での露出が目立っている。
まず1月からは、連続ドラマ『ムチャブリ!わたしが社長になるなんて』(日テレ系)に出演。高畑充希、松田翔太、志尊淳らと共演し、フレンチレストラン『プチボナール』の見習いシェフ・萩尾慧を好演した。4月には、NHK BSプレミアムで放送された『しずかちゃんとパパ』の第5話に出演。木村多江演じる教師・鈴間さくらの高校生の息子にふんした。
7月期は、『ちょい釣りダンディ』(BSテレ東)の第7話から登場。再生回数が伸び悩み、釣り動画に活路を見いだすYouTuberの悠司役を演じ、臼田あさ美演じる主人公との一風変わった師弟愛で視聴者を楽しませた。同作は9月から、地上波のテレビ東京でも放送された。
そして10月期は、民放連ドラ初主演。BLマンガを原作とした『壁サー同人作家の猫屋敷くんは承認欲求をこじらせている』(ABCテレビ)に中尾暢樹とW主演し、同人作家・猫屋敷守を演じている。同人誌即売会の帰りに幼なじみのアイドル(中尾)と再会。自意識をこじらせながらも徐々に距離を縮めていく姿に、SNSでは「マンガからそのまま出てきたよう」「萌える」「演技が上手い」といったコメントが見られた。
躍動感あふれる姿で魅了してきた舞台の数々
松岡は現在、25歳。幼い頃からダンスを習い、2009年、11歳のときにアミューズのオーディションを受けて芸能界入りした。そして12年、『特命戦隊ゴーバスターズ』(テレ朝系)で俳優デビュー。ゴーバスターズのまとめ役・岩崎リュウジの若き日を演じて注目された。13年には舞台に進出。ミュージカル『テニスの王子様 2ndシーズン』などのステージに立った。
そして15年につかんだのが、人気マンガを舞台化したライブ・スペクタクル『NARUTO-ナルト-』への主演だ。同作で、主人公のうずまきナルトにふんし、東京、大阪のほか、シンガポールやマカオなどでも公演。以降、積極的に舞台出演を重ねていく。
17年には劇団☆新感線の『髑髏城の七人 Season月』、18年には浪漫活劇『るろうに剣心』に出演。『るろ剣』では主人公の緋村抜刀斎を演じた。19年にはジャン・コクトー原作の『恐るべき子供たち』、20年には成河や門脇麦らと共演した『ねじまき鳥クロニクル』や、亀梨和也や貫地谷しほりと共演した『迷子の時間』などに舞台に立った。
そして21年には、松下洸平、新納慎也、柿澤勇人らを輩出してきたミュージカル『スリル・ミー』に起用され、主人公の「私」役で主演。「再演されるのであれば、必ず演じたかった」という念願の大役を担った。さらに同年、ミュージカル『ニュージーズ』にも出演し、京本大我、加藤清史郎らと日生劇場などの大舞台に立った。
民放連ドラ初主演に至る、映像分野の仕事
ドラマは、12年に『眠れる森の熟女』(NHK)、13年に『神様のイタズラ』(BS-TBS)などに出演し、16年のAmazonプライム・ビデオ『ベイビーステップ』に主演。17年にTOKYO MXなどで放送もされた。そして17年には、『CRISIS 公安機動捜査隊特捜班』の第7話や、杉野希妃監督の映画『雪女』に出演。18年は、劇場版も公開された『兄友』(MBS・TBS系)や、ABEMAの『会社は学校じゃねぇんだよ』に出演した。19年は映画『いなくなれ、群青』『引っ越し大名!』などで活躍。20年は『監察医 朝顔』(フジ系)の第4話に出演し、BSテレ東の経済謎解きミステリー『探偵・円(まどか)は外に出ない』には主演した。
21年は、2月から放送されたMBSドラマ特区『西荻窪 三ツ星洋酒堂』に出演。藤原季節演じる中内智の後輩シェフ・竹本和馬にふんした。6月からは『にぶんのいち夫婦』(テレ東系)に登場。秋元才加演じるキャリアウーマンの恋人・健を演じて印象を残した。さらに8月には『ボイスII 110 緊急指令室』(日テレ系)の第6話にキャスティングされ、心霊スポットを巡る元アイドルのYouTuber・成瀬友則役を金髪姿で熱演した。
松岡広大のタレントパワーとイメージワードを徹底分析
タレントパワーランキングでは、年4回、計4400人のモニターにアンケート調査を行う。松岡の認知度と誘引率(「見たい、知りたい」の指標)の調査結果を見ると、20年8月に7.8%だった認知度は、その後多少下がるがすぐに巻き返し、22年5月には7.6%まで上昇している。誘引率は21年11月が高く、85.3%。22年5月も84.5%と同水準を維持している。認知度と誘引率を掛け合わせた「パワースコア」は、20年8月に4.2。その後少し下がるも、22年5月に4.2に上げた。これは『ムチャブリ!』や『しずかちゃんとパパ』などの出演効果が大きそうだ。
タレントパワーランキングでは、年に1度、イメージワード調査も行う。松岡の22年のイメージワード調査の結果を見ると、1位は「落ち着いた」で28.6%。2位は「知的な」「さわやかな」が23.8%で並んでいる。以降、「個性的な」「センスが良い」「さっぱりとした」「男前な」「演技力がある」などが続く。ちなみに前年と比較すると「知的な」「存在感のある」が大きく伸びていた。
今年は、アニバーサリーブック『松岡広大 10th ANNIVERSARY BOOK -再会-』を発売。その発表会で「転換期は、二十歳をこえてから。僕が仕事したいという方と、どんどん仕事ができている」と語った松岡。その言葉の通り、白井晃、いのうえひでのり、前川知大、栗山民也ら舞台の名演出家たちの薫陶を受けてきた。今後は、その身体能力と端正な面立ち、さまざまな表情を見せる演技力を武器に、映像分野でのさらなる飛躍に期待がかかる。
松岡 広大(まつおか・こうだい)
誕生日 1997年8月9日
出身地 東京都
所属事務所 アミューズ
公式サイト https://www.amuse.co.jp/artist/A8399/
公式ツイッター https://twitter.com/koudai_official/
公式インスタグラム https://www.instagram.com/koudai_matsuoka.official/
文/泊 貴洋