「ネクストブレイク・男性タレント&女性タレントBEST10」の選定方法
今回対象としたのは、アーキテクトが実施しているタレントパワーランキングの最新定期調査(2023年11月度)において10~60代男女における認知度が50%以下で、今年その人気が大きく伸びると思われるタレントです。なお、過去にタレントパワーランキングによるブレイクタレントランキング(各半期、ネクストブレイク)にランクインしたことがあるタレントは対象から除外しています。
認知度・誘引率・パワースコアの上昇率などのデータをベースに、1年以内の実績、今年の出演予定、SNSでの支持なども分析しながら総合的にセレクションしました。パワースコア(タレントパワー)とは、10~60代の男女を対象とした調査結果をもとに、タレントの認知度(顔と名前を知っている)と誘引率(見たい・聴きたい・知りたい)を掛け合わせた値です。
分析は、『日経エンタテインメント!』『日刊ゲンダイ』などで執筆する評論家の高倉文紀が担当。なお、順位は認知度やタレントパワーの大幅上昇が期待される度合いで、タレントパワーや人気の順番ではありません。
2024年ネクストブレイク・男性タレントBEST10
10位はお笑いトリオのリンダカラー∞です。
Den、たいこー、りなぴっぴによる男性2人女性1人の3人組です。Denとたいこーが2016年に「リンダカラー」を結成して、りなぴっぴが加わって2022年から「リンダカラー∞」になりました。ネプチューン、ハナコ、四千頭身、ぱーてぃーちゃんなど伝統的にトリオのお笑い芸人がブレイクしてきたワタナベエンターテインメントに所属しています。
たいこー、りなぴっぴからの相談に、Denがカリスマとしての明快な答えを出すという個性的なネタを展開。『千鳥のクセスゴ!』(フジ系)に初出演して千鳥の大悟が絶賛したほか、『ぐるぐるナインティナイン』(日テレ系)2024年おもしろ荘で準優勝して、勢いに乗っています。
9位は俳優の塩野瑛久です。1995年1月3日生まれ、東京都出身。2012年に俳優デビューして、2013年に『獣電戦隊キョウリュウジャー』(テレ朝系)にレギュラー出演。2022年、劇団EXILEに加入しました。
2023年は『ブラザー・トラップ』(TBS系)、『かしましめし』(テレ東系)、『ブラックファミリア~新堂家の復讐~』(読売/日テレ系)など計8本連ドラに出演。タレントパワーランキング11月度調査の10代女性における認知度上昇率ランキングで、20代男優部門4位。2024年のNHK大河ドラマ『光る君へ』に二条天皇役で出演しています。
俳優の八村倫太郎が8位にランクイン。1999年7月28日生まれ、神奈川県出身。慶応大学在学中の2019年に現所属事務所のホリプロが主催した「Star Boys Audition」に合格して「WATWING」のメンバーとして活動開始。2022年秋に本田翼主演ドラマ『君の花になる』(TBS系)でボーイズグループ「8LOOM」のメンバーを演じて注目を集めました。
2023年7月に初写真集『record』が発売されて注目を集め、8月度パワースコア上昇率・男優7位。12月には『佐原くんと土岐くん』(MBSほか)で主演しました。最近では2024年1月6日にオンエアされた東京ガールズコレクション関連特番『ファッションモンスター』(テレ朝系)でMCを務めました。いろんなジャンルでマルチな活躍が期待されます。
ジュニアの次世代メンバーがランクイン
7位は関西ジュニアのユニット「Aぇ! group」のメンバー、末澤誠也です。1994年8月24日生まれ、兵庫県出身。2009年に活動開始。2019年、Aぇ! groupのメンバーに選ばれました。
所属するAぇ! groupは2023年に初の全国ツアーを12都市で実施して、約13万人を動員。個人としても知名度が上昇して、アイドルファンが多い10代後半女性において11月度認知度上昇ランキングでジュニアのメンバーでは1位となる大幅アップを見せています。2024年1月12日スタートのドラマ『彼女と彼氏の明るい未来』(MBSほか)で連ドラ初主演(関水渚とW主演)。今年は俳優としても期待大です。
6位は俳優の兵頭功海です。1998年4月15日生まれ、福岡県出身。2019年公開の映画『五億円のじんせい』で俳優デビュー。同年、『騎士竜戦隊リュウソウジャー』(テレ朝系)でも活躍しました。
2023年秋クールの日曜劇場『下剋上球児』(TBS系)に根室知廣役で出演して脚光を浴びました。2024年1月は『めざましテレビ』(フジ系)のエンタメプレゼンターとして出演しています。11月度から調査対象となりましたが、調査結果を年代別に見ると20代男性、10代前半女性で高い支持を集めています。男性俳優では珍しく、男性でのパワースコアが女性よりも高くなっています。
5位はSixTONESの京本大我です。1994年12月3日生まれ、東京都出身。2006年にスカウトされて、レッスン生として活動開始。2020年にSixTONESのメンバーとしてCDデビュー。2022年には「シンドラ」『束の間の一花』(日テレ系)で連ドラ初主演しました。
2023年11~12月に新橋演舞場や大阪・松竹座などで上演されたミュージカル『シェルブールの雨傘』で主演して話題を集め、11月度調査で20代の回答において誘引率上昇率・20代男優6位にランクイン。
2024年は、夏に公開予定の『言えない秘密』で映画初単独主演、8~9月には舞台『モーツァルト!』で帝国劇場初主演するなど、俳優として大きく躍進しそうです。
4位は俳優の櫻井海音です。2001年4月13日生まれ、東京都出身。音楽活動からデビューして、2021年から俳優活動を本格化。ドラマ『差出人は誰ですか?』『夕暮れに手をつなぐ』(ともにTBS系)などに出演しました。
2023年9~11月に放送されたドラマ『アオハライド』Season1(WOWOW)で出口夏希とW主演。10月クールの齊藤京子主演ドラマ『泥濘の食卓』(テレ朝系)にもレギュラー出演して次世代俳優として注目を集めました。
同世代だけでなく、年配層の注目度も高く、11月度調査では50代前半男性の回答で誘引率上昇率・20代俳優1位でした。主演ドラマ『アオハライド』のSeason2が2024年1月19日からスタート。
2024年冬に配信・公開が発表された『推しの子』の実写映像化が決定し、主演の星野 愛久愛海(アクアマリン) 役に決まり、今後世界的にも注目を集めることが期待されます。
3位には俳優の大西利空がランクインしました。2006年5月16日生まれ、東京都出身。生後5か月で早くも芸能活動をスタート。2019年から現事務所のトップコート所属となり、映画『るろうに剣心最終章 The Final』などに出演。
2023年は大河ドラマ『どうする家康』(NHK)、広瀬すず主演の映画『水は海に向かって流れる』に出演して注目を集め、月9ドラマ『真夏のシンデレラ』(フジ系)では森七菜が演じた主人公の弟役を好演。11月度パワースコア上昇率・10代男性7位にランクインしました。誘引率もアップして、上昇率は男性タレント全体で3位でした。
2024年1月クールは日曜劇場『さよならマエストロ~〜父と私のアパッシオナート〜』(TBS系)に西島秀俊の息子役で出演しています。今年、大きくステップアップしそうな若手俳優です。
FANTASTICSの佐藤大樹が2位。1995年1月25日生まれ、埼玉県出身。2016年にFantasticsのメンバーに加入。2022年にドラマ『liar』(MBS/TBS系)で見上愛とW主演しました。
2023年7月クールのドラマ『around1/4 アラウンドクォーター』(ABC/テレ朝系)で主演。アククールの『Sister』(日テレ系)でも活躍して、11月度誘引率上昇率は20代男性の中で1位でした。
2024年1月期はドラマ『離婚しない男―サレ夫と悪嫁の騙し愛―』(テレ朝系)に出演しているほか、1月23日深夜にスタートするドラマ『瓜を破(わ)る~一線を越えた、その先には』(TBS系)で久住小春とW主演します。
1位は今年、映画初主演する20歳俳優
男性1位は、俳優の窪塚愛流です。2003年10月3日生まれ、神奈川県出身。父は俳優の窪塚洋介。2018年に映画『泣き虫しょったんの奇跡』で俳優デビューしました。
期待の次世代俳優が生徒役で集結した2023年7月クールのドラマ『最高の教師 1年後、私は生徒に■された』(日テレ系)に出演して、8月度認知度が当時の10代俳優の中で2位の上昇率をマーク(現在は20歳)。10月クールは桜田ひよりが主演したドラマ『あたりのキッチン!』(東海/フジ系)で渡部篤郎の息子役を演じてさらに注目を集め、Z世代(10代+20代前半)における誘引率上昇率で20代男性1位でした。
2024年は3月公開の映画『愛のゆくえ』に出演するほか、5月公開の『ハピネス』で映画初主演を果たします(蒔田彩珠とW主演)。
2024年ネクストブレイク・女性タレントBEST10
10位はテレビ朝日アナウンサーの鈴木新彩です。2000年3月8日生まれ、東京都出身。2022年4月にテレビ朝日入社。同年10月から『ミュージックステーション』のサブMC担当になりました。
最近では2024年1月9日放送の『ロンドンハーツ×テレビ千鳥 合体3時間SP』にも出演して、高いタレント性を秘めたキュートな存在感が注目を集めました。『ミュージックステーション』のサブMCはこれまでに竹内由恵(現フリー)・弘中綾香らが入社1年目に起用されて“テレ朝エース・アナ”への登竜門となっています。
9位はお笑いコンビの天才ピアニストです。元高校教師の竹内知咲と元看護師のますみによって2016年に結成。2022年に「女芸人No.1決定戦 THE W」で優勝しました。
2023年11月にはNHK新人お笑い大賞も受賞して、注目度上昇。特に20代前半男性の誘引率が上昇して、11月度・お笑い2位の伸び率を見せています。ともにピンで「R-1グランプリ2024」(春に決勝開催予定)に出場しています。
韓国の5人組ガールズグループNewJeansが8位。2022年に韓国でデビュー。韓国では1stシングル『OMG』が「2023年年間グローバルKPOPチャート」(韓国の音楽チャート「サークルチャート」調べ)で1位となり、2nd EP『Get Up』が2023年末で売上げ200万枚を突破しました。
2023年7月からアップル「iPhone 14Pro」、11月からロッテ「グリーンガム」イタガムのCMに出演。2023年8月にはZOZOマリンスタジアムで開催された「SUMMER SONIC2023」に出演して、日本デビュー前ながら大きな注目を集めました。NHK『紅白歌合戦』にも初出場して、日本での知名度が急上昇。メンバー全員が10代というフレッシュさも魅力です。
7位は11人組ガールズグループのME:Iです。Jo1やINIを生んだオーディション番組シリーズの第3弾として放送され、ファン間では「日プガールズ」と呼ばれて注目を集めた「『PRODUCE 101 JAPAN THE GIRLS』で選ばれたメンバーによるグループです。
公式Instagramのフォロワー数が急増を見せて、すでに73.7万人となっています(2024年1月16日現在)。2024年3月に1stファンミーティングが開催予定で、4月17日にデビューシングルが発売されることが決定しています。
6位は女優の鳴海唯です。 1998年5月16日生まれ、兵庫県出身。2018年に女優活動開始。2019年、連続テレビ小説『なつぞら』(NHK)に出演。2022年12月には若手女優の登竜門となっている雑誌『POPEYE』の「ガールフレンド」特集号表紙(過去には小松菜奈、長澤樹、當真あみらが登場)に起用されるなど、早くから知る人ぞ知る逸材として注目されていましたが、2023年に戸田恵梨香・有村架純・松本穂香らが所属するフラームに移籍しました。
2023年の大河ドラマ『どうなる家康』に出演。2024年1月23日スタートの二階堂ふみドラマ『Eye Love You』(TBS系)にチョコレートショップの広報担当・仁科明日香役で出演します。高いヒロイン性を秘めている、注目の次世代主演女優候補です。
坂道シリーズのセンターメンバーがベスト5入
5位は乃木坂46の井上和です。2005年2月17日生まれ、神奈川県出身。2022年、オーディションに合格して、乃木坂46に5期生として加入。
2023年8月に発売された33rdシングル『おひとりさま天国』で初のセンターポジションに抜擢。11月度からタレントパワーランキングの調査対象に加わりましたが、20代前半男性、20代後半男性、10代後半女性でスコアが高くなっています。
2024年1月2日から『School of Locks! 乃木坂Locks!』(TOKYO FM)のパーソナリティを担当。10代から高い支持を集め、過去には新垣結衣・川口春奈・広瀬すず・平手友梨奈らがパーソナリティを務めた人気ラジオ番組で、井上の知名度もさらに上昇しそうです。また、1月19日に放送されたアニメ『ふしぎ駄菓子屋 銭天堂』(NHK Eテレ)で声優に初挑戦しました。
4位にはアイドルグループの「僕が見たかった青空」がランクインしました。乃木坂46の公式ライバルグループとして、秋元康のプロデュースで2023年に結成。8月30日にエイベックスからメジャーデビューしました。
CHINTAIのCMに出演しているほか、10月から初の冠番組『坂道の向こうには青空が広がっていた。』(フジ系)が放送開始。初めて調査対象になった11月度の調査結果では、20代後半男性、20代前半男性、10代前半女性で高いスコアを示しています。20代後半男性におけるパワースコアは女性アイドルグループ5位となっています。
2024年1月31日2ndシングル『卒業まで』が発売されます。デビュー2年目の今年は、ほかの年代でも認知度が上がり、躍進を見せるはずです。
3位は女優の田牧そらです。2006年8月2日生まれ、東京都出身。2019年から『有吉のお金発見 突撃!カネオくん』(NHK)に日直アシスタントとして出演しておなじみですが、最近は次世代女優として急上昇。2023年夏に放送された『カメラ、はじめていいですか?』(BS松竹東急)で主演。ドラマ『最高の教師 1年後、私は生徒に■された』でも生徒役を演じました。
11月度パワースコア上昇率では10代女優5位にランクイン。特に10代後半においては上昇率・10代女優1位でした。2024年1月1日から山崎製パン「ダブルソフト」“2枚の、しあわせ。”編にCMに単独で出演して、愛らしい雰囲気が注目を集めています。
所属事務所は、小栗旬が代表を務め、田中圭、木村文乃、間宮祥太朗、赤楚衛二、原菜乃華らを擁するトライストーン・エンタテイメントです。今年は次世代主演級女優として、大きく前進を見せそうな予感があります。
2位は女優の豊嶋花です。2007年3月27日生まれ、東京都出身。1歳から子役として活躍して、2021年にはドラマ『大豆田とわ子と三人の元夫』(カンテレ/フジ系)で松たか子の娘役を好演して脚光を浴びました。
2023年は杉野遥亮主演のドラマ『ばらかもん』(フジ系)に出演したほか、秋クールの髙橋優斗主演『君が死ぬまであと100日』(日テレ系)でヒロインを演じて注目を集め、11月度パワースコア上昇率・10代女優4位。20代での認知度上昇率では10代女優で1位でした。
キリンビバレッジ「おいしい免疫ケア」のCMに天海祐希と出演中。2024年1月から丸美屋「麻婆豆腐」の新CMに出演しています。北川景子、本田翼、新木優子、永野芽郁ら多くの主演級女優を擁するスターダストプロモーションの次期エース候補として、着実に成長中。今年は連ドラや映画で、これまでよりも中心に近いポジションでの出演が増えそうです。
女性1位は2024年1月期月9ドラマ出演中の次世代女優
1位は女優の出口夏希です。2001年10月4日生まれ、中国出身。スカウトされて、2018年にデビュー。「ミスセブンティーン2018」グランプリに選出。2022年には『ZIP!』(日テレ系)内で放送されたドラマ『クレッシェンドで進め』でヒロインを演じました。
2023年1月に配信開始された『舞妓さんちのまかないさん』(Netflix)で連ドラ初主演(森七菜とW主演)。秋放送の『アオハライド』(WOWOW)では櫻井海音とW主演しました(Season2が2024年1月19日放送スタート)。11月度調査では20代前半男性における誘引率上昇率・20代女優1位でした。
2024年1月クールは、永野芽郁主演の月9ドラマ『君が心をくれたから』(フジ系)で山田裕貴の妹を演じています。今年はいよいよ、ゴールデンプライムタイム帯連ドラの主演・ヒロインでの活躍が期待されます。
男女ともに1位は20代の若手俳優で、10代の俳優も上位に入りました(男性3位・大西利空、女性2位・豊嶋花、同3位・田牧そら)。2024年はお笑いやキャスターなど、ほかのジャンルでも新旧交代が進みそうです。
監修・文/高倉文紀
評論家。『日経エンタテインメント!』『日刊ゲンダイ』などのメディアで女優・女性アイドル・男性俳優の取材や分析を展開。
https://note.com/tokyodiorama
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