今年4~6月に放送されたドラマ『大豆田とわ子と三人の元夫』(カンテレ・フジ系)で松たか子の娘役を演じた豊嶋花が注目を集めています。ドラマのオンエア中にはSNS上でも「演技力が抜群!」「インスタでの花ちゃんが可愛い」といった、さまざまな反響が寄せられました。さらに、7月30日に公開される映画『都会のトム&ソーヤ』ではヒロインを演じます。
彼女は、次世代ヒロイン候補として大きな期待を集めている女優です。雑誌『日経エンタテインメント!』2021年6月号(表紙は浜辺美波)の「次世代を拓く女性たち~タレント事務所別次世代ヒロインを探せ」で注目の若手女優12人のひとりとして紹介されたほか、6月7日のサンケイスポーツでは「第2の芦田愛菜」としてインタビューが掲載されました。ここでは豊嶋花がどのような経歴を持つ女優で、なぜ次世代ヒロインとして脚光を浴びているかについて探ってきたいと思います。
子役時代には『梅ちゃん先生』『あまちゃん』などに出演
女優が芸能界入りするきっかけは、大きく3つに分けられます。オーディションやコンテストを通じて芸能界に入った人、スカウトまたは知り合いの紹介を経て事務所に所属が決まった人。そして、もう1つは、子ども時代に児童劇団や芸能事務所の子供セクションに入って子役としての活動を積んだ後に女優として活躍するパターンです。
ここ1~2年、子役経験がある女優の躍進が目立っています。今夏のドラマ『IP~サイバー捜査班~』(テレ朝系)でヒロインを演じている福原遥は、NHK教育テレビ(現・Eテレ)の子ども向け料理番組『クッキンアイドルアイ!マイ!まいん』で柊まいん役を演じていました。『大豆田とわ子と三人の元夫』ではナレーションを担当した個性派女優の伊藤沙莉は、子役時代に『女王の教室』(日テレ系)に出演していました。また、春クールのドラマ『カラフラブル~ジェンダーレス男子に愛されています。~』(読売・日テレ系)でヒロインを演じた吉川愛も子役出身です。
豊嶋花もかつては子役として活躍していました。芸能活動を始めたのは、1歳のころ。2009年には、ワンワンという着ぐるみキャラクターが活躍するNHK Eテレの幼児向け番組『いないいないばあっ!』にレギュラー出演。堀北真希が主演したNHK朝ドラ『梅ちゃん先生』(2012年)でヒロインが校医として健康診断を担当した小学生のひとりの妹・中井育代を演じたほか、綾瀬はるか主演のNHK大河ドラマ『八重の桜』(2013年)では西島秀俊が演じた山本覚馬の娘・みねの幼少時代役で出演しました。
2013年放送の朝ドラ『あまちゃん』第6話では、小泉今日子が演じた天野春子(ヒロインの母親)の幼少期を演じました。そのほか、あまり知られていない子役時代の出演作としては、2012年放送のドラマ『東京全力少女』(日テレ系)で武井咲が演じた主人公・佐伯麗の幼少時代を演じています。どの作品でも実力派主演級女優の子ども時代役に起用されているという点を見ても、早くから彼女の演技力の評価が高かったことがわかります。
朝ドラ『ごちそうさん』で注目を集める
豊嶋花が注目を集めるきっかけになったのは、3度目のNHK朝ドラ出演となった2013~2014年放送の『ごちそうさん』。東出昌大・菅田将暉・高畑充希らも出演して話題を集めたこのドラマで、杏が演じるヒロイン・卯野め以子の幼少時代を演じたのが。当時6歳だった豊嶋花です。第1週(第1~6話)では彼女が物語のメインを務めました。父が営む洋食店でアンズのシロップ漬けを食べてしまったり、イチゴのジャムを独り占めしようとするなど、いろんな騒動を起こす食いしん坊な少女を好演する姿を記憶している人も多いと思います。
小学生時代には、2014年に放送された『昼顔~平日午後3時の恋人たち~』(フジ系)で注目を集めました。上戸彩が主演して“昼顔妻”という言葉が話題となった本作で豊嶋花は、吉瀬美智子・木下ほうかが演じた夫婦の次女・滝川陽菜を演じました。
『青のSP』『大豆田とわ子と三人の元夫』で演技力を発揮
2019年、中学生になって彼女は、北川景子・本田翼・新木優子・小松菜奈・葵わかな・永野芽郁など多くの主演級女優が所属しているスターダストプロモーションに移籍。子役の時代からひとりの「女優・豊嶋花」へ、新しい一歩を踏み出したと言えます。
今年1~3月に放送された藤原竜也・真木よう子らが出演したドラマ『青のSP-学校内警察・嶋田隆平-』(カンテレ・フジ系)では、赤嶺中学3年2組の生徒・長田彩花役を演じて注目を集めました。
憧れが強すぎるばかりにストーカー行為や妄想をしたり突っ走ってしまうという役柄で、演技力がある彼女だからこそ演じることができた難しい役だったと言っていいでしょう。番組公式サイトで彼女は「真木よう子さんとは、5歳くらいの時にご一緒させていただいて、久しぶりにお会いしたのですが、私のことを覚えてくださったのでとてもうれしかったです!」とコメントしています。ちなみに、彼女が真木よう子とかつて共演した作品とは、2012年に公開 された映画『外事警察 その男に騙されるな』で、豊嶋花は真木よう子の娘・琴美を演じました。
記憶に新しい『大豆田とわ子と三人の元夫』では、自立心が強い大豆田唄という女の子を演じ、母親役の松たか子や実父役の松田龍平らの俳優陣とのテンポの良いセリフのやり取りも注目を集めました。このドラマを通じて、演技力の高さを多くの人に知ってもらうことができました。『大豆田とわ子と三人の元夫』のブルーレイ&DVDは2021年11月5日に発売予定です。
7月30日に公開される『都会のトム&ソーヤ』は、『怪盗クイーン』シリーズなどで知られる、はやみねかおるのジュブナイルミステリーが原作で、浜辺美波主演の映画『約束のネバーランド』でも活躍した城桧吏が映画初主演。豊嶋花は主人公のクラスメイトで、しっかりものなのですが、ときどきおっちょこちょいで天然な一面も見せる堀越美晴役を演じます。話題作のヒロイン役に起用されて、話題を集めそうです。映画公開に先立って、7月16日からABEMAオリジナルドラマ『都会のトム&ソーヤ ぼくらの砦』が毎週金曜日22時から放送。こちらでも映画と同じくヒロインの堀越美晴役を演じます。
今後はCMでの活躍も期待される
ドラマ・映画以外の活躍としては、現在出演している丸美屋「麻婆茄子の素」「のりたま」「家族のお茶漬け」のCMで明るいキャラクターを発揮して、ドラマでクールな役を演じるときの彼女とはひと味違う魅力を見せています。CMも似合う女優なので、今後はさらに起用が増えそうです。
彼女の趣味は、ダンス、洋裁、ゲーム。これから次世代女優としての注目度がアップすることによって素顔の魅力も見せる機会が多くなり、どんなキャラクターの女の子なのかがわかってくることでしょう。素顔を知るヒントとして、等身大の笑顔を見せている公式インスタグラムでの発信にも要注目です。
豊嶋花は現在14歳。演技力に定評があり、視聴者が安心して演技を見られるのが、彼女が高い支持を得ている理由のひとつです。現在の女優シーンでは演技の実力と個性的な存在感がある女優が求められているので、豊嶋花は期待の存在。愛らしいルックスも魅力的で、将来はドラマや映画の主演を担う女優に成長するはずです。
文/高倉文紀
豊嶋花(とよしま・はな)のプロフィール
誕生日 2007年3月27日
出身地 東京都
身長 157cm
所属事務所 スターダストプロモーション
公式サイト https://www.stardust.co.jp/section1/profile/toyoshimahana.html
公式インスタグラム https://www.instagram.com/hanatoyoshima_official/