テレビ・映画・CMで、お笑い芸人を見かけることが少なくありません。中でも、ピン芸人は独特な存在感を放ち、テレビ以外で活動をする人もいます。人気の高いピン芸人は誰なのか、男女別にランキング形式で紹介します。
ピン芸人の魅力と特徴
ピン芸人とは、1人で活動をする芸人を指し、芸風もそれぞれに異なります。ピン芸人の魅力や特徴にはどんなものがあるのか、詳しく見ていきましょう。
「ピン」は1人を指す言葉
ピン芸人の『ピン』とは、ポルトガル語の『pinta(ピンタ)』に由来します。『pinta』は『点』を意味する言葉で、日本ではサイコロの『1』を『点』に見立てて、『ピン』と呼ぶようになりました。
このことから、1人で活動する芸人を『ピン芸人』と呼ぶようになったとされています。2人の場合は『コンビ』、3人の場合は『トリオ』と呼ぶのが基本です。
コンビ・トリオのメンバーが、それぞれ1人で別の活動をすることを『ピンで活動する』といいますが、この場合はピン芸人とは異なることを覚えておきましょう。
さまざまな芸風がある
ピン芸人の芸風には、ボケとツッコミを1人で行う方法や、共演者のボケを引き出しツッコミを入れる方法などさまざまにあります。
2010年代からはお笑いの賞レースや特番が組まれ、たくさんの芸人を一度に見られる場所ができたことで、お笑いブームが巻き起こりました。
社会問題に切り込む芸風や、人を傷つけない笑いもこのブームから生まれた芸風です。渡辺直美や友近など女性芸人の個性も芸風として表れ、似たような芸風を持つ芸人もたくさん登場しました。
コンビ・トリオからピンになった芸人も
ピン芸人の中には、1人でお笑いを始めた人だけでなく、コンビ・トリオからピンとなった芸人もいます。
例えば、バカリズムはもともとコンビ名でした。しかし、相方が芸能界引退を考えていたことから脱退という形を取ってもらい、ピン芸人としてバカリズムを名乗っています。ピン芸人になったことで、以前よりも活躍の場が増えた芸人の1人です。
また劇団ひとりは、お笑いコンビ『スープレックス』として活動していましたが、解散をきっかけにピン芸人としての活動をスタートし、現在では特有の芸風・能力を生かして活躍しています。
コンビ・トリオでは芽が出なかった芸人でも、ピン芸人として努力した結果、人気者となった例は少なくありません。
ピン芸人の人気ランキング算出方法
ピン芸人の人気ランキングは、株式会社アーキテクトのタレントパワーランキングから抽出しました。ランキングの調査方法を詳しく解説します。
当社独自の集計方式で算出
ピン芸人の人気ランキングは、株式会社アーキテクトが実施する業界最大規模のタレント調査『タレントパワーランキング』をもとにパワースコアを算出しました。こちらのデータから、ランキングが作成されています。
パワースコアとは、調査結果をもとに、タレントの認知度(顔と名前を知っている)と誘引率(見たい・聴きたい・知りたい)を掛け合わせた値です。
今回のランキングは、2022年8月度に行われた調査をもとに作成しています。
ピン芸人の人気ランキング【男性編】
順位 | タレント名 | パワースコア | 調査時期 |
1位 | タモリ | 40.8 | 2022年8月 |
2位 | 明石家さんま | 39.1 | 2022年8月 |
3位 | 所ジョージ | 38.5 | 2022年8月 |
4位 | 有吉弘行 | 38.4 | 2022年8月 |
5位 | 劇団ひとり | 32.1 | 2022年8月 |
6位 | バカリズム | 31.8 | 2022年8月 |
7位 | 今田耕司 | 29.5 | 2022年8月 |
ピン芸人の人気ランキング【男性編】には、司会として評判が高いベテランから、独自の芸風・能力を見せる芸人がランクインしました。それぞれの活躍や特徴を見ていきましょう。
1966年生まれ、大阪府出身の芸人です。1985年にNSC大阪校の4期生として入門し、お笑いの道に進みました。
『開運!なんでも鑑定団』や『アナザースカイ』『炎の体育会TV』などにレギュラー出演し、司会の腕が評価されている芸人です。『M-1グランプリ決勝』や『オールスター感謝祭』でも司会を披露し、若手芸人が憧れるポジションを獲得しています。
また、活躍の場はテレビだけでなく、ドラマ・映画・舞台と幅広いことも魅力です。映画では『遺産相続(1990年)』や『BIRTHDAY PRESENT(1995年)』で、実力派俳優に負けない演技力を見せました。
1975年生まれ、福岡県出身の芸人です。1995年にお笑いコンビ『バカリズム』を結成し、解散後の2005年12月からピン芸人として活動しています。
テレビ番組では『家事ヤロウ!!!』や『林修の今、知りたいでしょ!』にレギュラー出演しています。さらに、『エン転職』や『SMBCコンシューマーファイナンス プロミス』のCMにも出るなど、活動の幅が広いピン芸人の1人です。
また、脚本家としても注目され、第36回向田邦子賞や第3回市川森一脚本賞奨励賞を受賞しています。お笑い以外の才能も開花させた、これからも楽しみな芸人です。
1977年生まれ、千葉県出身の芸人です。1993年にコンビとして芸人デビューをし、2000年からピン芸人として活動しています。
2006年の小説家デビュー作品『陰日向に咲く』は、100万部を超えるベストセラーとなり、独自の感性で瞬く間にファンを増やしました。
また、『青天の霹靂(2014年)』では映画監督としての腕も見せたほか、劇場アニメ『クレヨンしんちゃん 爆睡!ユメミーワールド大突撃(2016年)』では共同脚本を担当するなど、作り手としての活動も行っています。
2004年からピン芸人になった有吉弘行は、1974年生まれの広島県出身です。1994年に『猿岩石』を結成し、コンビ活動をしていた時期もありました。
『有吉ゼミ』『有吉の壁』『櫻井・有吉THE夜会』といった、自らの名前を冠した番組でレギュラーを務めている人気芸人です。
また、『オレは絶対性格悪くない』や『嫌われない毒舌のすすめ』『現代用語のクソ知識』などの書籍の出版も行い注目を集めました。安定感のある芸人として、まだまだ活躍の場が見られるでしょう。
1955年生まれ、『世界まる見え!テレビ特捜部』や『1億人の大質問!?笑ってコラえて!』などの番組の司会として、お茶の間の人気を集めている芸人です。
シンガーソングライターとしても活動をしており、CDアルバムも発売しています。車・バイク・ファッションなどの趣味を楽しむ公式サイト『97チャンネル』や、YouTube『所さんの97チャンネル』も運営し、テレビでは見られない姿を披露しています。
親しみを持てる人柄は老若男女問わず好感度が高いため、これからも視聴者に愛される芸人でい続けるでしょう。
1955年生まれ、和歌山県出身の芸人です。1974年に2代目笑福亭松之助に入門し、お笑いの道を歩み始めました。
活動の場はお笑いだけにとどまらず、ドラマ『男女7人夏物語(1986年)』や『空から降る一億の星(2002年)』では主演を務めました。
また、『マンザイ太閤記(1981年)』や『19 ナインティーン(1987年)』など数多くの映画にも出演し、芸人の活動の領域を広げた存在です。
1999年には『日本で最も露出の多いテレビスター』として、ギネス世界記録に認定されています。日本では知らない人がいないほどの人気を誇り、これからも笑いを届けてくれるはずです。
1945年生まれ福岡県出身、多くの視聴者に愛されたバラエティ番組『森田一義アワー 笑っていいとも!』の司会として、長くお茶の間を賑わせてきた芸人です。
音楽番組『ミュージックステーション』でも司会を務め、さまざまなアーティストを紹介してきました。タモリと出演者との交流を楽しみにするファンも多いはずです。
1位に選ばれた理由には、安定感と好感度を持ち合わせた司会の影響もあるでしょう。『タモさん』の愛称で呼ばれ、たくさんの人に愛される芸人なので、これからの活躍にも期待です。
ピン芸人の人気ランキング【女性編】
順位 | タレント名 | パワースコア | 調査時期 |
1位 | 渡辺直美 | 37.6 | 2022年8月 |
2位 | いとうあさこ | 35.6 | 2022年8月 |
3位 | イモトアヤコ | 31.8 | 2022年8月 |
4位 | 友近 | 29.2 | 2022年8月 |
5位 | 椿鬼奴 | 25.5 | 2022年8月 |
6位 | ヒコロヒー | 25.1 | 2022年8月 |
6位 | 横澤夏子 | 25.1 | 2022年8月 |
ピン芸人の人気ランキング【女性編】には、独特な芸風を持つ芸人が次々とランクインしました。テレビで見かけることの多い芸人ばかりです。
1990年生まれ、新潟県出身の芸人です。2016年・2017年には、R-1ぐらんぷりのファイナリストに選ばれた実力の持ち主でもあります。人柄がよいことから、多くのファンを獲得している芸人です。
趣味は婚活パーティーに参加することで、新潟県婚活応援大使にも認定されています。婚活の経験は芸風にも生かされており、自虐ネタは共感を呼んでいます。現在は結婚し、2児の母としても奮闘しています。
テレビ番組への出演も多いですが、舞台で笑いを届けることも忘れてはいません。これからも見ている人を笑顔にしてくれることが期待されます。
1989年生まれ、愛媛県出身の芸人です。レギュラー番組も持ち、『キョコロヒー』や『5時に夢中!』に出演しています。
『踊る!さんま御殿!!』や『ゴッドタン』『全力!脱力タイムズ』などにも不定期で登場するほか、ラジオ番組にも出演して巧みなトークを披露しています。
また、活躍の場はバラエティだけではありません。NHK連続テレビ小説『ごちそうさん(2013年)』では、俳優陣に囲まれながら演技も行いました。
1998年にNSC東京校4期生として入門し、お笑い番組には独特な出で立ちで登場した椿鬼奴は、1972年生まれ東京都出身の芸人です。『世界の果てまでイッテQ!』ではレギュラー出演し、共演者とともに笑いを届けています。
またバラエティ番組だけでなく、ドラマ『怪物くん(2010年)』や『結婚に一番近くて遠い女(2015年)』『突然ですが、明日結婚します(2017年)』にも出演しました。芸風とは異なる演技力を見せながら、活動の幅を広げています。
1973年生まれ、愛媛県出身の芸人です。2000年にNSC大阪校23期生としてお笑いの世界に入りました。これまでに5回もR-1ぐらんぷりのファイナリストに選ばれており、最高4位に入賞しています。
2004年にはABCお笑い新人グランプリの優秀新人賞を受賞し、女性ピン芸人の代表となった存在です。お笑いに関する賞の受賞が、女性芸人の中でも多いことも友近の魅力ではないでしょうか。
また、ドラマにも多数出演しており、NHK連続テレビ小説『芋たこなんきん(2006年)』や『プロミス・シンデレラ(2021年)』などに登場しました。
1986年生まれ、鳥取県出身の芸人です。バラエティ番組『世界の果てまでイッテQ!』ではレギュラー出演しており、笑いと涙を届けながら印象的な姿を披露しています。
男女問わず好感度が高い芸人の1人で、活躍の場はドラマ・CM・舞台へと広がっています。ドラマ『下町ロケット(2018年)』や『家売るオンナの逆襲(2019年)』では、バラエティとは違った顔を見せ、視聴者を驚かせました。
また、サントリー『伊右衛門』や『イモトのWiFi』でおなじみのXCom GlobalのCMなどにも出演しているため、今後もテレビで見かけることが多くなりそうです。
1970年生まれ東京都出身、『世界の果てまでイッテQ!』や『ヒルナンデス!』など人気バラエティ番組にレギュラー出演する芸人です。
1997年にお笑いコンビ『ネギねこ調査隊』を結成しましたが、2003年に解散してからはピン芸人として活動しています。ピン芸人としては、野球漫画『タッチ』のヒロイン・浅倉南のコスプレで自虐ネタを披露し、人気を集めました。
また、伊藤ハム『朝のフレッシュシリーズ』のCMではコミカルなダンスを披露し、話題となりました。今後も長く活躍が期待できる女性芸人です。
1987年生まれ、茨城県出身の芸人です。歌・ダンスが得意で、ビヨンセのモノマネであっという間にお茶の間の人気者となりました。
世界的な活動をする芸人としても知られており、Naomi Watanabeとしてワールドツアーも行いました。
ニューヨーク・ロサンゼルス・台北で行われたツアーは大変好評で、『ニューヨーク・タイムズ』の『ネット上で最も影響力のある25人』にも選出されています。世界に羽ばたく芸人として、これからも日本・海外問わず活躍が楽しみな存在です。
ピンだからこそ際立つ豊かな個性をチェック
ピン芸人は個性的な芸風の持ち主が多く、存在感のある人が少なくありません。バラエティ番組で笑いを取ることはもちろん、テレビ番組の司会者として活動している人もいます。
また、活動はお笑いだけにとどまらず、ドラマ・映画に出演したり、脚本家・監督として製作側に回ったりする芸人もいます。
テレビを見ていて気になるピン芸人がいたときには、ほかにどのような活動をしているのかにも注目してみましょう。