男性タレント

『おちょやん』でヒロインの弟を演じた倉悠貴が海外でも活躍

2020年に池田エライザ初監督映画『夏、至るころ』(キネマ旬報DD、映画24区)の主役に抜てきされ、2021年にNHK連続テレビ小説『おちょやん』でヒロインの弟を演じて脚光を浴びた倉悠貴。等身大の高校生から純真なアイドルファン、ヤクザ役まで、幅広い役柄を演じてきた22歳の注目株だ。2023年には、出演した海外ドラマも放送が予定されている。

2022年は、3本の映画と5本のドラマで活躍を見せた。まず3月に公開されたのは、映画『KAPPEI カッペイ』(東宝)。どう見ても年上の主人公・勝平(伊藤英明)を、「ペイ」呼ばわりする怖いもの知らずのイマドキ男子・矢木にふんして笑いを取った。4月にはホラー映画『N号棟』(SDP)が公開。主人公(萩原みのり)と幽霊団地に足を踏み入れ、数々の怪奇現象を目撃する大学生・啓太にふんした。

『生き残った6人によると』『階段下のゴッホ』などで存在感

以降、立て続けにドラマに出演。6月に出演したのは、『持続可能な恋ですか?~父と娘の結婚行進曲~』(TBS系)だ。第8話に登場し、上野樹里演じる主人公に鋭い言葉を投げかける犬飼役を演じた。同月には、主演作となる『君のことだけ見ていたい』(Hulu)が配信。芦田愛菜と宮本信子が主演した映画『メタモルフォーゼの縁側』に登場するBLマンガを実写化した全4話の作品で、同級生の男子に恋心を抱く高校生・浅倉咲良にふんした。

8月からは、『とんかつDJアゲ太郎』の映画監督・二宮健が脚本・演出を手掛けた『生き残った6人によると』(MBS・TBS)にレギュラー出演。街中にゾンビがあふれるなか、ショッピングモールで生き残った寡黙なフリーター・入江神を演じ、桜田ひより、佐野玲於、中村ゆりからと共演した。9月には『競争の番人』(フジ系)の最終話に登場。公正取引委員会の四国支所審査官・高梨湊斗役を担った。

そして10月には、『階段下のゴッホ』(TBS)に出演。第6話から登場し、東京藝術大学を目指す平真太郎(神尾楓珠)の兄・光也を演じた。光也は美大受験に失敗し続け、次第に心を病んでいく難役だったが、その変化を情感豊かな演技で表現して鮮烈な印象を残した。

11月には、『愛がなんだ』『街の上で』などで人気の今泉力哉監督の新作『窓辺にて』(東京テアトル)が公開。主人公のフリーライター(稲垣吾郎)が、女子高生作家(玉城ティナ)に紹介されて出会う彼氏の金髪青年・水木優二にふんし、軽妙な演技で今の若者感を体現してみせた。

池田エライザ監督映画で初主演、朝ドラで全国区に

2018年、古着屋でアルバイトをしていたときにスカウトされ、2019年にドラマ『トレース〜科捜研の男〜』(フジ系)で俳優デビュー。同年、今泉監督が参加したドラマ『his〜恋するつもりなんてなかった』(名古屋テレビ)のオーディションに参加し、主役の日比野渚役を勝ち取った。

2020年には、蜷川実花監督によるNetflixオリジナルシリーズ『FOLLOWERS』に出演。このときヒロインを演じた池田エライザの目に留まり、初監督長編『夏、至るころ』の主役に抜擢された。同作で演じたのは、福岡県田川市で和太鼓に打ち込んできた高校3年生・大沼翔。進路や親友との関係などに悩む思春期の少年を瑞々しい演技で体現し、祖父役のリリー・フランキーや祖母役の原日出子らと共演した。

2021年には、清水崇監督の『樹海村』、前田弘二監督の『まともじゃないのは君も一緒』、ウエダアツシ監督の『うみべの女の子』など映画6作に出演。三浦透子、八木莉可子、青木柚らネクストブレイク俳優が数多く出演した丸山健志監督による『スパゲティコード・ラブ』(ハピネットファントム・スタジオ)では、群像劇の冒頭とラストを締めくくるフードデリバリー配達員の羽田天役を担った。また同年、見上愛とダブル主演した映画『衝動』では、違法薬物の運び屋をしている孤独な少年・ハチにふんした。

2021年、全国区で注目を集めた出世作が、朝ドラ『おちょやん』だ。演じたのは、ヒロイン・竹井千代(杉咲花)と幼い頃に生き別れになった弟のヨシヲ。一見立派な大人になったかのように見えて、実はヤクザ者になっていたヨシヲを、その波瀾万丈な人生と内なる葛藤を滲ませながら熱演して評判となった。

落ち着いた雰囲気と清潔感を持つ個性派

【倉悠貴】時系列:2022年8月~過去2年間タレントパワーランキングでは、年4回、計4400人のモニターにアンケート調査を行う。倉の認知度と誘引率(「見たい、知りたい」の指標)の調査結果を見ると、2021年11月に3.7%だった認知度は、2022年2月に5.7%まで上昇。これは前年11月に『スパゲティコード・ラブ』、12月に『衝動』と2本の映画が公開され、話題の山を作ったことが大きそうだ。 誘引率は、2021年11月は80.5%だったが、2022年8月に87.0%に。これは『持続可能な恋ですか?』『君のことだけ見ていたい』『生き残った6人によると』 などが矢継ぎ早に放送・配信された時期となる。認知度と誘引率を掛け合わせた「パワースコア」は2022年8月に最高値の3.1を記録している。

【倉悠貴】イメージワード2021年

タレントパワーランキングでは、年に1度、イメージワード調査も行う。倉の2021年の調査結果を見ると、1位は「落ち着いた」で34.1%。2位は「さっぱりとした」で31.7%、3位には「個性的な」「優しい」が29.3%で並んでいる。以降「センスが良い」「クールな感じ」「演技力がある」などが続く。落ち着いた雰囲気と清潔感を持つ個性派、といったイメージが強いようだ。イメージワードが近い「相似タレント」としてデータが弾き出したのは、東啓介、若葉竜也、淵上泰史らだった。

2023年は『トップガン マーヴェリック』を大ヒットさせた製作陣によるFX(アメリカの有料テレビチャンネル)のドラマ『将軍 SHOGUN』が放送予定。真田広之、浅野忠信、二階堂ふみらと共演してハリウッドに進出する。海外からも注目を集めそうだ。

倉悠貴(くら・ゆうき)


誕生日 1999年12月19日
出身地 大阪府
所属事務所 ソニー・ミュージックアーティスツ
公式ツイッター https://twitter.com/kura__yuki
公式サイト https://www.sma.co.jp/s/sma/artist/494?ima=0000#/news/0
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