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2021年の連ドラは8本!どんな役にも寄り添う24歳・坂東龍汰

どんな役も自分に引き寄せる役者もいれば、どんな役にも歩み寄り、作品にフィットする役者もいる。24歳の坂東龍汰は、おそらく後者だ。明るい高校生から謎の配達員、トランスジェンダーまで演じきり、役と作品に寄り添い続けている。

2021年の出演作は、10本にものぼる。そのうち連続ドラマのレギュラーは8本という多さだ。特に10月からの活躍は目覚ましい。WOWOWの『ソロモンの偽証』では、同級生を死に追いやったとしてヒロイン(上白石萌歌)らに告発される不良高校生・大出俊次役を熱演。TBSの“よるおびドラマ”としてスタートした『その初恋はフィクションです』では、ヒロインにほのかな想いを寄せるムードメイカーの高校生・野島啓介役を演じた。

さらに『あなたの番です』の制作チームによる2クールドラマとして話題の『真犯人フラグ』(日テレ系)にも出演。主人公(西島秀俊)が勤める運送会社の配達員・望月鼓太朗を演じ、随所で謎めいた表情を見せて視聴者を惹きつけた。

デビューから5年で幅広い作品に出演

坂東はニューヨーク生まれ。3歳から北海道で、思想家のルドルフ・シュタイナーが提唱した「シュタイナー教育」を受けて育った。そのカリキュラムで経験したのが、演劇。演技の楽しさに目覚め、高校卒業後は1年間旅館に住み込みで働き、貯めた100万円を持って上京した。そして、オダギリジョーや光石研ら実力派が所属する現事務所(鈍牛倶楽部)に所属。2017年にデビューを飾った。

2018年1月には、岩松了作・演出の『三人姉妹はホントにモスクワに行きたがっているのか?』で初舞台を踏む。6月には音楽映画 『EVEN~君に贈る歌~』(ユニバーサル・コネクト)に出演し、ロックバンド「EVEN」のギター・快役を演じた。8月にはオーディションで選ばれ、『花へんろ特別編  春子の人形』(NHK BSプレミアム)で初主演。昭和初期、丸刈りにして海軍兵学校に志願する16歳の少年・良介を演じた。

『十二人の死にたい子どもたち』『犬鳴村』などで躍進

2019年には、杉咲花、新田真剣佑、北村匠海ら次世代俳優が揃った映画『十二人の死にたい子どもたち』(ワーナー・ブラザース映画)に出演する。複雑な家庭環境で育った金髪の青年・セイゴを演じた。また同年、『ストロベリーナイト・サーガ』(フジ系)の第1話や、『緊急取調室 3rd SEASON』(テレ朝系)の第9話と10話などにも出演。様々な現場で経験値を上げていく。

20年は、1月期の『シロでもクロでもない世界で、パンダは笑う。』(読売テレビ、日テレ系)にニュース番組のAD・伊藤健人役でレギュラー出演したほか、FOD・YOUKUにて8月から配信され、11月からはフジ系にて放送された『時をかけるバンド』や、黒沢清監督作で劇場版も公開された『スパイの妻』(NHK BSプレミアム)などのドラマに出演。映画は、ヒロイン(三吉彩花)の兄・森田悠真を演じた『犬鳴村』(東映)、主人公(永瀬廉)を自転車競技部に誘う「浪速のスピードマン」こと鳴子章吉を演じた『弱虫ペダル』、松居大悟監督の『#ハンド全力』(イオンエンターテイメント、ラビットハウス、エレファントハウス)など5 本に出演。ホラーから青春映画まで、幅広い作品で多彩な顔を見せた。

2021年に10本の作品に出演して急成長

そして迎えた2021年は、1月からMBS「ドラマ特区」枠の『夢中さ、きみに。』に高校生の目高優一役で出演した後、3月にHuluオリジナル『THE LIMIT』に登場。劇団「玉田企画」の玉田真也が脚本を手掛ける第1話で、伊藤沙莉らと三角関係を演じた。4月からは渡辺あや脚本の『今ここにある危機とぼくの好感度について』(NHK)で新聞部の大学生・望月耕介を演じ、6月からは「ドラマParavi」枠で放送された『にぶんのいち夫婦』(テレ東系)で活躍を見せる。ヒロインの既婚女性(比嘉愛未)と同じコールセンターで働き、「俺と浮気しませんか?」とアプローチしていく大学生・樋口亮にふんし、「かっこよすぎ」「色気ありすぎる」などと視聴者を魅了した。

7月には出演映画が連続公開され、少女マンガ原作の『ハニーレモンソーダ』(松竹)では明るい性格の高校生・瀬戸悟役を、林遣都主演の『犬部!』(KADOKAWA)では、大原櫻子演じる猫好き研究員の後輩・田原優作役を演じた。

そして8月から配信されたHuluオリジナルの主演ドラマが、『ドライフラワー-七月の部屋-』だ。優里の大ヒット曲の世界を映像化。同棲する彼女(北香那)とすれ違っていく薫役を演じた。以降、10月からの『ソロモンの偽証』『この初恋はフィクションです』『真犯人フラグ』と怒濤の出演ラッシュが続く。

カメレオンぶりを表す、イメージワードの幅広さ

坂東龍汰 2021年2月~8月 スコア推移 <女性>

 

タレントパワーランキングの調査では、坂東の今年の認知度は6%台で推移。認知度に誘引力(「見たい、知りたい」の指標)を掛け合わせた「パワースコア」も3%台をキープしている。

男女別で比較すると(上グラフ)、男性の認知度、パワースコアはほぼ横ばいだが、女性は上昇している。例えば2021年2月に74.5%だった誘引率は、8月に85.4%に急上昇。パワースコアは4.1から4.7へ上がっている。その間に放送された『にぶんのいち夫婦』などが影響していそうだ。

坂東龍汰 イメージワード 2021年

 

イメージワード調査の結果は、1位は「落ち着いた」で33.8%、2位は「演技力がある」で31.0%、3位が「優しい」で28.2%となっている。以降、「センスが良い」「男前な」「さわやかな」「ヤンチャな」「個性的な」「活発な」「クールな感じ」と続く。突出したワードがなく、幅広いイメージを獲得していることが特徴だ。ツイッターを見ても、「振り幅えぐすぎて怖い」「ホントにカメレオン俳優」といった視聴者のコメントが多く、作品や役にフィットするタイプの俳優であることが分かる。

2022年は、主演映画でトランスジェンダーに挑戦

2022年は、主演映画の公開から幕を開ける。1月14日に封切られるのは、トランスジェンダーの監督・飯塚花笑(かしょう)による『フタリノセカイ』(アークエンタテインメント)。坂東は、女性として生まれた自分に違和感を覚え、性転換手術の費用を貯めるために実家の弁当屋で働く主人公・真也役を演じる。体は女性、心は男性、そして女性と恋に落ちるという難役を体当たりで演じており、代表作の1つとなりそうだ。また小泉堯史監督、役所広司主演の時代劇『峠 最後のサムライ』(松竹、アスミック・エース)も公開予定。まだまだ新たな顔を見せてくれそうだ。

坂東龍汰(ばんどう・りょうた)

誕生日 1997年5月24日
出身地 アメリカ・ニューヨーク市
所属事務所 鈍牛倶楽部
公式サイト http://dongyu.co.jp/profile/ryotabando/
公式ツイッター https://twitter.com/bando_ryota
公式インスタグラム https://www.instagram.com/ryota_bando/