Z世代女性で上昇した10代女優TOP10の算出方法
株式会社アーキテクトが実施しているタレントパワーランキングの定期調査で、調査対象として登録されている10~19歳女優の中でZ世代(※注)の女性の回答においてパワースコアの上昇率が高かった順にランキング化しました。タレントの年齢は2024年8月1日時点です。
なお、女優の活動よりもバラエティやモデルの活動が中心となっている人は除きました。10代女優にはキャリアが浅い新人を含むため、ここでは過去2年(2022~2024年=2024年8月1日時点で今後放送・公開予定の作品を含む)に連ドラや映画に出演したことがない人を除外条件としました。
『パワースコア』とは、株式会社アーキテクトが3カ月に1度実施している、タレントの『認知度(顔と名前を知っている)』と『誘引率(見たい・聴きたい・知りたい)』の調査をもとに、2つのデータを掛け合わせて算出したものです。タレントパワーランキング調査は2月、5月、8月、11月に実施。今回は、2024年5月度に調査を行ったデータを使用しています。
※注 Z世代は、一般的には1990年代後半から2010年代前半に生まれた世代とされています。ここでは10代と20~24歳を合わせた回答データを使用しました。
9位
中島セナ
9位には2名が並びました、1人目は中島セナです。2006年2月17日生まれ、東京都出身。2017年にスカウトされて、モデルとして活動をスタート。2021~2022年に大塚製薬「ポカリスエット」のCMに出演。2023年夏にはマイナビ「未来が見える世界をつくる。」篇のCMで木戸大聖と共演しました。
凛とした雰囲気の中に、神秘的な魅力を秘めたモデル系女優です。2024年5月に公開された映画『あこがれの色彩』で主演して、注目度が上昇。男女全年齢での5月度上昇率ランキングでは10代女優2位でした(1位は近藤華)。8月9日公開の眞栄田郷敦主演映画『ブルーピリオド』にも出演しています。
9位
林芽亜里
もうひとりの9位は林芽亜里です。2005年11月5日生まれ、石川県出身。2015年に「ニコ☆プチモデルオーディション」でグランプリ受賞。2023年にはオープンハウスのCMで地底人役の木村拓哉と共演して話題を集めました。
Snow Manの渡辺翔太が主演した2024年1月期ドラマ『先生さようなら』(日テレ系)のヒロインに抜擢されて、爽やかな存在感を見せました。『ニコ☆プチ』『nicola』の専属モデルを経て、2022年秋から『non-no』の専属モデルをつとめていることから、10~20代女性の認知度はほかの年代と比べて高くなっています。最近では、7月11日に放送された『あざとくて何が悪いの?』(テレ朝系)にVTR出演しました。
8位
長澤樹
長澤樹が8位にランクインしました。 2005年10月24日生まれ、静岡県出身。小学校5年生のときに芸能界入り。2021年に映画『光を追いかけて』でヒロイン役。2022年にはドラマ『一橋桐子の犯罪日記』(NHK)で活躍して注目されました。
2024年3月に初主演映画『愛のゆくえ』が公開され、注目を集めました。演技力の高さと感性の豊かさを持ち味とする、期待の女優です。秋公開の映画『カーリングの神様』、10月公開の映画『BISHU ~世界でいちばん優しい服~』にも出演します。
『からかい上手の高木さん』主演の月島琉衣がトップ5入り
5位
浅田芭路
5位には3人が同スコアで並んでいます。1人目は浅田芭路です。2013年9月5日生まれ、東京都出身。2018年に子役デビュー。2022年放送のNHK連続テレビ小説『舞いあがれ!』で福原遥が演じたヒロインの少女時代を演じ、知名度が急上昇しました。
2024年1月に公開された映画『ゴールデンカムイ』に出演。沖縄に本社がある「麦飯石の水」のCMイメージキャラクターをつとめていることから、5月14日に沖縄セルラースタジアム那覇で行われたプロ野球公式戦オリックス対ロッテ戦で始球式をつとめて、話題を集めました。6月から配信が開始されたNetflix映画『余命一年の僕が、余命半年の君と出会った話。』には横田真悠が演じた三浦綾香の幼少期役で出演しました。
5位
池端杏慈
池端杏慈も5位にランクイン。2007年9月8日生まれ、東京都出身。2021年、ニコラモデルオーディションでグランプリ。2023年から大塚製薬「ポカリスエット」のCMに起用されて(椿とWヒロイン)、透明度の高いビジュアルが注目を集めました。
2024年5月に『nicola』専属モデルを卒業。11月公開の八木勇征主演映画『矢野くんの普通の日々』でヒロインを演じます。7月12日から「ポカリスエット」の新CMが放送開始されています。
5位
月島琉衣
月島琉衣も5位です。2008年3月1日生まれ、神奈川県出身。「ミスセブンティーン2022」に選ばれて、『Seventeen』専属モデルとしても活躍中です。
2024年4月期のドラマ『からかい上手の高木さん』(TBS系)で黒川想矢とW主演して注目を集め、スコア上昇につながりました。4月クールは森本慎太郎主演ドラマ『街並み照らすヤツら』(日テレ系)にも出演しました。明るく無邪気な役柄が似合う、ナチュラルな存在感が魅力です。
4位
近藤華
4位には近藤華がランクインしました。2007年8月6日生まれ、東京都出身。2021年に三井不動産リアルティ「三井のリハウス」のCMで宮沢りえと共演。2023年には資生堂150周年記念CMにも出演しました。
2024年4月期のドラマ『アンチヒーロー』(TBS系)に出演して注目を集めました。Z世代における認知度上昇率ランキングでは10代女優1位でした。クールな存在感にカリスマ性を秘める、注目の女優です。8月23日公開予定のホラー映画『サユリ』にヒロイン役で出演。この映画は世界13カ国での公開が決定しています。
3位
伊東蒼
3位は伊東蒼です。6歳で女優デビュー。2016年公開の宮沢りえ主演映画『湯を沸かすほどの熱い愛』で注目を集め、2021年にはNHK連続テレビ小説『おかえりモネ』で好演しました。
深みのある演技を見せる、新鋭女優です。2023年に公開された主演映画『世界の終わりから』(監督・紀里谷和明)が2024年4月から配信開始されて、注目度上昇の要因になったと思われます。2024年7月期は、宮藤官九郎の脚本によるドラマ『新宿野戦病院』(フジ系)にトー横キッズのマユ役で出演して話題を集めています。次回調査では、さらにスコアが上昇しそうです。
2位
稲垣来泉
2位は稲垣来泉です。2011年1月5日生まれ、千葉県出身。子役としてデビューして、2022年放送のNHK連続テレビ小説『ちむどんどん』に黒島結菜が演じたヒロインの少女時代役で出演しました。
2024年5月号から雑誌『nicola』専属モデルとなり、読者層の10代女性の注目度が上昇。10代女性の回答に限ると、上昇率・10代女優1位でした。『nicola』の専属モデルは、つねに同世代女性の注目度が高く、過去には新垣結衣、川口春奈、永野芽郁、清原果耶、南沙良らを輩出しています(永野・清原は『nicola』卒業後、『Seventeen』に移籍)。6月から味の素「Cook Do回鍋肉用・青椒肉絲用」のCMで阿部寛と共演。また、6月14日に公開された映画『ブルー 君は大丈夫』の吹替版で少女ビーの声を担当しています。
1位は清涼飲料水CMでもおなじみの美少女女優
1位
當真あみ
そして、1位は當真あみです。2006年11月2日生まれ、沖縄県出身。2021年にリクルートの企業CMでデビュー。2022年にアサヒ飲料「カルピスウォーター」のCMに起用されたのに続き、アニメーション映画『かがみの孤城』で主人公の声優に抜擢されて話題となりました。
2024年3月に放送され、5月3日には拡大再編集された特別版がオンエアされた『ケの日のケケケ』(NHK)でドラマ初主演。「令和時代の新たな青春物語」として注目を集めた創作テレビドラマ大賞受賞作のドラマ化ということでZ世代の関心が高く、この世代でのスコア上昇要因の1つになったと考えられます。ランキング上位3人は、いずれもZ世代でのスコアが大きく上昇しました。
前ページに戻る文/高倉文紀
評論家。『日経エンタテインメント!』『日刊ゲンダイ』などのメディアで女優・アイドルなどの取材や分析を展開。 https://note.com/tokyodiorama