近年、昭和歌謡が再注目されています。昭和時代の歌謡曲やアイドル、ニューミュージックについての流れを把握しておきましょう。昭和に活躍していただけでなく、現在も精力的に活動している歌手ランキングを紹介します。
昭和に活躍した歌手とは
昭和は1926〜1989年までと、長く続いた時代です。歴史的にも大きな動きがありましたが、音楽もさまざまな変遷をたどりました。昭和の日本歌謡の流れについて見ていきましょう。
昭和初期は「歌謡曲」が主流
日本にレコード産業の時代が到来したのは、1927年に『日本ビクター蓄音器株式会社』が設立されて以降です。
島倉千代子の『からたち日記(1958年)』、ペギー葉山の『ドレミの歌(1961年)』などが次々と流行しました。
並行して洋楽をカバーしたジャズが流行ったり、シャンソンや演歌が登場したりと日本独自の流行歌が登場し、淡谷のり子歌唱の『別れのブルース(1937年)』が人気を博しました。
戦後は歌謡曲として、並木路子の『リンゴの唄(1945年)』や笠置シヅ子の『東京ブギウギ(1947年)』が流行し、歌謡曲の女王として知られる美空ひばりが登場します。
1970年代に「アイドル」が登場
1971年には日本テレビで『スター誕生!』が放映されます。視聴者参加型のオーディション番組です。この番組から若手歌手をアイドルとしてデビューさせたことで、徐々にアイドルが広まっていきました。
松本明子・中森明菜・小泉今日子・片平なぎさなど、現在でも各方面で活躍するタレントも、『スター誕生!』からデビューしています。
『スター誕生!』以降、アイドルブームが到来します。キャンディーズやピンク・レディー、山口百恵などは現在も曲や名前を耳にする機会があるでしょう。
1979~1980年からニューミュージックが人気に
1979年以降には、新しいジャンルとして『ニューミュージック』が登場しました。ニューミュージックとはフォークを基調に、ロック・ジャズ・ブルースなどさまざまな音楽を取り入れた、新しいポップミュージックです。
ニューミュージックは曲調も歌詞も、それまでの歌謡曲や演歌にはない切り口でしたが、徐々に浸透し主流になっていきます。
ニューミュージックの大きな特徴は、それまで作詞家・作曲家が作った曲を歌手が歌唱するというように分断されていた作業を、『シンガーソングライター』として全て自分で行うケースが増えたことです。
井上陽水や荒井由実(松任谷由実)などが、代表的なシンガーソングライターです。
昭和に活躍していた歌手ランキングの算出方法
昭和に活躍していた歌手ランキングは、株式会社アーキテクトのタレントパワーランキングから抽出しました。ランキングの調査方法を詳しく解説します。
当社独自の集計方式で算出
昭和に活躍していた歌手ランキングは、株式会社アーキテクトが実施する業界最大規模のタレント調査『タレントパワーランキング』をもとにパワースコアを算出しました。こちらのデータから、ランキングが作成されています。
パワースコアとは、調査結果をもとに、タレントの認知度(顔と名前を知っている)と誘引率(見たい・聴きたい・知りたい)を掛け合わせた値です。
今回のランキングは、2022年5〜8月度に行われた調査をもとに作成しています。
昭和に活躍していた歌手ランキング
順位 | タレント名 | パワースコア | 調査時期 |
1位 | 桑田佳祐 (サザンオールスターズ) |
40.1 | 2022年8月 |
2位 | 松任谷由実 | 36.3 | 2022年8月 |
3位 | 中島みゆき | 36.0 | 2022年5月 |
4位 | 竹内まりや | 33.1 | 2022年8月 |
5位 | 小田和正 | 31.2 | 2022年5月 |
6位 | 山下達郎 | 30.8 | 2022年8月 |
7位 | 松田聖子 | 29.8 | 2022年5月 |
8位 | 郷ひろみ | 27.3 | 2022年8月 |
昭和に活躍していた歌手ランキングには、令和になった現在でも活躍している歌手がランクインしました。懐かしい曲が人気なだけでなく、精力的に新譜を発表したり、コンサートやディナーショーを行ったりしています。
1955年生まれ、歌手・俳優・タレントとして活躍しています。1972年に『男の子女の子』でデビューし、トップアイドルとして人気を博しました。
デビュー以来楽曲リリースのほかに、ドラマ・映画に出演したり、『MUSIC FAIR』 『プレバト!!』など、音楽番組・バラエティ番組へ登場したりと、精力的に活動を続けています。
2022年にはレコードデビュー50周年を迎え、ベストアルバムをリリース予定です。
『よろしく哀愁(1974年)』『お嫁サンバ(1981年)』のような昭和歌謡だけでなく、『言えないよ(1994年)』『GOLDFINGER’99(1999年)』など、平成にヒットした楽曲が、最新マスタリング音源で収録されています。
1980年に『裸足の季節』で歌手デビューした、歌手・女優です。『青い珊瑚礁(1980年)』『旅立ちはフリージア(1988年)』など、多くのヒット曲があります。シングルチャート24曲連続1位の記録を持ち、国民的な人気を誇りました。
2013年には日本武道館100回公演を達成、2017年には大阪城ホールにおいても70回を超える公演を行うなど、アーティストとして精力的に活動しています。
女優としても、NHK大河ドラマ『平清盛(2012年)』や、シンガポール・日本・フランス合作の映画『RAMEN TEH(2019年)』などに出演しました。
1953年生まれの、シンガーソングライターです。1975年にバンド『シュガー・ベイブ』でデビュー後、1976年にリリースのアルバム『CIRCUS TOWN』でソロデビューしました。その後『RIDE ON TIME(1980年)』がヒットし、知名度を博します。
現在はクリスマスソングとして定番の楽曲『クリスマス・イブ』は、アルバム『MELODIES(1983年)』に収録されたものです。1988年にJR東海のクリスマスキャンペーンに採用されてから、一気に人気曲の仲間入りを果たしました。
1984年以降は、竹内まりや作品のアレンジ・プロデュースも手掛けています。2022年6月にはアルバム『SOFTLY』をリリースし、ライブ活動も精力的に行っています。
1947年生まれ、シンガーソングライター・映画監督として活動しています。1970年にバンド『オフコース』でデビューし、『さよなら(1979年)』『Yes-No(1980年)』をヒットさせました。
1989年にオフコースを解散後、ソロとしてアーティスト活動をスタートしています。『ラブ・ストーリーは突然に(1991年)』は、CD売上270万枚を超える大ヒットを達成しました。
『小田日和(2014年)』『early summer 2022(2022年)』などのオリジナルアルバムや、『あの日 あの時(2016年)』といったベストアルバムを発売するほか、アリーナツアーも開催するなど、精力的な活動をしています。
1955年生まれ、シンガーソングライターとして活動しています。1978年に『戻っておいで・私の時間』でデビュー後、『SEPTEMBER(1979年)』『不思議なピーチパイ(1980年)』などのヒット曲を世に送り出します。
山下達郎と結婚後は、ほかのアーティストに作品を提供し始め、1984年には自身の活動も再開しました。
ベストアルバム『Impressions(1994年)』やオリジナルアルバム『Bon Appetit!(2001年)』、コンプリート・ベスト・アルバム『Expressions(2008年)』がミリオンセラーを達成し、2018年にデビュー40周年を迎えました。
2022年には、リマスター版のアルバム『Quiet Life(30th Anniversary Edition)』を発売しています。
1975年に『アザミ嬢のララバイ』でデビューしたシンガーソングライターで、同年現在もよく耳にする楽曲『時代』で世界歌謡祭のグランプリを受賞しました。
1970〜2000年代の各年代でシングルチャート1位に輝き、長きにわたって幅広い世代からの人気を獲得している女性アーティストです。
『時代(1975年)』『悪女(1981年)』『空と君のあいだに(1994年)』『地上の星(2000年)』や、TOKIOに提供した楽曲のセルフカバー『宙船(2006年)』など、人気曲が数多く存在します。
1954年生まれ、シンガーソングライター・ラジオパーソナリティーとして活動しており、『ユーミン』の愛称で親しまれています。
1972年に荒井由実名義で『返事はいらない/空と海の輝きに向けて』でデビューしました。1976年にアレンジャー・プロデューサーの松任谷正隆と結婚して以降、松任谷由実に改名して活動しています。
リリースされた楽曲は、通算セールス枚数3,000万枚以上を誇るほどの人気ぶりです。派手な演出を駆使した、エンターテインメント性の高いコンサートは、ファンだけでなく業界でも高評価です。
2022年10月には、50周年記念ベストアルバム『ユーミン万歳! 〜松任谷由実50周年記念ベストアルバム〜』がリリースされました。
1956年生まれ、バンド『サザンオールスターズ』ではボーカル&ギター、ソロではシンガーソングライターとして活躍しています。
サザンオールスターズは、1978年に『勝手にシンドバッド』でデビューしました。『いとしのエリー(1979年)』『チャコの海岸物語(1982年)』『涙のキッス(1992年)』『TSUNAMI(2000年)』と、どの時代にもヒット曲を生み出しています。
ソロでは、1987年に『悲しい気持ち(JUST A MAN IN LOVE)』でデビューし、数々の楽曲を世に送り出しています。2022年11月にはベストアルバム『いつも何処かで』をリリース、5大ドームを含む全国ツアーを併せて開催予定です。
懐かしい歌を歌手と一緒にチェックしよう
アイドルからニューミュージックまで、幅広い音楽を楽しめるのが昭和歌謡の特徴です。そんな昭和歌謡の人気が再燃している中、昭和に活躍した歌手が令和にも活動し、新たな楽曲を世に送り出しています。
昭和歌謡を懐かしく感じる人も、新鮮な気持ちで聴く人も、同じ歌手が歌う昭和と令和の楽曲を聴き比べてみると、さらに楽しめるのではないでしょうか。