吉本興業のお笑い芸人といえば、誰を思い浮かべるでしょうか?コンビ・トリオといったグループで活動している人たちから、ピンで活動している人まで、吉本には多くの芸人がいます。グループとピン、それぞれの人気ランキングを紹介します。
お笑い芸人が多数所属する吉本興業とは
吉本興業はどのような芸能事務所で、どういった芸人が所属しているのでしょうか?吉本興業の基本情報や、所属芸人の特徴を紹介していきます。
100年以上の歴史がある大手芸能事務所
吉本興業としての看板が掲げられたのは、1917年(大正6年)のことです。つまり歴史としては、100年を超える芸能事務所ということになります。
さらに遡れば1912年、吉本泰三とせいの夫婦が大阪天満に開かれていた寄席小屋『第二文芸館』を買い取ったことが始まりです。
昭和に入ると、吉本興業部を『吉本興業合名会社』に改組したり、東京の浅草に『東京花月劇場』をオープンしたりしながら、1961年にはついに上場を果たしました。
2022年には創業110周年を迎え、長きにわたって多くのお笑いファンから愛されている大手芸能事務所です。
大御所から若手まで多彩な芸人
吉本興業といえばお笑いのイメージが強いかもしれませんが、実は作家・俳優・アイドル・アーティストなどあらゆるジャンルのタレントが所属しています。
所属しているタレントの数は、全体で6,000人以上ともいわれているほどです。タレントのマネジメントをする企業としてのブランド力は、とても大きいでしょう。
芸人にフォーカスを当てても、大御所と呼ばれるベテラン芸人から若手の注目株まで、幅広い芸人が所属しています。
人が多いということは、それだけ身近にライバルが多くいるということでもあります。これにより、所属芸人全体のレベルが高くなる傾向にあることも吉本興業の特徴です。
養成所出身の芸人がたくさん
吉本興業には『NSC』というお笑い養成所があり、そこに入ってお笑い芸人を目指す人がたくさんいます。
実際にダウンタウンやナインティナイン、ハイヒールなど有名なお笑い芸人の多くが、NSCの出身です。
M-1チャンピオンがネタの指導をしてくれたり、オーディションライブが定期的に行われていたり、演技・表現力といった地力を身に付けるためのカリキュラムが組まれていたりと、充実したサポートを受けられる点が魅力となっています。
吉本所属の人気芸人ランキング算出方法
吉本所属の人気芸人ランキングは、『株式会社アーキテクト』が実施しているタレントパワーランキングの最新調査結果をもとに抽出しました。ランキングの調査方法について紹介します。
当社独自の集計方式で算出
吉本所属の人気芸人ランキングは、株式会社アーキテクトが実施する業界最大規模のタレント調査『タレントパワーランキング』をもとにパワースコアを算出、こちらのデータからランキングが作成されています。
パワースコアとは、調査結果をもとに、タレントの認知度(顔と名前を知っている)と誘引率(見たい・聴きたい・知りたい)を掛け合わせた値です。
今回のランキングは、2022年5〜8月度に行われた調査をもとに作成しています。
吉本所属の人気お笑い芸人ランキング【グループ】
順位 | タレント名 | パワースコア | 調査時期 |
1位 | ダウンタウン | 41.2 | 2022年8月 |
2位 | 博多華丸・大吉 | 40.2 | 2022年8月 |
3位 | 千鳥 | 38.9 | 2022年8月 |
4位 | チョコレートプラネット | 36.4 | 2022年8月 |
5位 | タカアンドトシ | 32.6 | 2022年8月 |
6位 | 南海キャンディーズ | 32.2 | 2022年8月 |
7位 | ハリセンボン | 31.5 | 2022年8月 |
8位 | かまいたち | 30.8 | 2022年8月 |
9位 | ナインティナイン | 30.6 | 2022年8月 |
10位 | ロバート | 29.5 | 2022年5月 |
吉本所属の人気お笑い芸人ランキング【グループ】には、今現在も多くのレギュラー番組を抱える有名なコンビ・トリオが多くランクインしました。それぞれの活躍について見ていきましょう。
1998年に結成されたお笑いトリオで、メンバーは山本博・秋山竜次・馬場裕之の3人です。東京NSCの4期生でした。
ネタはほとんどがコントで、キングオブコント2011で優勝した経験があります。それぞれソロでも活躍しており、秋山はIPPONグランプリの第8回・第11回大会で優勝しました。
山本は『おはスタ』で、また馬場は『ごちそうマエストロ』などでレギュラーを持っており、各々の特技・持ち味を生かし幅広いフィールドで活躍中です。
1990年に結成されたコンビで、メンバーは矢部浩之・岡村隆史の2人です。大阪NSCの9期生でした。
岡村のボケに矢部がツッコミを入れるスタイルの漫才で、第13回ABCお笑い新人グランプリの最優秀新人賞や、第22回上方お笑い大賞の銀賞などを獲得しています。
現在は『ぐるぐるナインティナイン』『ナインティナインのオールナイトニッポン』といった番組のレギュラーを務め、バラエティ番組を中心に活躍中です。
またそれぞれピンでの活躍も目立ち、岡村は『チコちゃんに叱られる!』『東野・岡村の旅猿 プライベートでごめんなさい…』、矢部は『アウト×デラックス』などに出演しています。
2004年に結成されたコンビで、メンバーは山内健司・濱家隆一の2人です。大阪NSCの26期生でした。
ボケの山内とツッコミの濱家による漫才、そしてコントにも定評があり、これまでに多くの賞を受賞してきました。
2007年にはABCお笑い新人グランプリ最優秀新人賞、2008年には上方漫才大賞新人賞、2017年にはキングオブコント優勝、2019年にはM-1グランプリ準優勝と輝かしい実績です。
現在でも『ルミネtheよしもと』で定期的にネタを披露しており、実力・人気ともにトップクラスのコンビとして活躍しています。
2004年に結成されたコンビで、メンバーは近藤春菜・箕輪はるかの2人です。東京NSCの9期生でした。
2007年にはM-1グランプリで4位に入賞しており、実力ある女性コンビとして高く評価されています。
『ニンゲン観察バラエティ モニタリング』『そろそろにちようチャップリン』などの番組にレギュラー出演しているほか、近藤は『土曜スタジオパーク』『内村のツボる動画』などにも出演しています。
2003年に結成されたコンビで、メンバーは山里亮太・しずちゃん(山崎静代)の2人です。山里の方はNSC大阪校の出身で、22期生でした。
男女ペアのコンビとして、自由奔放に暴れるしずちゃんを山里が言葉巧みにツッコんでいくというスタイルが基本形です。2004年にはABCお笑い新人グランプリで優秀新人賞を、同年にはM-1グランプリで2位に輝いています。
また、しずちゃんは女優として『フラガール(2006年)』『劇場版 カンナさん大成功です!(2009年)』『エリカ38(2019年)』などに出演しました。
一方、山里は『スッキリ』『ヒルナンデス』『アウト×デラックス』などバラエティ番組で活躍しており、ピンでの活動も精力的にしているコンビです。
1994年に結成されたコンビで、メンバーはタカ・トシの2人です。主に漫才を得意とし、タカがボケでトシがツッコミというスタンスを取っています。
アメリカっぽいことを言うタカにトシが「欧米か!」とツッコむネタは特に人気が高く、彼らの知名度を一気に上げました。
1997年には全国吉本若手漫才で優勝し、また爆笑オンエアバトルチャンピオン大会では2005年・2006年に2連覇を達成しています。
『帰れマンデー見っけ隊!!』『今夜はナゾトレ』など多くのレギュラーも持っており、人気の高いコンビです。
2005年に結成されたコンビで、メンバーは長田庄平・松尾駿の2人です。NSC東京校の11期生でした。
コントを主体としており、特に小道具を駆使したネタには定評があります。2014年にはキングオブコントで準優勝を果たしました。また、松尾はIKKOのモノマネでも有名で、たびたび各所で披露しています。
『ヒルナンデス!』『有吉の壁』『新しいカギ』『おはスタ』など、情報番組からバラエティまで幅広いジャンルの番組でレギュラー出演しているコンビです。
2000年に結成されたコンビで、メンバーは大悟・ノブの2人です。NSC大阪校21期と同期の世代でした。
アドリブ感のある漫才が持ち味で、2005年・2007年のNHK上方漫才コンテストで優秀賞、2004年にはABCお笑い新人グランプリで最優秀新人賞を獲得しています。
バラエティでのトーク力が抜群に高く、『テレビ千鳥』『千鳥のクセがすごいネタGP』『相席食堂』『いろはに千鳥』『チャンスの時間』など多くのバラエティ番組でレギュラーとして活躍中です。
1990年に結成されたコンビで、メンバーは博多華丸・博多大吉の2人です。福岡吉本の1期生でした。2014年にTHE MANZAIで優勝しており、安定感のある漫才は広い世代に支持されています。
NHK『あさイチ』『華丸・大吉のなんしようと?』『火曜は全力!華大さんと千鳥くん』『それって!?実際どうなの課』『有吉ゼミ』といった番組でレギュラー出演し、活躍中です。
また、2019年には第26回福岡県文化賞を受賞するなど、地元からの支援も厚く好感度の高さがうかがえます。
1982年に結成されたコンビで、松本人志がボケを担当、浜田雅功がツッコミを担当しています。大阪NSCの1期生でした。
上方漫才大賞や花王名人大賞をはじめ、数多くのコンテストで受賞歴があり、日本を代表するお笑いコンビです。現在も多くのレギュラーを抱えており、第一線で活躍しています。
また、松本は映画監督・コメンテーターとして、浜田は歌手・役者としても活動するなど、ピンでも華々しい実績を残している大人気タレントです。
近年はCMにも多く出ており、出前館やリクルート、くら寿司などのCMでも姿を見ることができます。
吉本所属の人気お笑い芸人ランキング【ピン芸人】
順位 | タレント名 | パワースコア | 調査時期 |
1位 | 明石家さんま | 39.1 | 2022年8月 |
2位 | 渡辺直美 | 37.6 | 2022年8月 |
3位 | 今田耕司 | 29.5 | 2022年8月 |
4位 | 友近 | 29.2 | 2022年8月 |
5位 | 宮川大輔 | 28.9 | 2022年8月 |
6位 | ケンドーコバヤシ | 27.0 | 2022年8月 |
7位 | 椿鬼奴 | 25.5 | 2022年8月 |
8位 | 東野幸治 | 23.8 | 2022年8月 |
9位 | 蛍原徹 | 22.6 | 2022年8月 |
10位 | 小籔千豊 | 22.1 | 2022年8月 |
吉本所属の人気お笑い芸人ランキング【ピン芸人】には、長く第一線で活動を続けているベテラン芸人が多く入りました。それぞれ詳しく見ていきましょう。
NSC大阪校の12期生で、お笑いタレントとして活動しているほか、アーティストとしてバンド活動も行っています。
吉本新喜劇の座長を2022年8月まで務め、新喜劇を盛り上げてきました。また、映画『学校Ⅱ(1996年)』『サラリーマン専科単身赴任(1996年)』『日常(2006年)』に出演するなど役者活動もしています。
近年ではバンド『ジェニーハイ』のドラマーとして、アーティストの川谷絵音らとともに活動し、ワンマンライブやフェスへの出演も精力的に行い人気上昇中です。
NSC大阪校の7期生で、お笑いコンビ『雨上がり決死隊』のメンバーとして活動していました。
コンビ解散後はソロでバラエティ出演や司会業を行っており、『アメトーーク!』や『炎の体育会TV』などでMCを務めています。
また、趣味のゴルフを生かしてYouTubeチャンネル『ホトゴルフ』を開設し、主にゴルフ好きから人気を獲得中です。
1985年にオーディションで芸能界入りし、お笑い芸人として活動しているタレントです。『ダウンタウンのごっつええ感じ』を筆頭に、ダウンタウンや今田耕司との共演が多く、バラエティタレントとして常にテレビで活躍しています。
司会業にも定評があり、『行列のできる法律相談所』『ワイドナショー』『主治医が見つかる診療所』など、多くの番組でレギュラー・MCを務めています。
また、俳優としてもドラマ『熱い胸騒ぎ(1992年)』『明日があるさ(2001年)』『花より男子2(2007年)』などに出演した経歴の持ち主です。
NSC東京校の4期生で、ハスキーボイスを生かしたセクシー漫談やモノマネを持ちネタとしています。モノマネのレパートリーは桃井かおり・上沼恵美子・真矢ミキなどです。
お笑いユニット『キュートン』としても活動し、DVDをリリースしたりネタ見せ番組に登場したりしています。
また女優として、ドラマ『赤い糸の女(2012年)』『結婚に一番近くて遠い女(2015年)』『突然ですが、明日結婚します(2017年)』などにも出ていました。
NSC大阪校の11期生で、『ケンコバ』の愛称で親しまれているお笑いタレントです。何人かとコンビを組んだ後解散し、現在はピンで活動しています。
2005年にBGO上方笑演芸大賞で大賞、翌年には話術賞を、2009年にはべしゃり・オブ・ザ・イヤーで2位と好成績をおさめました。
『ゴゴスマ~GOGO!Smile!~』『にけつッ!!』などにレギュラー出演しており、『アメトーーク!』『有田ジェネレーション』などにも不定期で出演しています。下世話な話からオタクトークまでこなせるタレントです。
NSC大阪の9期生で、もともと同期の星田英利とコンビを組んでいましたが後に解散し、現在はピンで活動しています。
バラエティ番組『世界の果てまでイッテQ!』に登場すると、お祭り男として脚光を浴び、体を張った活躍で人気を集めました。
また役者としても活動中で、『パッチギ! LOVE&PEACE(2007年)』や『隠し砦の三悪人 THE LAST PRINCESS(2008年)』『ザ・ファブル(2019年)』など多くの映画に出演しています。
NSC大阪校の23期生で、クオリティーの高いコント・モノマネで人気を博したお笑いタレントです。
これまでにNHK上方漫才コンテスト優秀賞やR-1ぐらんぷり2002・2004ファイナリスト、BGO上方笑演芸大賞ベストバウト賞など多くのコンテストで結果を残しています。
芸達者で歌・モノマネ以外に役者もこなし、『酒井家のしあわせ(2006年)』や『地獄でなぜ悪い(2013年)』といった映画にも出演しました。
NSC大阪校の4期生で、お笑いタレントとして活動しながら司会業もこなすマルチなタレントです。東野幸治とともに『Wコウジ』と呼ばれ、ダウンタウンらと共演しながら次第に頭角を現していきます。
『ファミリーヒストリー』『炎の体育会TV』『開運!なんでも鑑定団』などのレギュラー番組を持っているほか、『M-1グランプリ』『オールスター感謝祭』といった大型特番では司会を務めるなど、安定した進行力は高く評価されています。
役者としても『ライオン先生(2003年)』や『シバトラ』シリーズ、『下町ロケット(2015年)』などのドラマに出演していました。
NSC東京校の12期生で、歌・ダンス・モノマネを得意ネタとしているお笑いタレントです。ビヨンセのモノマネで一世を風靡し、以降はお笑いだけでなく女優業も行うようになりました。
映画『綱引いちゃった(2012年)』『SUNNY 強い気持ち・強い愛(2018年)』や、ドラマ『デカワンコ(2011年)』『殺しの女王蜂(2013年)』などが主な出演作です。
近年はインフルエンサーとしても注目され、写真集の出版・ミュージカル出演・GAPのプロモーションムービー登場などジャンルレスな活躍を見せています。
2代目笑福亭松之助の弟子として落語の道を進みますが、後にタレントに転向し、現在はお笑い・司会業で活躍中のベテラン芸人です。1999年には、『日本で最も露出の多いテレビスター』としてギネス世界記録に認定されています。
『踊る!さんま御殿!!』『ホンマでっか!?TV』『さんまのお笑い向上委員会』といったレギュラー番組を持っているほか、役者・歌手としても活躍を見せるなど、マルチな才能を発揮しているタレントです。
役者としての出演作には、ドラマ『男女7人夏物語(1986年)』『世界で一番パパが好き(1998年)』『真夏のクリスマス(2000年)』『さとうきび畑の唄(2003年)』などがあります。
老舗芸能事務所の実力派を確認してみよう
吉本興業は古くからある芸能事務所であり、ベテランから若手まで非常に多くのお笑いタレントが所属しています。
コンビ・トリオはお笑いを極めるほか、メンバーごとに別のジャンルで活躍をしたり、ピン芸人はもともと多才な人が多いためか役者業もしている人が多かったりと、バラエティ以外でも活動を目にすることが可能です。
気になるお笑いタレントがいたら、所属している芸能事務所にも注目してみましょう。これまでとは一味違った見方で、お笑いをより楽しめるかもしれません。