連載

THE RAMPAGE陣のミリオンカラー Vol.15:青山テルマさん

今回、第15回目となる『THE RAMPAGE陣のミリオンカラー』。この連載は、THE RAMPAGEのパフォーマー兼グループのリーダーでもある陣が、エンタメ界の様々な分野で活躍する方との対談で、自身も成長しよう、そして互いの雑学を交換しようという企画だ。

今回のゲストは、今年デビュー15周年を迎え、7月からTBS系ドラマ『ユニコーンに乗って』にもレギュラー出演中の青山テルマさん。今や天真爛漫なイメージで人気のテルマさんだが、デビュー1年目はシングル「そばにいるね」の大ヒットによる超多忙な日々やイメージとのギャップに悩んだそう。そんな15年間の紆余曲折を圧倒的な明るさと真摯な気持ちで陣に語ってくれた。

特大ヒット「そばにいるね」で“富士山を秒で登る”体験

:青山テルマさん、お久しぶりです!最初にお会いしたのはラジオでしたよね?

青山テルマさん(以下「テ」):そう!私のレギュラー番組に来ていただいて、その後、テレビの『しくじり先生』でもご一緒しましたね。もう3年前くらいですか!

:デビュー15周年、改めておめでとうございます!!15年間は早かったですか?それとも長かったですか?

:全体的には早かったけど、長く感じた時期もありましたね。忙しい時は、時間の流れが速くて、次の日のことを考えるだけでも頭がパンパンだったけど、気持ち的にも仕事的にもダウンしている時は、「この状況、いつまで続くんだろう…」って思って長く感じましたね。

:テルマさんの中で、その忙しい山というのがとても大きかったんですね。

:デビューが2007年の9月で、その4か月後に「そばにいるね」(青山テルマ feat.SoulJa名義)が出て、色んなチャートで1位となり、ギネス記録までいただくという特大ホームランになっちゃって、最初から“富士山を秒で登る”くらいの勢いでした(笑)。

:そんな忙しい時でも、大学に通われてたんですよね!?

:そう!その時のスケジュールがエグくて。朝、1限目から授業を受けて、昼の間に『Mステ(ミュージックステーション)』のリハーサルに行って、また授業に戻った後に、『Mステ』の本番に出て、さらにヘリコプターに乗って、大阪でLIVEをして。翌日の新幹線の始発で東京に戻ってきて、朝から大学で期末テスト、という感じでした。

:うわぁー、大変だったんですね…じゃあ、睡眠は移動中の仮眠だけとかですよね。

:そう。でも、大学は絶対に卒業したくて、当時の事務所の方々にもすごく協力してもらって、なんとか出席していました。上智大学って、2回休んだら単位を落としちゃうんですよ。

ジャネット・ジャクソンに憧れて歌手を目指し、4年間の下積みを経て19歳でデビュー

:そもそも、アーティストを目指されたキッカケは何だったのでしょうか。

:R&B好きの母の影響で私もジャネット・ジャクソンが好きになって。それで10才の時にゴスペル教室で習い始めて、ステージに立つ楽しさが分かりアーティストを目指すようになりました。中学校の時はL.A.に住んでいて、15歳で日本のオーディションに受かってから東京で暮らし始めたんですが、なかなかデビューのチャンスがなくて。もう歌をやめようかなと思ったりもしていたなか、ラッパーさんからフィーチャリングのオファーが増えて、19歳の時にようやくデビューが決まったんです。

:じゃあ、実は4年のブランクがあって、その間にもいろいろと挑戦なさっていたんですね。

:「そばにいるね」がデビュー後すぐに売れたから、すぐ成功した人みたいに思われていたんですけど、自分の中ではデビュー前に結構時間がかかったなぁと思っています。

:歌手の夢を追いかけつつ、上智大学に入学されたのは、人生設計の上で大学も必要と考えていたからですか?

:いや、ぜーんぜん!(笑) ただ、高校の先生に「私は歌手になるから大学は受けません」って言ったら「大学に行かないなら、高校に来る意味もないんじゃない?」って言われて。私が行っていた高校はほぼ全員が大学に進むんですよ。

:ビシっと言われたわけですね。

:それで、めちゃくちゃ負けず嫌いなので、「じゃあ一校だけ大学受ける!」ってなって(笑)。それに、祖父母も進学を希望していたので、「もし落ちたら歌に専念するし、受かったら絶対に行く」と約束しました。それで上智大学が楽しそうだったので受けてみたんです。

:それで合格なさるとは凄いですね!

音楽活動との両立や孤独な日々に悩みながらも大学を卒業

:途中で大学辞めちゃおうかと悩んだこともあります。でも、「そばにいるね」のおかげで、小さいお子さんからもファンレターをもらっていたんですね。取材の時も「学校には行けよ!」なんてエールを送っていた自分が退学なんてしたらダサいなと思って、何年かかってもいいから卒業しようと決めて結局5年半かかりました。

:それでも5年半で!大学では有名人だから、といろいろ見られて生活しづらかったのではないですか?

:キャンパスの外に出ると、段ボールの中に人がいたり、黒塗りの車が停まっていたりして、突然写真を撮られることがありました。あと、当時は、ガラケーで隠し撮りされることも多くて、友達に迷惑をかけたくなくて、クラスルームに早めに行ったり、トイレに入ったりしてご飯を食べていましたね。

:それは大変でしたね…。

:全部100%でやりたいから勉強も頑張りたいんだけど、次の日のレコーディングの練習もしたい時など時間のマネジメントが出来なかったですね。友達も出来ないし、友達だった子とも連絡が取れなくなったし、今、あの頃を振り返ると、人のことを考えられず自分中心になり過ぎていたなと反省しています。

:それだけ忙しすぎて余裕がなかったんですね。でも、大学をご卒業後、ストレスは減ったのでは?

大学卒業後、歌手の夢に迷いながらも人の有難みを実感

:それが…大学卒業あたりから、仕事が徐々に落ち着いて来て、「あれ?なんか雰囲気変わったぞ」って思い始めました。例えば、現場一つとっても、以前なら色々なお菓子が置いてあったのが、ある日からペットボトルの水1本だけになるとか、なにかとシンプルになりました。

:ライブとかも変わっていきましたか?

:ショッピングモールで歌うのが増えましたね。勿論、どんなお客さんでも有難いのですが、ステージの近くに休憩場所があって、明らかに私を見るためじゃないよね?っていう方もいて(笑)。あの曲(「そばにいるね」)があるからこそ、足を止めて下さっているけれど、「私ってなんで歌手になったんだろう…」って悩みはじめました。

:そこでまた別の意味で“余裕がなくなった”んですね…。

:売れなくなって、なんで売れなくなったんだろうって考えたときに、人のせいにしてたって気付いたんです。「この曲いいって言ったじゃん!」「これやれって言ったからやったのに!」とか人のせいにばかりしていて。人のせいにするのは簡単だけど、その先がないと思って。一回全部自分のせいにしようと思いました。24~25歳の時に、L.A.に行って、自分でアルバムを作るためにスタジオやエンジニアを手配したり、こんなにお金がかかるんだ!って気付いたり、そこで初めて人の有難みが身に染みましたね。

:ひとりだとそれを考える大きさがすごいですよね。僕らはグループで相談もできたりしますが、テルマさんはそのプレッシャーを全部背負われているのが本当に凄いなと思います。

本当の自分を見せたくて始めたインスタがバラエティー人気のキッカケに

:その後、バラエティー番組に出られたのですよね?

:そう。もし私が次に注目されるなら、自分の事だけじゃなく、周りを明るく照らせるようになりたいと思っていたんです。それで、フリーペーパーを作ったり、ラジオ番組をやらせてもらったり、いろいろと模索している一つとして、Instagramでふざけ始めたんです(笑)。

:以前のミステリアスで真面目な女子のイメージからすると意外だったんでしょうね。

:「そばにいるね」のファー帽子をかぶっていて、“冬”っていうイメージがあったと思うんですけど、本当はふざけたい性格の自分のギャップに苦しめられて、もう無理!と思ってインスタでふざけはじめたら、バラエティー番組からオファーが来たんです。でも、「バラエティーをやるなら、全力でやらないと失礼だ」って迷いました。自分のフィールドじゃないので。

:確かに“やらされている感”があったら視聴者にも伝わりますしね。

:私がテレビに出る時の唯一のルールは、“爪痕を残そうと思わない”こと。だから、このオファーも最初で最後だろうと思って、タイマンを張ったこととか、エレベーターの話とか全て話しちゃったらバズったんです(笑)。

:『今夜くらべてみました』ですよね?見ていました!僕も、先ほどの「バラエティー番組で気張らない」というのは本当に勉強になります。

「AIちゃんに“楽しく過ごすことが一番”だと教わりました」(テルマ)
「鈴木おさむさんに“ライフ・イズ・エンターテインメント”って励ましていただきました」(陣)

:この15年間、周りの方がおっしゃった言葉で印象的だったものはありますか?

:一番尊敬しているアーティストがAIちゃんなんです!私が13歳の時に受けたオーディションで、審査員の友人として来ていたらしく。私が不合格になって帰ろうとしたら、バっと腕を掴まれて「(鹿児島弁で)あんた、やばいね!!」って。

:今のセリフ、めっちゃ似てました!(笑)

:「あんたが一番上手いよ」って言ってもらって連絡先を交換して以来、ずっと家族みたいな存在です。現場での振舞い方や気持ちの持ち方など、まさに彼女の背中を見て育ってきました。以前、AIちゃんと同じ現場の時、周りのスタッフさんの態度に“なんか不愛想だな…。”と困っていたんです。それを彼女に言ったら「あの人に今日何があったのかウチらは分かんないでしょ。たまたま不機嫌なだけで、ふだんは良い人かもしれないよ」って返されて、確かにそうだなって。だから楽しく過ごすことが一番大事なんだと教わりました。

:その日、その時だけで判断すべきじゃないと。確かに、テルマさんとAIさんってオーラが似ていらっしゃいますよね。

:陣くんは、そういう尊敬する人とか心に残っている言葉とかありますか?

:僕は、ラジオ番組(『JUMP UP MELODIES』、TOKYO FM)で鈴木おさむさんとご一緒しているのですが、ある時、プライベートでかなり理不尽なことがあったのを打ち明けたんです。そうしたら「陣、お前な、“ライフ・イズ・エンターテインメント”だから、イヤなことがあっても自分のラジオ番組で話せば、同じような境遇の人に共感してもらって、痛みを和らげるじゃないか」とおっしゃったんです。確かに、僕らの職業だからこそ、ラジオとかテレビのネタにできることもありがたいと思うようになりました。

先日も、おさむさんのご家族と海に行ったらクラゲに噛まれて、電気が走って…ということも、ここで言えますからね(笑)。

15周年の武道館ライブはお祭り気分で盛り上げたい!

:そして、11月4日にはなんと日本武道館で15周年ライブが!

:自分のライブというよりも、お祭りみたいな感じで楽しもう!という感じでやりたいと思っています。今、スペシャルゲストが何人か決まってきていて、その中でも(そばにいるねの)SoulJaが来てくれることになったんです!配信もしないし、DVDも発売されないから、是非皆さん来て生で見てください!

:おーーっ!それは凄いです!これは、赤字でちゃんと書いておきますね!

:私は、新曲が歌いたくても「そばにいるね」が求められたら、絶対歌おうと決めているんです。あの曲が大好きだし、歌い続けないとあの曲を守れないので。それで、やっとSoulJaが出てくれて12年ぶりに共演できるからもう本当に嬉しくて!!

:当時、聞いていらっしゃった方も結婚されたり、お子さんが生まれたりして、家族で来られるかもしれませんよね!

ライブタイトルが“おにぎりフェスティバル”というのは

:ふざけましたねえ、完全に(笑)。夜中に考えました?(笑)

:(手を叩いて爆笑しながら)ふざけてるよ!!(笑)初武道館なのに(笑)
かっこいい名前とかも自分らしくないなと思って。私の曲で「ONIGIRI」(アルバム『HIGHSCHOOL GAL』収録)というひたすらおにぎりがどれだけウマいかを歌っているIQ2くらいの曲なんですけど(笑)、ライブで一番盛り上がるんですよ。それでこのタイトルにしました。

:バラエティーで知った方も、とりあえず「そばにいるね」と「ONIGIRI」だけ聞いていればきっと大丈夫ですね!僕も「おにぎりフェスティバル」楽しみにしています!

「売れる女性シンガーはイヤモニがキラキラ?」(テルマ)

:では、最後に雑学の交換ができたらと思います。シンガーあるあるなどあれば教えて下さい。

:基本売れている女性シンガーはイヤモニ(歌手の方が耳にはめる小型のスピーカー)がキラキラしてる(笑)。

:アハハハ!、それ、ほんまですかーー!?偏見じゃなくて(笑)。

:ほんまに!(笑)ほとんどの売れてるシンガーはデコらせる。だから私はまだデコってないの。なんかその域に行けなくて(笑)。

:アハハ!まだ行ききれないんですね(笑)。
では、僕からも雑学を言いますので、何か好きなテーマをお願いします。

:じゃあ最近クルマの免許を取って一人温泉に行くのが好きなので「温泉」で!

:「温泉の旅館に置いてある饅頭は、入浴前に食べた方が良い」。あれは、お風呂に入って、急に血糖値が下がってのぼせたりしないように、あらかじめ血糖値を上げるためにあるんですよ。

:凄い!秒で出てくるんですね。じゃあ、次は、まだ誰にも言っていないTHE RAMPAGEのメンバーの裏話をお願いします(笑)。

:タレコミ!(笑) じゃあ、テルマさんが気になるメンバーを写真から選んでください。

:じゃあ、この子!

:たっくん(後藤拓磨さん)ですね。僕らは結成当時に寮があって、メンバー4人ずつで住んでいたんです。年功序列で部屋を決めた時に最年少のたっくんは物置きみたいな所に寝ることになって。当時は、歯ぎしりしないようにマウスピースといびき防止のテープを付けて寝ていたんですが、ある日、火災報知器の点検の方が入ってきた時、まさか人がいるとは思わない物置きにすごい状態(マウスピースとテープをした)のたっくんが寝ていたので、「うわあ!」ってめちゃくちゃ驚かれました(笑)。

:確かに、それは驚くねー!でも、可愛い!(笑) LDHの皆さんって、下積みがちゃんとあって本当に偉いなって思います。デビュー前に全国巡業(武者修行)もするでしょ。

:僕も、武者修行のとき衣装が1着しかなくて、破れてしまった時にホームセンターに行って自分で補修したのを着るというのを2年半くらいやってましたね。寮にも4年間住んでいました。

:その期間があってこそのアリーナツアーだもんね! これからも(一緒に)頑張ろうね。

:ありがとうございます! 幸せです今。

:よかったー!幸せで!(笑)

:今日はありがとうございました!!

:楽しかった~!ありがとうございました~。カラダに気をつけて!!

 

対談を終えて

テルマさんは明るい方だと知っていましたが、今日はふだんのお考えが聞けて本当に勉強になりました。今までの経験を漠然と捉えるのではなく、テルマさんはそれぞれの時期のことをちゃんと考えていて、それはやっぱりどの瞬間も全力で取り組んでいらっしゃるからなんでしょうね。僕も、自分の言葉で話せるアーティストを目指していきます!

青山テルマさん・陣さん(THE RAMPAGE from EXILE TRIBE)
サイン色紙 & チェキ プレゼント

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締切:2022年10月17日(月)

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※ご応募はお一人様1回限りでお願いいたします。

聞き手:人と音楽をつなげたい音楽マーケッター・臼井孝
撮影:スギゾー。

青山テルマさん プロフィール


1987年10月27日生まれ、奈良県出身。10才からゴスペルを習い始め、20才直前の2007年にシングル「ONE WAY」でメジャーデビュー、同年SoulJa feat.青山テルマ名義の「ここにいるよ」がヒット。翌2008年にはそのアンサーソングである「そばにいるね feat.SoulJa」が、オリコン1位獲得、 “日本で最も売れた着うたフル楽曲”としてギネス世界記録に。近年は、バラエティー番組やInstagramにて大人気(インスタフォロワーは2022年8月現在102万人)。現在TBS系ドラマ『ユニコーンに乗って』に語学堪能なエンジニア・夏井恵美役でレギュラー出演中、11月4日には日本武道館にて『Thelma Aoyama 15th Anniversary~おにぎりフェスティバル~(仮)』を開催予定。
公式Instagram https://www.instagram.com/thelmaaoyama/
公式TikTok       https://www.tiktok.com/@thelma_aoyama
公式YouTubeチャンネル            https://www.youtube.com/channel/UCxVV25x7Fr2OMEZqiAQixRA
公式サイト         https://thelma.jp/

 

THE RAMPAGE 陣 プロフィール


1994年4月28日生まれ、大阪府出身。THE RAMPAGE from EXILE TRIBEのパフォーマー兼リーダー。これまで1100個以上の雑学を身につけ日々更新中。2022年現在、3つのレギュラー番組のMCを担当している。THE RAMPAGEとしては、4thアルバム『RAY OF LIGHT』を発売し、現在、全国ツアー『THE RAMPAGE LIVE TOUR 2022 “RAY OF LIGHT』の真っ最中で年末までの追加公演も決定。9月9日公開予定の映画『HiGH&LOW THE WORST X』には、新キャストとしてメンバーの陣、藤原樹、長谷川慎が出演する。そして同主題歌となっているTHE RAMPAGE from EXILE TRIBEによる『THE POWER』は9月7日にシングルが発売。
公式Instagram(陣)                 https://www.instagram.com/rmpg_zin_official/
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公式YouTubeチャンネル(THE RAMPAGE)
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