アーキテクトが実施しているタレントパワーランキングの調査結果をもとに、俳優・お笑い・音楽・アイドルなどの各ジャンルで今年上半期にめまぐるしい活躍を見せて知名度や人気が大きく伸びたタレントを発表します。
今回は女性タレント編です(男女混合のユニットは、ボーカル担当などフロントで活動するメンバーの性別で紹介します)。
2021年上半期にブレイクした女性タレントランキングのタレントパワー調査方法
このTOP10は、2021年2月・5月に実施されたタレントパワーランキングの定期調査で認知度とパワースコアの上昇率ランキング上位に入ったタレントの中から、世代別上昇率やメディア出演増加などの各種データを加味して、雑誌『日経エンタテインメント!』で俳優などの分析を行っている評論家・高倉文紀が「今年の上半期にブレイクしたか」という“新鮮度”の点を精査して順位を決定。上昇率ランキングでは上位であっても、昨年までにブレイクしていた印象が強い人は除外しました。
「今年はじめてのブレイク」ではないという見方からTOP10には入れませんでしたが、ドラマ『ドラゴン桜』(TBS系)にレギュラー出演した平手友梨奈、2月に公開された映画『ライアー×ライアー』で主演した森七菜、昨年の『半沢直樹』(TBS系)に続いて今年上半期もドラマ『その女、ジルバ』(東海/フジ系)や『俺の家の話』(TBS系)などで注目を集めた江口のりこ、ドラマ『いいね!光源氏くん し~ずん2』(NHK)で好演した伊藤沙莉らも注目を集めてタレントパワーが上昇しました。
なお、順位はブレイクのインパクトの大きさなどから独自作成したもので、人気やタレントパワーの順ではありません。
2021年上半期にブレイクした女性タレント第10位 櫻坂46のセンター 森田ひかる
2018年に「坂道合同オーディション」で合格して、欅坂46(現・櫻坂46)の2期生として配属されました。
欅坂46から改名して新たなスタートを切った櫻坂46が昨年12月にリリースした1stシングル『Nobody’s fault』に続いて、今年4月発売の2ndシングル『BAN』でも2曲連続でセンターポジションをつとめて、知名度がアップ。
5月度調査では、調査対象になっている櫻坂46のメンバーの中で、渡辺梨加・菅井友香に次ぐパワースコア3位に上昇しました。
ファッション雑誌『ar』で2121年3月号から「ヒカルノユメ」を連載しているほか、7月1日に発売された『週刊少年チャンピオン』表紙・巻頭グラビアにソロ初登場。
今年上半期に急成長を見せた、期待の次世代女性アイドルのひとりです。
2021年上半期にブレイクした女性タレント第9位 朝ドラヒロイン妹役 蒔田彩珠
2018年公開の映画『志乃ちゃんは自分の名前が言えない』に主演するなど、早くから演技派女優の新星として注目されていましたが、今年5月にスタートしたNHK朝ドラ『おかえりモネ』に清原果耶が演じるヒロインの妹役で出演して、凛とした存在感が大きな注目を集めました。
12人の映像監督が短編映画を発表するプロジェクト「DIVOC-12」の1作として秋に公開される『YEN』で主演します。
2021年上半期にブレイクした女性タレント第8位 日向坂46の「かとし」こと 加藤史帆
8位は、5月に発売された日向坂46の通算5枚目のシングル『君しか勝たん』でセンターに選ばれて注目を集めた加藤史帆です。
彼女がセンターをつとめるのは、日向坂46に改名する前の「けやき坂46」(ひらがなけやき)時代の2018年に欅坂46のシングルにカップリング収録された『ハッピーオーラ』以来久しぶりで、日向坂46単独でリリースしたシングル表題曲のセンターに立つのは初めてです。
『ラヴィット!』(TBS系)に4月のマンスリーレギュラーとして出演するなど、バラエティ・情報番組へのソロ出演も増えて、注目度がアップ。2月度調査では日向坂46のメンバーの中ではパワースコア5位でしたが、5月度調査では齊藤京子・小坂菜緒に次ぐ3位に上昇しています。
2021年上半期にブレイクした女性タレント第7位 ドラマ『カラフラブル』主演 吉川愛
4月クールのドラマ『カラフラブル~ジェンダーレス男子に愛されています。~』(読売/日テレ系)で主演。
繊細さを秘めた彼女の演技はSNS上でも話題となって特に女性層の関心を集め、5月度調査では20代女性における認知度上昇ランキング女優部門3位にランクインしました。
7月9日に公開されたSnow Manのラウールが主演する映画『ハニーレモンソーダ』ではヒロイン役を演じています。
今後もドラマや映画の主演級での活躍が期待される、ヒロイン向きの華を持った次世代女優です。
2021年上半期にブレイクした女性タレント第6位 元・テレビ東京アナウンサー 鷲見玲奈
元・テレビ東京アナウンサーで、昨年4月に退局して現在はセントフォース所属のフリーアナウンサー・鷲見玲奈が6位。
今年4月から『炎の体育会TV』(TBS系)でフリーに転身後初のレギュラーをつとめて注目を集めたほか、バラエティ番組のゲスト出演が増えて、ユニークなキャラクターを発揮。
5月度認知度上昇ランキング・女性7位。女性キャスター部門では認知度上昇1位に輝きました。
1月放送の本田翼主演の単発ドラマ『アプリで恋する20の条件』(日テレ系)で本格ドラマデビューしたほか、8月に初の写真集『すみにおけない』を発売することが発表されるなど、マルチに活躍。田中みな実に続くジャンルの枠を超えたフリーアナとして期待を集めています。
2021年上半期にブレイクした女性タレント第5位 女性お笑いカルテット ぼる塾
現在はトリオでテレビに出演していますが、正式メンバーは、きりやはるか、あんり、田辺智加、現在育児休暇中の酒寄希望の4人です。
2020年に知名度が上昇しましたが、田辺智加がスイーツに対する造詣の深さを発揮するなど個々のキャラクターが浸透するようになり、2021年に入ってテレビ出演が急増。
今年上半期のテレビ番組出演は、昨年上半期から103本増えて121本でした(ニホンモニター「2021上半期タレント番組出演本数ランキング」)。
今春にスタートした『ラヴィット!』(TBS系)にレギュラー出演中のほか、3月31日から冠番組『ぼる塾の煩悩ごはん』(テレ朝系)がスタートしました。
5月度認知度上昇ランキングではお笑い部門8位、女性タレント全体でも10位にランクイン。昨年11月の時点では男女全体の認知度は39.8%でしたが、今年5月の最新調査では51.6%まで上昇。20代後半女性では82%に達しています。
2021年上半期にブレイクした女性タレント第4位 昨年の紅白でも注目された YOASOBI
コンポーザーのAyaseとボーカルのikuraによる2019年デビューの音楽ユニット「YOASOBI」が4位にランクイン。
『夜に駆ける』が総再生回数1億回突破の大ヒットを記録して、昨年末のNHK『紅白歌合戦』に初出場しました。
これまではすべて配信リリースでしたが、今年1月に初のCDとなるEP『THE BOOK』をリリース。2月には『三原色』が森七菜・神尾楓珠が出演するNTTドコモ新料金プラン「ahomo」のCMイメージソングに使用され、3月29日から『もう少しだけ』が『めざましテレビ』(フジ系)の新テーマソングとして使われて注目度がアップ。
2月度・5月度の2回にわたって、ともにパワースコア上昇ランキングで女性タレント1位でした。
『週刊少年チャンピオン』『AERA』『ROCKIN’ON JAPAN』など多くの雑誌の表紙にも登場。3月31日から初のラジオレギュラー番組『YOASOBIのオールナイトニッポンX』(ニッポン放送)が放送開始されました。
2021年上半期にブレイクした女性タレント第3位 ドラマ『ドラゴン桜』に出演した 南沙良
映画『志乃ちゃんは自分の名前が言えない』(蒔田彩珠とW主演)、『無限ファンデーション』『もみの家』で主演したほか、雑誌『nicola』専属モデル(2014~2019年)、江崎グリコ「ポッキー」のCMでの活躍で、既に映画ファンや同世代から高く支持されていた、次世代女優です。
4~6月放送のドラマ『ドラゴン桜』(TBS系)にレギュラー出演したことによって、幅広い年齢層にその魅力が知られるようになりました。
同ドラマへの関心が高かった10代女性においては5月度認知度上昇・女優部門2位でした。2022年に放送されるNHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』では源頼朝と北条政子の娘・大姫を演じます。
2021年上半期にブレイクした女性タレント第2位 30代で大ブレイクした 松本まりか
33歳の時に出演した2018年放送のドラマ『ホリデイラブ』(テレ朝系)が転機となって、“怪演女優”として注目された松本まりかが2位。
2021年に入ってからも、活躍は続きます。1月に放送されたスペシャルドラマ『教場Ⅱ』(フジ系)に警察学校の教官役で出演。バラエティ・情報番組出演も増えて注目度が上昇。2月度のパワースコア上昇ランキングで女性3位となりました。
その後も4~5月放送のドラマ『最高のオバハン 中島ハルコ』(東海/フジ系)で活躍したほか、ドラマ『向こうの果て』(WOWOW)で主演。4月には『めざましテレビ』(フジ系)のマンスリープレゼンターをつとめて話題を集めました。
2021年上半期にブレイクした女性タレント第1位 若手女優界のニューヒロイン 古川琴音
1位は、NHK朝ドラ『エール』、昨秋のドラマ『この恋あたためますか』(TBS系)でも活躍した、現在24歳の女優・古川琴音です。
4~6月に放送された菅田将暉主演のドラマ『コントが始まる』(日テレ系)で有村架純の妹役を好演して個性的な存在感が注目を集めました。
1月公開の映画『花束みたいな恋をした』、ロバートの秋山竜次と共演している「Renta!」のCMにも出演して、知名度が急上昇。5月度パワースコア上昇女性3位、認知度上昇ランキングでも女優2位でした。
4月に公開された映画『街の上で』ではヒロイン役を演じました。彼女が今年上半期に見せてくれた演技は、多くの人の記憶に残ったはずです。
文/高倉文紀