男性タレント

映画やドラマに引く手あまたの個性派 俳優・栁俊太郎のタレントパワーを徹底分析

今年下半期は、7月期と10月期、2期連続で2本の連続ドラマにレギュラー出演。俳優デビュー10周年にして勢いを感じさせるのが、31歳の栁俊太郎だ。

7月期の1作は、『新・信長公記~クラスメイトは戦国武将~』(読売テレビ・日本テレビ)だ。永瀬廉演じる主人公・織田信長のクラスメイト・竹中重治役にふんし、パンクロッカーのシド・ビシャスを彷彿させる風貌で注目を集めた。

もう1作は、『あなたはだんだん欲しくなる』(BS-TBS)。フリーターのヒロイン(芋生悠)をテレビショッピングのプレゼンターに抜てきする制作会社本部長・穂村伸役を演じ、二枚目系の役柄で光を見せた。さらに8月から放送・配信されるWOWOWドラマ『ワンナイト・モーニング』の第3話『そうめん』には“主演”した。

そして10月期は、10月1日スタートの『最果てから、徒歩5分』(BSテレ東)に出演。自殺の名所から徒歩5分のところにある飲食店「オーベルジュ・ギルダ」で働く元ホストの従業員・是枝伊吹を演じ、岡田結実、竹財輝之助、内山理名らと共演する。

もう1作は、10月スタートのTBS日曜劇場『アトムの童』だ。若き天才ゲームクリエイターが巨大資本に立ち向かう作品で、主人公(山﨑賢人)に影響を与える重要人物・緒方公哉を演じて松下洸平らと共演する。さらに10月14日公開の羽住英一郎監督映画『カラダ探し』には、山本舞香演じる柊留美子の彼氏のバーの雇われ店長役で出演。映画でも存在感を発揮している。

『MEN’S NON-NO』専属モデル出身の個性派

Netflix映画『ゾン100〜ゾンビになるまでにしたい100のこと〜』

1991年生まれの栁は、2009年に「メンズノンノモデルオーディション」でグランプリを受賞。『MEN’S NON-NO』専属モデルとして活躍し、坂口健太郎、成田凌、清原翔らと一時代を築いた。2012年に俳優デビュー。以降、ドラマ&映画『仮面ティーチャー』(13年、14年)、映画『クローズEXPLODE』(14年)などの不良役で印象を残しながら、陰のある役柄や思わず目を引くキャラクターを得意としてきた。

新境地を感じさせたのは、林遣都、前野朋哉とともに3人組の同級生を演じた映画『チェリーボーイズ』(18年)だ。25歳まで“チェリーボーイ”を貫いてしまった地方公務員・吉村達也役で、意気地なし度の高いコミカルな演技を見せた。以降、『スカム』(19年/MBS・TBS)や『トーキョー製麺所』(21年/MBS・TBS)といったドラマや、『弱虫ペダル』(20年)、『るろうに剣心 最終章 The Final』(21 年)、『猿楽町で会いましょう』(21年)などの映画で活躍。Netflixオリジナルドラマ『今際の国のアリス』(20 年)では、スキンヘッドに顔面タトゥーを施した「ラスボス」を怪演して注目を集めた。

2022年上半期も出演ラッシュ

12年間務めた『MEN’S NON-NO』専属モデルを卒業して迎えた今年は、1月から日本コカ・コーラ「アクエリアス」のCM「飲むコンディションメイク 乳酸菌ウォーター 1日分のマルチビタミン」篇に出演。2月にはTBS日曜劇場『DCU~手錠を持ったダイバー~』の第5話に副大臣秘書・日村翔平役で起用された。

3月には、深川栄洋監督によるNetflix映画『桜のような僕の恋人』に出演。中島健人演じる主人公の先輩カメラマン・高梨健三を演じた。また同月から放送・配信されたのが、WOWOWオリジナルドラマ『ヒル』だ。赤楚衛二演じる主人公・ユウキになりすました不法滞在者・ヨビを金髪姿で演じた。このほか3月よりファミリーマートの「コンビニエンスウェア」、4月より同「エコリュック」のモデルも務めている。

5月には、『ナンバMG5』(フジ系)の第4話と第5話にゲスト出演。間宮祥太朗演じる主人公の前に現れる謎のヤンキー・陣内一久役でケンカアクションを披露し、「ロン毛の俊太郎ヤバすぎ」「色気がすごい」などと話題を呼んだ。同じく5月には、映画『生きててよかった』が公開。主人公の元ボクサーを地下格闘技へ誘い込む謎の男・新堂勇を演じて印象を残した。

6月には、茅島みずき主演のMBSドラマ特区『教祖のムスメ』に出演。妹(莉子)の突然死を不審に思い捜査をする刑事・中野隼人役を演じてみせた。また同月、吉田恵輔監督映画『神は見返りを求める』も公開。ヒロインのYouTuber(岸井ゆきの)を人気者に押し上げるアメリカ帰りのクリエイター・村上アレン役を好演した。

栁俊太郎のタレントパワーとイメージワードは?

※「栁俊太郎時系列」

タレントパワーランキングでは、年4回、計4400人のモニターにアンケート調査を行っている。栁の認知度と誘引率(「見たい、知りたい」の指標)の調査結果を見ると、20年5月に9.3%だった認知度は、21年2月に10.0%に上昇している。これは20年8月に公開された映画『弱虫ペダル』や、同年12月に配信されたNetflixの『今際の国のアリス』などの影響が強そうだ。

誘引率は、21年8月が最高値で78.6%。その前後も70%台を維持している。認知度と誘引率を掛け合わせて算出した「パワースコア」は、20年5月に4.0、8月に4.5、21年2月に4.6と上昇気流に乗り、その後は安定している。

※「栁俊太郎時系列男性」
※「栁俊太郎時系列女性」

タレントパワーの男女別のデータを見ると、認知度は女性の方が高く、誘引率は男性の方が高い結果に。女性に幅広く知られている一方で、男性には「気になる存在」になっているようだ。

※「栁俊太郎イメージワード2021」

タレントパワーランキングでは、イメージワード調査も行っている。 栁の2021年のイメージワード1位は「個性的な」で49.0%。2位は「落ち着いた」で43.9%、3位は「クールな感じ」で36.7%だった。以下は「演技力がある」が17.3%、「センスが良い」「知的な」「存在感のある」が16.3%となっている。圧倒的に強いのは、個性的で、落ち着いた、クールな印象。太陽と月でいえば「月型」の男優と言えるだろう。ちなみに、このイメージワードグラフが似ている「相似タレント」としてデータが弾き出したのは、稲垣吾郎、宮沢氷魚、中村七之助、寛一郎だった。

来年は、Netflix映画『ゾン100〜ゾンビになるまでにしたい100のこと〜』に出演。主人公・天道輝(赤楚衛二)の親友で、過去のトラウマを抱えながらゾンビだらけの世界で生きる「ケンチョ」こと竜崎憲一朗を演じることが発表されている。

その月型の魅力と、幅広い役柄を演じ分ける演技力を武器に“主演級”に定着しそうだ。

 

栁 俊太郎(やなぎ・しゅんたろう)


誕生日 1991年5月16日
出身地 宮城県
所属事務所 スターダストプロモーション
公式サイト https://www.stardust.co.jp/talent/section2/yanagishuntaro/
公式インスタグラム https://www.instagram.com/shuntaroyanagi/?hl=ja

 

文/泊 貴洋