大学時代にスカウトされて芸能界入り、『とと姉ちゃん』で脚光
高校時代に海外留学し、オーストラリアで3年間を過ごした上杉。日本の大学に進学後、スカウトされてモデルとなり、23歳のときに現事務所・研音に所属した。
15年に『ホテルコンシェルジュ』(TBS系)でドラマデビュー。16年にはNHK連続テレビ小説『とと姉ちゃん』で朝ドラ初出演を果たし、杉咲花演じる小橋美子の夫となる南大昭役で注目を集めた。
17年には、映画『一週間フレンズ。』でメインの1人・九条一役を担い、ヒットドラマ『ドクターX〜外科医・大門未知子(第5シリーズ)』(テレ朝系)にレギュラー出演。18年には行定勲監督の映画『リバーズ・エッジ』で、二階堂ふみ演じるヒロインの元カレ・観音崎役を演じて、その哀しき暴力性で強烈なインパクトを残した。
22年、30歳の時にWOWOWドラマで初主演
19年には『CHEAT チート~詐欺師の皆さん、ご注意ください~』(読売テレビ・日テレ系)にレギュラー出演。長髪の元探偵・根岸俊役で本田翼、金子大地、福原遥らと共演した。20年は、『麒麟がくる』でNHK大河ドラマに初出演。戦国武士・一色藤長にふんした。
21年は、日曜劇場『天国と地獄 〜サイコな2人〜』(TBS系)や『神様のカルテ』(テレ東系)に登場。22年にはWOWOWオリジナルドラマ『ワンナイト・モーニング』の第1話『梅干しのおにぎり』に出演し、10年ぶりに再会した高校の同級生と一夜を過ごす村田涼太役でドラマ初主演を飾った(芋生悠とダブル主演)。
23年はプライム帯連ドラ『18/40』で飛躍
23年は、2月からParaviで配信された『悪魔はそこに居る』に出演。吉谷彩子と石井杏奈演じる従姉妹同士の愛憎劇に巻き込まれる伊崎紘役で存在感を見せた。そして3月には『シン・仮面ライダー』に、ハチオーグ(西野七瀬)に仕える「背広の男」として登場。7月から話題化したのが、地上波での恋愛ドラマに初挑戦した『18/40~ふたりなら夢も恋も~』だ。
『18/40』で演じたのは、元プロ野球選手の美術品専門ドライバー・加瀬息吹。年上のビジネスパーソン・成瀬瞳子(深田恭子)と運命的に出会い、瞳子に優しく寄り添う姿を繊細に演じてみせた。最終回放送後は、「加瀬ロス」が拡散。「毎週、加瀬さんを観られて幸せでした」「毎回、目も心も潤う時間でした」といったコメントがSNSに多く見られた。
そして9月に公開されたのが、映画『夜が明けたら、いちばんに君に会いにいく』だ。ふんしたのは、主人公の高校生2人(白岩瑠姫、久間田琳加)に美術を教える教師・岡崎。高校教師らしからぬ出で立ちとアーティスティックな雰囲気、独特の間と人間味で、鮮烈な印象を残した。
上杉柊平のタレントパワーとイメージワードを徹底分析
タレントパワーランキングでは、年4回、合計4400人のモニターに、認知度や誘引率(「見たい、知りたい」の指標)についてのアンケート調査を行っている。上杉の認知度は、21年11月の4.8%から右肩上がりで上昇を続け、最新の23年8月調査で最高値となる10.2%を記録している。認知度に誘引率を掛け合わせて算出した「パワースコア」も、23年8月に最高値に達した。直近で特に上昇率が高いのは、23年2月から8月にかけて。『18/40』の影響が大きそうだ。
タレントパワーランキングでは、年に1度、イメージワード調査も行っている。23年の調査結果を見ると、ダントツ1位は「クールな感じ」で40.2%。2位は「センスが良い」で29.5%、3位は「個性的な」で27.7%となっている。以降「優しい」「演技力がある」「落ち着いた」などが並ぶ。『夜が明けたら、いちばんに君に会いにいく』の岡崎のような、クールでセンスの良い役柄は真骨頂。今後は『18/40』のように、優しい雰囲気の役柄も増えそうだ。ちなみに「相似タレント」としてデータが弾き出したのは、井上想良、倉悠貴らだった。
最後に、23年8月調査のパワースコアから、上杉の支持層を調べてみよう。最もファンが多かったのは「15~19歳男性」で、2位は同率で「10〜14歳男性」「20〜24歳男性」。意外にも女性より男性、しかも年下の若年層から支持が高いことから、「憧れの兄貴」的なイメージを持たれていることが考えられる。ちなみに女性は20代〜40代までの支持が特に高かった。
23年12月からは、世界的な人気マンガを実写化するNetflixオリジナルシリーズ『幽☆遊☆白書』に出演し、主人公の浦飯幽助(北村匠海)のライバルを自称し、けんかっ早くも人情深い桑原和真を演じる。上杉は少年時代に原作を読んでいたそうで、「最高にかっこいい人物を演じることが出来る事を大変嬉しく思いました」とコメントしている。ワールドワイドに注目を集めるきっかけになりそうだ。
上杉 柊平(うえすぎ・しゅうへい)
誕生日 1992年5月18日
出身地 東京都
所属事務所 研音
公式サイト https://www.ken-on.co.jp/shuhei/
公式インスタグラム https://www.instagram.com/shuheiuesugi8/
文/泊 貴洋 とまり たかひろ
ライター
雑誌『演劇ぶっく』(現・えんぶ)の編集者時代に、演劇と映画の学校「ENBUゼミナール」の立ち上げに参加。1999年、映画雑誌『ピクトアップ』を創刊。2004年、独立してフリーライターに。以降、『日経エンタテインメント!』や『Pen』などの雑誌やウェブ媒体にて、映画監督、俳優、クリエイター、企業人などへの取材を行う。著書に『映画監督への道』、『ゼロからの脚本術』(ともに誠文堂新光社)、『映画監督になる』シリーズ(演劇ぶっく社)など。
https://twitter.com/UP5U7lBmb1czgRC
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