大学1年生でメンズノンノモデルデビュー
16年、武蔵野美術大学入学後に『MEN’S NON-NO』のオーディションを受け、約2000人の中からグランプリに輝いた中川。19年に『俺のスカート、どこ行った?』(日テレ系)で初レギュラー出演を果たした。また同年から迅/仮面ライダー迅役として、『仮面ライダーゼロワン』(テレ朝系)に出演。20年には『極主夫道』(読売テレビ・日テレ系)で大城山組組員・井田昇役を担った。
ドラマ5本に出演して躍進したのが、21年だ。まず『監察医 朝顔 第2シリーズ 新春SP』(フジ系)に出演後、1月期の『ウチの娘は、彼氏が出来ない!!』(日テレ系)でたい焼き屋のアルバイト・ケンタにふんした。4月からの『カラフラブル~ジェンダーレス男子に愛されています。~』(読売テレビ・日テレ系)では、ヒロイン(吉川愛)と同期の雑誌編集者・三輪玲役。7月期『ボイスⅡ 110緊急指令室』(日テレ系)では捜査一課の片桐優斗役で怪演を見せた。さらに11月からの『阿佐ヶ谷姉妹の のほほんふたり暮らし』(NHK)では姉妹の隣人・高橋草輔を演じ、12月からは『MOTHERLAND』で初舞台を踏んだ。
22年にZドラマや配信ドラマ、朝ドラで躍進
10本もの映画やドラマに出演して飛躍したのが、22年だ。まず2〜3月に、『30までにとうるさくて』(ABEMA)と『卒業式に、神谷詩子がいない』(日テレ系)に出演。『30までに〜』では主人公(さとうほなみ)が出会うトランペッターの森悠人を演じた。Z世代向け「Zドラマ」として注目された『卒業式に〜』では、メインキャストの1人・工藤健介役を担い、茅島みずき、奥平大兼らと共演。そして3月には、映画『ウェディング・ハイ』で主人公(篠原涼子)の同僚の松波浩司にふんし、4月には映画『味噌カレー牛乳ラーメンってめぇ~の?』にヒロイン(仲本愛美)憧れの蝶野春役で出演した。また元カレと今カレの間で揺れる主人公(岡崎紗絵)を描いた『花嫁未満エスケープ』(テレ東系)では、今カレの松下尚紀役を託された。
5月の『金田一少年の事件簿』(日テレ系)、6月の『極主夫道 ザ・シネマ』を経て、9月から配信されたのは、『モアザンワーズ/More Than Words』(Amazon Prime Video)だ。バイト先で出会った槙雄(青木柚)と恋仲になる永慈役を担い、LGBTQの役柄に挑んだ。また同月は『5分後に意外な結末』(読売テレビ・日テレ系)にも出演。そして12月から登場したのが、NHK連続テレビ小説『舞いあがれ!』だ。山下美月演じる望月久留美にプロポーズする同僚の医師・八神蓮太郎役で朝ドラデビューを果たした。
23年はGP帯ドラマに連続出演、7月期ドラマ2本
23年は、1月に『花嫁未満エスケープ 完結編』に出演後、2月から『大奥』(NHK)の「5代・徳川綱吉×右衛門佐編」に登場。右衛門佐(山本耕史)の部屋子・秋本役で時代劇初出演を飾った。2月からは「Zドラマ」の『沼る。港区女子高生』(日テレ系)に『卒業式に〜』と同じ工藤健介役で登場。そして4月から出演したのが、『合理的にあり得ない~探偵・上水流涼子の解明~』(関西テレビ・フジ系)だ。主人公の探偵(天海祐希)とバディを組む貴山伸彦(松下洸平)の友人で、裏社会の住人・有田浩次役を金髪姿で好演した。
7月から出演している『ラフな生活のススメ』は、ドラマとお笑いのネタが絡み合う新感覚ドラマ。中川は、離ればなれになっていた母(小池栄子)と姉(桜井玲香)と再び暮らし始める高校生・正門(まさと)にふんしている。もう1本の『この素晴らしき世界』は、大女優の身代わりをすることになった主婦(若村麻由美)の物語。中川は、社会人になったばかりの主人公の息子・浜岡あきらを自然体で演じている。
中川大輔のタレントパワーとイメージワードを徹底分析
タレントパワーランキングでは、年4回、合計4400人のモニターに、認知度や誘引率(「見たい、知りたい」の指標)についてのアンケート調査を行っている。中川の認知度は、21年8月の16.0%から上昇を続け、22年2月に最高値23.1%を記録。これは『30までに〜』と『卒業式に〜』の放送・配信が重なった時期だ。誘引率も同月が78.0%で過去最高、認知度に誘引率を掛け合わせて算出した「パワースコア」も10.7の最高値を記録している。以降、高水準を維持し、23年2月にまた上昇。これは『舞いあがれ!』や『大奥』への出演効果が大きそうだ。
タレントパワーランキングでは、年に1度、イメージワード調査も行う。22年の調査結果を見ると、1位は「男前な」で30.7%、2位は「クールな感じ」で27.9%、3位は「さわやかな」で27.1%、4位は「優しい」で26.4%。以降、「落ち着いた」「センスが良い」が同率で並ぶ。「クール」「優しい」と相反するワードが上位に並ぶことから、幅広いイメージを得ていることが分かる。
最後に、23年5月調査のパワースコアから支持層を調べてみよう。最もファンが多いのは「15~19歳」で、2番目は「55~59歳」。以降「10~14歳」「25~29歳」「40~49歳」が続く。総じて10~20代に強く、40~50代の支持も高い。モデルとしての活動や「Zドラマ」などで若年層の支持を獲得し、『舞いあがれ!』『合理的にあり得ない』などで中高年も気になる存在になっているようだ。
中川 大輔(なかがわ・だいすけ)
誕生日 1998年1月5日
出身地 東京都
所属事務所 研音
公式サイト https://www.ken-on.co.jp/nakagawa/
公式インスタグラム https://www.instagram.com/nakagawadaisuke_official/
公式スタッフX(ツイッター) https://twitter.com/daisuke_n_staff
タレントパワーランキングが選ぶ「2023年上半期にブレイクした男性タレントTOP10」にて見事1位を獲得している
文/泊 貴洋 とまり たかひろ
ライター
雑誌『演劇ぶっく』(現・えんぶ)の編集者時代に、演劇と映画の学校「ENBUゼミナール」の立ち上げに参加。1999年、映画雑誌『ピクトアップ』を創刊。2004年、独立してフリーライターに。以降、『日経エンタテインメント!』や『Pen』などの雑誌やウェブ媒体にて、映画監督、俳優、クリエイター、企業人などへの取材を行う。著書に『映画監督への道』、『ゼロからの脚本術』(ともに誠文堂新光社)、『映画監督になる』シリーズ(演劇ぶっく社)など。
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