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男女ともに幅広い人気の香取慎吾が意欲的な2ndアルバムを発売!

『臼井孝のヒットは複眼で探せ!タレントパワーランキング編』

話題のアーティストのセールス状況や新作の内容、タレントパワーランキングを見ながら、そのヒット傾向を読み解く『臼井孝のヒットは複眼で探せ!タレントパワーランキング編』。第106回は、香取慎吾に注目。

幅広いリスナーに向けた2ndアルバムが発売

2022年4月13日、香取慎吾の2ndアルバム『東京SNG』(トウキョウエスエヌジー)が発売された。2020年1月発売の1stアルバム『20200101』(ニワニワワイワイ)は、氣志團、KREVA、スチャダラパーなどアクティブな中堅アーティストや、BiSH、SONPUB&向井太一、TeddyLoid&たなか、yahyel、須田景凪といった新進気鋭のアーティストとコラボすることで、カラフルなポップス・アルバムだった。それゆえ、次回作はさらにアバンギャルドになるのかもかと思いきや、予想を大きく超える、前作よりもさらに幅広いリスナーに向けたアルバムになっていて驚いた。

ポップスターとしての華やかさもクールな大人の雰囲気も兼ね備えた作品、タイトルは何重の意味?

まず、全体の雰囲気はジャズアルバム風だが、ポップスターとしての華やかさも有りつつ、それでいてタキシードの似合うクールな大人のアルバムにも仕上がっている。収録曲は全11曲で、スウィング・ジャズ風の「東京SNG」、スリリングなピアノが快活なH ZETTRIOとコラボした「こんがらがって」、穏やかな大人ロックを提示した「Catharsis」(こちらはWONKとコラボ)、昭和中期の刑事ドラマの世界観を体現したような「今夜最高ね」、さらに前の昭和を想起させるオシャレな「シンゴぺーション」、LIVEの終盤で盛り上がりそうな田島貴男(Original Love)とコラボした「Happy BBB」、そして宝塚歌劇団の太田健による編曲でショーのラストを華やかに締めくくる「道しるべ」。

収録曲は、どれもこれもカッコいいし、かといって大衆性も忘れていない。特に、シンガーソングライターのヒグチアイとコラボした「ひとりきりのふたり」は、器用に生きられない人々への優しい眼差しを感じさせるし、新しい学校のリーダーズが参加した「東京タワー」でも、オリジナルの大先輩である美空ひばりも後輩アーティストもしっかりと立てている。とにかく、ハイセンスでありつつポップなのだ。これも長年、萩本欽一と共演してきて学んだエンタテインメントの神髄だろうか。タイトルの“SNG”からしても、「スウィング?シング?…シンゴ!?」とあれこれ想像させる所も心ニクい。

香取慎吾 タレントパワースコア 全体、男性合計、女性合計 (2022年2月)

 

男女ともに非常に幅広い層に人気。まさに国民的スターとしてのタレントパワー

そんな彼のタレントパワースコアを見てみると、男女10代~60代の全体で30.3ポイントと、相当な人気者のおよその目安となる30ポイントを超える。しかも、男性で約28ポイント、女性で33ポイントと、女性がやや多い程度で男性人気も高い。SNSでは熱心な女性ファンの情報拡散がとても多いというイメージがあるが、実際には男性からも(名前や顔を知っている)×(メディアに出ていれば見たい・聞きたい)という存在なのだ。

 

しかも、現代は総合ポイントが高くても世代別で見ると一部の世代だけで盛り上がっているアーティストも多い中で、香取慎吾の場合は、男性では10代から40代、女性では10代後半から60代まで高スコアをキープ。調査対象が60代までとなっているが、60代女性が41ポイントとすこぶる高いので、きっと70代以上でも愛されていることだろう。だからこそ、こういった幅広いファンに、今回のアルバム『東京SNG』はあらためてチェックしてほしいと思った。

Eテレ『ワルイコあつまれ』も幅広い世代が楽しめるバラエティ番組

また、やや余談かもしれないが、NHK Eテレで放送されているバラエティ番組『ワルイコあつまれ』もおススメ。稲垣吾郎、草彅剛、香取慎吾が中心となって、時事問題や伝統芸能、歴史上の人物から世界レベルの研究者まで、子どもにも分かりやすく、時にユーモアたっぷりにコントやパロディーで紹介していて、大人が見ても楽しめる構成となっている。そんな所も、彼ららしいなとあらためて思った。香取慎吾や3人の活動名義である“新しい地図”の楽曲は音楽配信でも楽しめるので、気軽に楽しんでみてはどうだろうか。

香取慎吾 アルバム『東京SNG』 通常BANG! ジャケット

 

 

著者プロフィール

うすい・たかし。1968年京都府出身。特技は1975年以降のバースデーソング占い(笑)。地元大学大学院理学研究科修了、専攻は理論化学(だったはず)。総合化学会社、音楽系広告代理店での数値解析やマーケティング実務を経て、05年にT2U音楽研究所を設立。現在は、音楽市場分析や配信サイトの選曲のほか、こちらタレントパワーランキングでのTHE RAMPAGE from EXILE TRIBEのリーダー・陣さんの対談『THE RAMPAGE陣のミリオンカラー』取材をはじめ、日経エンタテインメント!や、共同通信加盟社の各地方の新聞等で愛と情熱に満ちたコラムを執筆。Twitterは @t2umusic(よかったらフォローして下さい♪)

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