2024年後半に主演作が3本公開！ 寛一郎のタレントパワーを徹底分析

デビューと同時に映画賞を多数受賞して脚光

1996年生まれの寛一郎は、幼い頃から父に連れられ映画の現場に親しみ、18歳で俳優になることを決意。17年にデビューした。同年の『ナミヤ雑貨店の奇蹟』で日本映画批評家大賞新人男優賞を受賞。18年にはFOD配信ドラマ『青と僕』で井之脇海、池田エライザと共演したほか、瀬々敬久監督の『菊とギロチン』でキネマ旬報ベストテン新人男優賞、高崎映画祭最優秀新進男優賞などに輝いている。

19年には、SKIPシティ国際Dシネマ映画祭の15周年記念作品『君がまた走り出すとき』で映画初主演。また、『グランメゾン東京』でGP帯（ゴールデン・プライムタイム／19時〜23時）の連続ドラマに初めてレギュラー出演して注目を集めた。そして20年は、Amazon Prime Videoで配信されたドラマ『湘南純愛組！』に主演。『GTO』で知られる伝説の教師・鬼塚英吉の若き日を演じた。また同年は、阪本順治監督の映画『一度も撃ってません』で佐藤浩市と初の親子共演を行い話題になった。

大河ドラマ『鎌倉殿の13人』の公暁役で迫真の演技

そして23年は、阪本順治監督の時代劇『せかいのおきく』で黒木華、池松壮亮と共演。糞尿を売買して生きる中次役で見る者の心を揺さぶった。また、北野武監督の『首』では織田信長の側近・森蘭丸役に。さらに19世紀の実話をもとにした演劇『カスパー』で、舞台初出演にして初主演。16年にわたり監禁されていた少年カスパー・ハウザーを体現した。

24年上半期は、剣客・清水一学に扮した時代劇『身代わり忠臣蔵』や、仲里依紗が監督したWOWOW『アクターズ・ショート・フィルム4』の一編『撮影/鏑木真一』に出演。下半期の公開ラッシュにつなげた。

寛一郎のイメージワードと少し意外な支持層は？

タレントパワーランキングでは、年に4回、合計4400人のモニターに認知度や誘引率（「見たい、知りたい」の指標）についてのアンケート調査を行う。過去2年間の寛一郎の調査結果を見ると、認知度が最高値となる16.8％をマークしたのは『身代わり忠臣蔵』が公開された24年2月。誘引率が最高値の75.5％につけたのは、24年5月だ。これは3月に『HEART ATTACK』への主演が発表された頃となる。また、認知度に誘引率を掛け合わせて算出した「パワースコア」が最も高かったのは24年2月で、2番目に高かったのは22年11月。これは『鎌倉殿の13人』の影響が大きそうだ。

タレントパワーランキングでは、年に1度、イメージワード調査も行う。寛一郎の調査結果を見ると、イメージワード1位は「落ち着いた」で43.4％。2位は「個性的な」で37.5％、3位は「クールな感じ」で32.9％となっている。もう1つ目立って高いのは、4位の「演技力がある」だ。落ち着いたクールな印象が強く、個性派、演技派と見られていることがわかる。ちなみにイメージワードのグラフが似ている「相似タレント」としてデータが弾き出したのは、市川染五郎、眞島秀和、清水尋也、加瀬亮だった。

最後に、24年5月調査のパワースコアから、寛一郎の支持層を調べた。最もファンが多かったのは「30～34歳男性」で12.7％。2番目が「25～29歳男性」で10.7％、3番目が「50〜54歳男性」で9.3％だった。20代の男優には珍しく、女性ファンより男性ファンが際立つのは、ストイックに出演作を重ねる姿に好感を持たれているのかもしれない。

2024年8月には、米津玄師の『がらくた』のミュージックビデオに出演した寛一郎。藤井道人監督作品を手掛ける名カメラマン・今村圭佑による映像美の中で、石橋静河と恋人役を演じている。そのシネマティックな輝きも必見だ。

寛一郎（かんいちろう）

誕生日　1996年8月16日
出身地　東京都
所属事務所　ユマニテ
公式サイト　http://www.humanite.co.jp/actor.html?id=45

文／泊 貴洋

泊 貴洋　とまり たかひろ

ライター
雑誌『演劇ぶっく』（現・えんぶ）の編集者時代に、演劇と映画の学校「ENBUゼミナール」の立ち上げに参加。1999年、映画雑誌『ピクトアップ』創刊に参加。2004年、フリーライターに。『日経エンタテインメント！』『Pen』『キネマ旬報』などの雑誌やウェブ媒体にて、映画監督、俳優、クリエイター、企業人などへの取材を行う。著書に『映画監督への道』『ゼロからの脚本術』（ともに誠文堂新光社）、『映画監督になる』シリーズ（演劇ぶっく社）など。
https://twitter.com/UP5U7lBmb1czgRC

 

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