女性タレント

乃木坂46在籍時代から個性派女優の片鱗を見せていた伊藤万理華が、ついに地上波連ドラ初主演

乃木坂46時代はパフォーマンスを引っ張る存在として輝く

乃木坂46の卒業メンバーからは生駒里奈、深川麻衣、白石麻衣、西野七瀬など多くの人気女優が生まれている。現在放送中の『お耳に合いましたら。』(テレビ東京系)で地上波連ドラに初主演して注目を集めている伊藤万理華も、白石や西野と同様に1期生として乃木坂46に加入して、2017年に卒業するまで個性派メンバーとして活躍した。

伊藤万理華は乃木坂46に在籍していた頃には、クラシックバレエで培った抜群の表現力でグループのパフォーマンスを引っ張るメンバーの1人として活躍していた。乃木坂46は選抜メンバー以外のアンダーメンバーによる「アンダーライブ」を2014年にスタートさせたが,その初期にアンダーセンターとしてライブの中心を担い牽引していたのが伊藤万理華だった。

自らプロデュースした個展を全国主要都市で開催

彼女は乃木坂46時代から抜群のファッションセンスと創造力の高さが注目を集め、2015年3~8月にファッション雑誌『CUTiE』(宝島社)でコラム「万理華の脳内」を連載

。グラフィックデザイン専門誌『月刊MdN』(エムディエヌコーポレーション)では「MARIKA MEETS CREATORS」を連載(2015~2017年)するなど、得意ジャンルのファッションや絵を仕事にもつなげて、知的な魅力の持ち主として人気を集めていた。

2015年当時のインタビューで彼女は、「やっと、自分が好きなことが、形になってきたんだなって。自分が絵を描いたりすることで、アイドルの枠を広げられたらいいなと思っています。将来は絵だけじゃなくて、もっといろんなことに挑戦したいです」(『日経エンタテインメント!アイドルSP2015』日経BP社・2015年1月15日発行)と語っていた。

その言葉通りに、クリエイティブな才能は、2017年に乃木坂46を卒業してから、さらに開花する。洋服・アクセサリー・鉱物・食器・本・万華鏡・インテリア・お香・雑貨など、さまざまなモノにハマって収集してきた彼女が独自の感性でキュレーションして、2017年10月に初めての個展「伊藤万理華の脳内博覧会」を東京・京都・福岡で開催。

2018年3月から雑誌『装苑』で、手書きによるコラム「伊藤万理華のときめき録」を連載開始。伊藤自身がプロデュースした2度目の個展「伊藤万理華EXHIBITION“HOMESICK”」 は、2020年1月~2021年1月に渋谷PARCO“GALLERY X BY PARCO”など全国6都市で開催された。

女優としての出演した作品は、個性的な企画が並ぶ

女優としても、多くの作品に出演。2018年11月にオンエアされた単発ドラマ『ガールはフレンド』(TOKYO MX)で主演。元カノと期間限定の同居生活をする主人公・マリを演じた。2019年春に連ドラと映画で展開された浜辺美波主演の『賭ケグルイSeason2』(MBS/TBS系)では犬八十夢役を演じた。

2019年7月には、井上荒野の同名連作短編小説をドラマ化して、日本作品では初めてフランスの「カンヌ国際ドラマ祭・カンヌシリーズ」コンペティション部門に正式出品された『潤一』(カンテレ)の第6話に美夏役で出演。2020年10~12月に全12話がLINE NEWSの動画プロジェクト「VISION」で配信された『私たちも伊藤万理華ですが。』(監督:アベラヒデノブ)は、彼女が乃木坂46のオーディションに落ちて別の人生を歩んでいたら?というテーマの伊藤万理華主演によるコメディ作品で、女子高生、新人AD、恋愛カウンセラー、夜間警備員の4役(役名はいずれも「伊藤万理華」)を演じた。

2020年11月には、大阪・心斎橋パルコオープニング記念企画として心斎橋パルコを舞台に制作されたWeb番組「真夜中パルコ」の中で配信されたショートムービー『真夜中の女の子』に出演。実在のデザインオフィスを舞台にしたドラマ+対談という構成による『東京デザインが生まれる日』(テレビ東京系・2020年12月)ではドラマパートで遠藤七菜香役を演じた。

2021年1~2月に放送されたドラマ『夢中さ、きみに。』(MBSほか)、2021年3月放送の単発ドラマ『エージェントファミリー~我が家の特殊任務~』(カンテレ・フジテレビ系)にも出演。2021年5~6月には、舞台『M&Oplaysプロデュース「DOORS」』に出演した。

ドラマ『お耳に合いましたら。』ではチェンメシを愛する主人公を好演

2021年7月にスタートしたドラマ『お耳に合いましたら。』(テレ東系)で彼女が演じているのは、漬物会社「まつまる漬物」のマーケティング部に所属する会社員で、ポッドキャスト番組「お耳に合いましたら。」を通じてチェーン飲食店のグルメ(チェンメシ)への愛を語る、主人公の高村美園。伊藤万理華は美園というキャラクターを可憐に演じ、そのチャーミングな存在感が多くの視聴者をひきつけた。ドラマのエンディングで毎回、彼女が披露するダンスも話題になっている。

主演映画『サマーフィルムにのって』も公開中

8月6日に公開された主演映画『サマーフィルムにのって』は、過去からタイムトラベルしてきた武士の少年と出会い、傑作時代劇を作るという痛快なストーリー。松本壮史監督の初監長編映画で、伊藤万理華は高校の映画部に所属して時代劇映画の制作を目指しているハダシを演じた。

この映画は、第33回東京国際映画祭の特別招待作品にエントリー。公開後はミニシアターランキング(小規模公開作品 週末観客動員数TOP5・興行通信社調べ)で2週連続1位を獲得。女優・伊藤万理華に対する関心度の高さを物語っている。

ドラマ映画と比べるとCM出演はまだ少ないが、そのぶん新鮮さがある。今年6月にはセガの新作オンラインRPG「PSO2 ニュージェネシス」の1夜限りの限定テレビCMに出演し話題になった。

今後も幅広い分野で、見る人をハッとさせる魅力的な演技を見せる個性派女優として活躍するに違いない。

文/高倉文紀

 

伊藤万理華(いとう・まりか)


1996年2月20日生まれ
大阪府出身
乃木坂46合同会社所属
公式サイト https://itomarika.com/s/m03/?ima=0301
公式インスタグラム https://www.instagram.com/marikaito_official/