女性タレント

小川紗良「おうち時間で気付いた素顔の私」

2019年のNHK連続テレビ小説『まんぷく』でヒロイン(安藤サクラ)の娘・立花幸を演じて注目を集め、20年は『アライブ がん専門医のカルテ』(フジテレビ)や『名建築で昼食を』(TVO/BSテレ東)などのドラマにレギュラー出演した小川紗良。後篇では、映像作家の顔も持つ彼女のタレントパワーや素顔に迫る。

惹きつけられるのはモーニング娘。と池脇千鶴

——タレントパワーランキングではイメージワード調査をしています。小川さんのイメージワーの1位は「ビジュアルが良い」で39.6%、2位は「センスが良い」で27.1%、3位は「清潔感がある」で25%でした。ちなみに4位は「個性的な」、5位は「落ち着いた」「親しみやすい」となっています。

ありがとうございます(笑)。4位の「個性的な」は、どこに個性を感じていただいてるのかなって気になりますね。

——女優と監督の顔を持つ「個性」かもしれないですね。1位の「ビジュアルが良い」は?

それはもう、「ありがとうございます」っていう感じです(笑)。

——今後、欲しいイメージワードはありますか?

「落ち着いた」です。「落ち着いてそう」ってよく言われるんですけど、自分的には全然落ち着きがない方だと思っていて。このままバレずに「落ち着いた」が保たれたらいいなと思います(笑)。

小川紗良/イメージワード/2020年/タレントパワーランキング


——小川さんが「タレントパワー」を感じる存在は?

モーニング娘。さんです。芸能界でもファンの方が多いんですけど、ただのアイドルの枠に収まらない「アーティスト」としての力強さ、まっすぐ努力し続ける姿に日々元気をもらっています。

——女優で惹きつけられる人は?

池脇千鶴さん。高校生の時に、映画『そこのみにて光輝く』を見て、すごく胸を打たれて。自然体だけど華もあって、地に足が着いている感じが、すごく魅力的だなあと思います。女優としても監督としても、いつかご一緒できたらうれしいです。

今、好きな映画トップ3を挙げるなら?

——映画は、年にどれくらい見るんですか?

200〜300本くらいだと思います。最近は台湾のエドワード・ヤン監督の名作とか、ヌーベルバーグの監督・エリック・ロメールの特集を名画座に見に行きました。

——映画を見ると撮りたくなったりしますか。

もちろん、女優業にも監督業にもインスパイアされるところがたくさんあります。

——今の「好きな映画ランキングトップ3」は?

1位はエドワード・ヤン監督『ヤンヤン 夏の思い出』(00年)。ああいう作品を生涯に1本作れたら最高だなって思います。2位は大林宣彦監督の『さびしんぼう』(85年)。楽しいのに哀愁があってせつない、ノスタルジックな感じが好きです。3位はエリック・ロメールの『海辺のポーリーヌ』(83年)。15歳の少女・ポーリーヌを演じるアマンダ・ラングレの若々しい存在感が素晴らしいです。

映像作家として目指すのは「作品主義」の現場

——そんな小川さんの目に、「シネマラボ」のプロジェクトはどう映りましたか。

今の映画界では、監督が自由に映画を作ることは難しいと思います。映画は関わる人やお金が多いので。そのなかでこういった試みをやるということで、すごく新しい風を感じました。まずは本広監督や上田慎一郎監督(『カメラを止めるな!』)が先陣を切ってくださいますが、そこから本当にこの企画を必要としている若い世代にまで繋がるものになったら、また意味があるものになるんじゃないかなって思います。

——その若い監督の1人に、小川さんがなりたいとは?

それは分からないですけど(笑)。でも、こういう場があったら、うれしいだろうなとは思いますね。

——シネマラボで、小川さんが作るとしたらどんなものを目指しますか?

私は「作品主義」で撮れたらいいなと思います。監督が一番ではなく、ほかのキャストやスタッフと横並びで、お互いのいいところを吸収しながら一緒に前に進んでいくというイメージです。学生時代から、そういう作り方がいいなという理想を持っていたんです。

「私、オタクだわ」と気付きました(笑)

——noteを見ると、『美少女戦士セーラームーン』も好きだそうですね。

去年、一人暮らしを始めた頃に台風が来て、不安だったんです。そんな時に何気なく見たら、ものすごくハマって。そこから大好きです。

——20歳過ぎてハマるっていうのが面白い。

モーニング娘。も子どもの頃に好きで、戻ってきたのが20歳を超えてから。大人になったからこそ、小さい頃に好きだったものに再び惹かれる現象って、あるなと思いますね。

——映画を年300本、モーニング娘。にセーラームーンと聞くと……「オタク」という言葉が浮かびます(笑)。

いやもう、オタクだと思います(笑)。コロナの自粛期間に痛感しました。一気に仕事が止まって純粋な自分に戻った時に、「あ、私、オタク……だわ」って(笑)。

——オタクと言われることに抵抗感は?

全然、嫌じゃないです。今やオタクも、けっこう市民権がある。みんな堂々と好きなものを好きって言えるようになったと思うので、楽しくハマってます(笑)。

——今後は、女優と監督、どういうバランスでやっていきたいですか?

私はポンポン撮れるタイプではないので、監督としては人生の節目節目でテーマをじっくり膨らませて撮っていけたらいいなと思っています。女優業は、年齢によってできることが変わっていくと思うんです。今は学生役を抜け始めて、いろんな職業の役に挑戦できている。ちょうど幅がある時期なので楽しいです。これからも年齢ごとにやれる役をやっていけたらいいなと思っています。

小川紗良(おがわ・さら)

誕生日 1996年6月8日
出身地 東京都
所属事務所 ヒラタオフィス
公式サイト http://www.hirata-office.jp/talent_profile/woman/sara_ogawa.html
公式ツイッター https://twitter.com/iam_ogawasara
公式note https://note.com/ogawasara

 

映画『ビューティフルドリーマー』

2020年11月6日から全国公開
監督:本広克行
出演:小川紗良、藤谷理子、神尾楓珠、内田倭史、ヒロシエリ、森田甘路、伊織もえ、かざり、斎藤工、秋元才加、池田純矢、飯島寛騎、升毅
原案:押井守『夢みる人』
脚本:守口悠介
配給:エイベックス・ピクチャーズ
(C)2020映画「ビューティフルドリーマー」製作委員会