2022年秋ドラマで高い支持を集めているのは、川口春奈が主演する『silent』(フジ系)です。民放公式見逃し配信サービス「Tver」の歴代ドラマ再生回数の新記録をマークするなど、その人気はちょっとした社会現象になっていると言っていいでしょう。
今回は、アーキテクトが実施しているタレントパワーランキングの最新調査結果からドラマ『silent』にレギュラー出演している男女俳優の中でタレントパワーが高いTOP12を発表したいと思います。
それそれの俳優のプロフィールとともに、過去の作品での出演者・スタッフの意外なつながりも紹介します。
ドラマ『silent』の概略とあらすじ
『silent』は、フジテレビヤングシナリオ大賞出身の生方美久のオリジナル脚本による連続ドラマです。『14才の母』(日テレ系)、『太陽と海の教室』『BOSS』『いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう』(フジ系)などの連ドラを手がけた村瀬健がプロデュース、映画『チェリまほ THE MOVIE ~30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい~』などを監督した風間太樹がチーフ演出を担当しています。新進気鋭の脚本家とヒットメーカーのプロデューサー・演出家によって、緻密に組み立てられた繊細なストーリーが好評を得ていると言えます。
主人公の青羽紬(川口春奈)は、8年前に姿を消した元恋人の佐倉想(目黒蓮)に再会します。想は若年発症型両側性感音難聴を患い、聴力をほとんど失っていました。2人の再会を知った、高校時代の親友で現在は紬と交際中の戸川湊斗(鈴鹿央士)は、紬に別れを告げます。
『silent』出演俳優のタレントパワーTOP12の算出方法
株式会社アーキテクトが実施している業界最大規模のタレント調査『タレントパワーランキング』の10代から60代の男女による回答結果をもとにパワースコアを算出しました。
パワースコアとは、調査結果をもとに、タレントの認知度(顔と名前を知っている)と誘引率(見たい・聴きたい・知りたい)を掛け合わせた値です。
今回は2022年5月度と8月度のデータをもとに、『silent』にレギュラー出演している俳優のランキングを作成しました。なお、このランキングはアーキテクトの定期調査から抽出したタレントパワーの数値の上位で、人気順ではありません。
ドラマ『silent』出演俳優ランキング
順位 | タレント名 | パワースコア | 調査時期 |
1位 | 川口春奈 | 35.2 | 2022年8月 |
2位 | 篠原涼子 | 30.2 | 2022年8月 |
3位 | 風間俊介 | 30.1 | 2022年8月 |
4位 | 夏帆 | 20.2 | 2022年5月 |
5位 | 目黒蓮(Snow Man) | 19.5 | 2022年8月 |
6位 | 鈴鹿央士 | 12.3 | 2022年8月 |
7位 | 桜田ひより | 9.5 | 2022年8月 |
8位 | 板垣李光人 | 9.2 | 2022年8月 |
9位 | 石川恋 | 8.6 | 2022年8月 |
10位 | 井上祐貴 | 5.8 | 2022年8月 |
11位 | 中島広稀 | 4.9 | 2022年5月 |
12位 | 藤間爽子 | 3.1 | 2022年8月 |
高崎南高校の同窓生で、主人公・紬の親友・横井真子を演じています。ドラマ内限定でオンエアされる日産「サクラ」のオリジナルCMにも“真子”として出演して爽やかな存在感を見せています。
祖母は日本舞踊・紫派藤間流の初世家元、祖父は人間国宝という日舞の名家に育ち、自身も2018年に三代目藤間紫を襲名して日本舞踊家でも活躍しています。女優としては2017年に放送されたNHK連続テレビ小説『ひよっこ』でデビューして、2018年には舞台『半身』で元乃木坂46初代キャプテンの桜井玲香とW主演。
2022年春クールの日曜劇場『マイファミリー』(TBS系)に出演したほか、NHK朝ドラ『ちむどんどん』に井之脇海が演じた料理人・矢作の妻・佳代役で出演しました。NTTドコモのCMでは、ムロツヨシと共演しています(メガネをかけて出演)。
まだ知名度が高くないために今回はこの順位になりましたが、期待の若手女優として注目を集めているので、2023年以降は大きく躍進するはずです。
高崎南高校の同窓生、長岡尚也を演じています。
2010年に湊かなえの小説を映画化した『告白』でデビュー。2016年に放送されたNHK朝ドラ『べっぴんさん』で芳根京子が演じたヒロインらが創業した子供服メーカー「キアリス」の従業員(のちに社長就任)・足立武役で出演したほか、映画『悪の教典』『渇き』、ドラマ『イノセンス-冤罪弁護士-』(日テレ系)など多くの作品に出演。
『silent』の主人公らは群馬県高崎市の高校を卒業した設定になっていますが、中島自身も群馬県出身で、2018年には高崎市を舞台にした佐藤玲主演の映画『高崎グラフィティ』に出演したことがあります。
高崎南高校の同窓生で、想と湊斗とはサッカー部のチームメイトだった野元拓実を演じています。
2017年にホリプロタレントスカウトキャラバンで審査員特別賞を受賞して、芸能界入り。2019年に『ウルトラマンタイガ』(テレ東系)で主人公の工藤ヒロユキを演じて、ドラマ初出演。2021年には所属事務所のホリプロの60周年を記念して制作された映画『NO CALL NO LIFE」で優希美青とW主演しました。
『silent』出演の鈴鹿央士・板垣李光人とは、2021年放送のドラマ『ホリミヤ』(MBS)でも共演しました。
目黒蓮が演じている想の姉・井草(旧姓・佐倉)華を演じています。父親役の利重剛は、前クールのドラマ『ユニコーンに乗って』(TBS系)では杉野遥亮が演じた元彼の父親役として共演していました。
2013年、有村架純主演で映画化もされた『学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶應大学に現役合格した話』の書籍表紙モデルに起用されて、話題を集めました。2017年から『CanCam』専属モデルとして活躍しているほか、橋本環奈がヒロインを演じたドラマ『警視庁いきもの係』(フジ系)、『おしい刑事』(NHK BSプレミアム)や『イタイケに恋して』(読売・日テレ系)のヒロイン役などで活躍しました。
ヒロインを演じた『おしい刑事』の主演は、『silent』にも出演する風間俊介。最終回には、同じく『silent』出演中の井上祐貴がゲスト出演していました。
主人公の紬と東京で同居している、弟・青羽光を演じています。
2020年に公開された浜辺美波主演の映画『約束のネバーランド』(『silent』の村瀬健プロデューサーがプロデュース担当)で注目を集めました。
2021年にはNHK大河ドラマ『晴天を衝け』で徳川慶喜の弟・昭武を演じたほか、ドラマ『カラフラブル〜ジェンダーレス男子に愛されています。〜』(読売・日テレ系)で主演した、20歳の新世代俳優です。
2023年の大河ドラマ『どうする家康』では井伊直政を演じます。
想の妹で、地元の大学に通う佐倉萌を演じています。
2014年、芦田愛菜・鈴木梨央・渡邉このみらがグループホームで暮らす少女たちを演じたドラマ『明日、ママがいない』(フジ系)でピア美の愛称で呼ばれる鳥羽直美役を演じ、脚光を浴びました。2017年には『咲-Saki-阿知賀編 episode of side-A』(MBS・TBS系)でドラマ初主演。2022年夏放送の連ドラ『生き残った6人によると』(MBS・TBS系)でも主演しました。
『silent』主演の川口春奈は、所属事務所にかつて開設されていた若手俳優育成部門(「けんおん。」から後に「ネクストジェネレーション」に改称)の出身女優として桜田の先輩にあたります。兄役の目黒蓮とは、2022年3月に公開されたSnow Man主演映画『おそ松さん』でも共演しました(桜田はチビ太役)。
高崎南高校の同級生だった紬と交際していた戸川湊斗を演じています。
映画にエキストラとして出演しているところを、現在同じ事務所に所属している広瀬すずの目にとまり、彼女が担当マネージャーにスカウトを進言したことが芸能界入りのきっかけになりました。2019年公開の映画『蜜蜂と遠雷』のピアニスト役で注目を集め、2021年には実写版『ホリミヤ』で連ドラ初主演を果たしました。
2023年にNetflixで配信される『君に届け』では、南沙良とW主演します。
紬の高校時代の交際相手で、高校卒業後に聴力をほとんど失ってしまった佐倉想を演じています。
2010年、ジャニーズ事務所に入所。2020年にSnow ManのメンバーとしてCDデビュー。俳優としては『教場Ⅱ』(フジ系)、『消えた初恋』(テレ朝系)などで活躍。現在放送中のNHK朝ドラ『舞いあがれ!』に航空学校編から登場します。
2020年放送のドラマ『教場』に198期風間教場訓練生として川口春奈が出演、翌年に放送された『教場Ⅱ』には前作から2年後の200期風間教場訓練生として目黒蓮が出演していました(川口は『教場Ⅱ』にも出演)。
手話教室で想と知り合い友達になった、聴覚障害者の桃野奈々を演じています。11月10日にオンエアされた第7話では奈々を軸としたストーリーが展開され、繊細な演技が印象的でした。
2004年に「三井のリハウス」CMに出演する11代目リハウスガールに選ばれ、正統派美少女として脚光を浴びました。ちなみに、その5年後に13代目リハウスガールに就任したのが川口春奈です。
2007年に映画『天然コケッコー』で主演。多くの映画やドラマで演技が高く評価され、最近では2019年にドラマ『ひとりキャンプで食って寝る』(テレ東系)で主演しました。
2014年に放送された小栗旬主演のドラマ『信長協奏曲』(フジ系)にも出演していましたが、同作品をプロデュースしたのは『silent』も手がけている村瀬健プロデューサーです。
手話教室の講師・春尾正輝を演じています。
1999年にドラマ『3年B組金八先生』(TBS系)で注目を集め、最近ではドラマ『陸王』(TBS系)、『監察医 朝顔』(フジ系)、『麒麟がくる』『カムカムエヴリバディ』(NHK)などに出演しました。
風間俊介が注目されるきっかけとなった『3年B組金八先生』の脚本を手がけていた小山内美江子を実母に持つのが、『silent』で想の父親を演じている利重剛です。また、『silent』の音楽を担当している得田真裕は、風間が主人公の夫役で活躍した『監察医 朝顔』の音楽も手がけていました。
想の母親・佐倉律子を演じています。中島広稀と同様に篠原も、紬や想の実家がある設定の群馬県の出身です。
アイドルグループ「東京パフォーマンスドール」のメンバーを経て、1990年代には小室哲哉プロデュースの楽曲でソロ歌手として活躍。女優としては、2006年の『アンフェア』(カンテレ・フジ系)、2007年の『ハケンの品格』(日テレ系)で主演して人気を集めました。
『silent』を手がける村瀬健プロデューサーが2010年にプロデュースを担当した、木村拓哉主演の月9ドラマ『月の恋人』でヒロインを演じていました。また、2021年8月に『24時間テレビ』(日テレ系)内で放送された平野紫耀主演のドラマ『生徒が人生をやり直せる学校』では学校司書役を演じましたが、このドラマには生徒役で『silent』出演中の桜田ひよりと板垣李光人も出演していました。
タワーレコードに勤務する、主人公・青羽紬を演じています。
2007年に雑誌『nicola』の専属モデルオーディションでグランプリ。2011年に『桜蘭高校ホスト部』(TBS系)で連ドラ初主演。
2020年にはNHK大河ドラマ『麒麟がくる』に織田信長の正室・帰蝶(濃姫)役で出演。主演ドラマ『着飾る恋には理由があって』(TBS系)でも注目を集め、2022年はNHK朝ドラ『ちむどんどん』でヒロインの姉役を演じました。
『麒麟がくる』には、『silent』で共演中の風間俊介も徳川家康役で出演していました。
『silent』に出演している個性的な俳優たちが、今後のストーリー展開の中でどのようような演技を見せてくれるか、注目されます。
文・高倉文紀