SFやミステリーと同じくらい人気が高い映画のジャンルが、コメディです。コメディ映画は邦画でも数多く作られ、たくさんの役者が出演してきました。その中から、特に演技力が高い人気の役者を、男女別のランキング形式で紹介します。
コメディ映画は古くからあるジャンル
映画には多くのジャンルがありますが、その中でもコメディ映画は昔から人気が高いジャンルです。コメディ映画の定義や、往年の名作を紹介しましょう。
コメディ映画とは?
一般的には、ユーモアがふんだんに盛り込まれた作品がコメディ映画と呼ばれています。さらにコメディの中でもジャンルが細かく分かれていて、家族向けの作品はホームコメディ、恋愛要素のあるコメディはラブコメディです。
また、ブラックコメディと呼ばれるジャンルもあり、社会風刺を交えつつ黒いジョークが多いものを指します。
洋画も含めた代表的なコメディの例は、ホームコメディの『ホーム・アローン(1990年)』、ラブコメディの『50回目のファースト・キス(2004年)』、ブラックコメディの『アダムス・ファミリー(1991年)』などです。
モノクロ時代からある人気ジャンル
コメディは昔から需要が高く、モノクロ映画の時代から既に存在していました。海外の作品では、チャールズ・チャップリンの『街の灯(1931年)』といった作品が挙げられます。
日本国内においても、昭和の時代からコメディ作品は多く作られてきました。漫才師・横山やすしが主演を務めた『ビッグマグナム黒岩先生(1982年)』や、菅原文太主演の『ダイナマイトどんどん(1978年)』、利重剛主演の『近頃なぜかチャールストン(1981年)』が有名です。
ただし海外に比べるとコメディに振り切った作品よりも人情や泣ける要素のある作品が多く、バラエティ番組やドラマがその役割を担ってきたとも考えられます。
実は人気のコメディ映画
2016年に行われた調査では、好きな映画のジャンルでコメディが4位にランクインしていました。多くのジャンルがある中で、4位に入っているのはそれだけたくさんのコメディファンがいる証です。
洋画と邦画別で調査した結果はさらに顕著で、2013年の調査では好きな洋画のジャンルにおいてアクションが1位だったものの、邦画ではコメディが1位に輝いています。
それだけ国内にコメディ作品を好む層が多くいるということでしょう。
コメディ映画に出演した芸能人ランキングの算出方法
コメディ映画に出演した芸能人のランキングは、『株式会社アーキテクト』が実施しているタレントパワーランキングの最新調査結果をもとに抽出しました。ランキングの調査方法について紹介します。
当社独自の集計方式で算出
コメディ映画に出演した芸能人のランキングは、株式会社アーキテクトが実施する業界最大規模のタレント調査『タレントパワーランキング』をもとにパワースコアを算出、こちらのデータからランキングが作成されています。
パワースコアとは、調査結果をもとに、タレントの認知度(顔と名前を知っている)と誘引率(見たい・聴きたい・知りたい)を掛け合わせた値です。
今回のランキングは、2022年2月度に行われた調査をもとに作成しています。
コメディ映画に出演した男性芸能人ランキング
順位 | タレント名 | パワースコア | 調査時期 |
1位 | ムロツヨシ | 38.3 | 2022年2月 |
2位 | 児嶋一哉(アンジャッシュ) | 36.8 | 2022年2月 |
3位 | 飯尾和樹(ずん) | 35.8 | 2022年2月 |
4位 | バカリズム | 35.6 | 2022年2月 |
5位 | 堤真一 | 34.6 | 2022年2月 |
6位 | 向井理 | 34.3 | 2022年2月 |
7位 | 沢村一樹 | 33.7 | 2022年2月 |
コメディ映画に出演した男性芸能人では、ベテラン俳優はもちろん、お笑い芸人も多くランクインしています。個別に見ていきましょう。
1967年生まれで、多くのドラマ・映画に出演している俳優です。近年はドラマ『突然ですが、明日結婚します(2017年)』や『グランメゾン東京(2019年)』といった作品へ出演していました。
コメディ作品では映画『劇場版 おっさんずラブ 〜LOVE or DEAD~(2019年)』に出演歴があり、天空不動産本社のプロジェクトチーム・Genius7のリーダー、狸穴迅の役でした。
端正な顔立ちでコミカルな役どころもこなすため、そのギャップが魅力的な俳優でもあります。
1982年生まれの俳優です。連続テレビ小説『ゲゲゲの女房(2010年)』やNHK大河ドラマ『江~姫たちの戦国~(2011年)』といった作品に出演し、知名度を上げていきました。
近年ではドラマ『着飾る恋には理由があって(2021年)』や映画『ザ・ファブル(2019年)』に出演して話題を呼んでいます。
コメディ作品では、2022年の映画『ウェディング・ハイ』に出演しており、演じた役柄は結婚式に乱入する謎の男・澤田紀昭です。お笑い芸人・バカリズムが脚本を務めたことでも話題になりました。
1964年生まれの俳優で、数々の賞を獲得してきた名俳優です。2008年には『クライマーズ・ハイ』や『容疑者Xの献身』に出演し、日本アカデミー賞優秀主演男優賞・優秀助演男優賞を獲得、2022年には『ザ・ファブル 殺さない殺し屋』で日本アカデミー賞優秀助演男優賞に輝いています。
コメディ作品も登場しており、映画『決算!忠臣蔵(2019年)』では筆頭家老・大石内蔵助を演じ、討ち入りの際の予算に四苦八苦する様をコミカルに演じました。
1975年生まれのお笑い芸人で、本名は升野英知です。1995年にバカリズムを結成し、2005年からピン芸人として活動しています。
バラエティ番組で活躍する一方、ナレーション、脚本、イラストと多方面で活動する、マルチな才能の持ち主です。
自身がOLになりきって日常を書き連ねたブログ『架空OL日記』は2017年にドラマ化され、バカリズムは脚本を自ら書き主演も務めました。この作品でバカリズムは第55回ギャラクシー賞テレビ部門特別賞を受賞しています。2020年には同作が映画化もされました。
1968年生まれのお笑い芸人で、ずんというコンビで相方のやすと共に活動しています。コンビ結成は2000年です。
飯尾は芸人以外に俳優業も行っており、これまで『ピーナッツ(2006年)』『本能寺ホテル(2017年)』、『スマホを落としただけなのに 囚われの殺人鬼(2020年)』などの映画に出演しています。
お笑い芸人という職業を活かし、コメディ映画『引っ越し大名!(2019年)』でも存在感を示しました。
1972年生まれのお笑い芸人で、アンジャッシュというコンビで相方の渡部建と共に活動しています。コンビでの活動以外に、ソロでもYouTubeやドラマ・映画で活動中です。
『HERO(2015年)』や『闇金ウシジマくんPart3(2016年)』へ出演歴がある他、コメディ作品では『劇場版 おっさんずラブ 〜LOVE or DEAD~(2019年)』へ出演し、荒井鉄平役を演じました。
元々コントに定評があったお笑い芸人なので、映画やドラマでも高い演技力を発揮しています。
1976年生まれの俳優で、映画・ドラマ・舞台と幅広く活躍している役者です。
近年では『最高の人生の見つけ方(2019年)』『ヲタクに恋は難しい(2020年)』『新解釈・三國志(2020年)』といった作品に出演しています。
シリアスな役どころからコミカルな役どころまで演じ分けることができる器用さがあり、映画『ダンスウィズミー(2019年)』では興信所の小狡い調査員・渡辺義雄を演じました。本作は出演者が吹き替えなしのミュージカルシーンに挑戦していることでも話題を呼びました。
コメディ映画に出演した女性芸能人ランキング
順位 | タレント名 | パワースコア | 調査時期 |
1位 | 長澤まさみ | 43.9 | 2022年2月 |
2位 | 北川景子 | 43.2 | 2022年2月 |
3位 | 石原さとみ | 41.8 | 2022年2月 |
4位 | 石田ゆり子 | 38.0 | 2022年2月 |
5位 | 高畑充希 | 34.2 | 2022年2月 |
6位 | 土屋太鳳 | 32.1 | 2022年2月 |
7位 | 二階堂ふみ | 30.9 | 2022年2月 |
コメディ映画に出演した女性芸能人では、シリアスな作品にも多く出演している人気女優が多くランクインしています。役の振れ幅が大きくても演じ分けられるのが、人気の秘訣かもしれません。
1994年生まれの女優で、多くのドラマ・映画に出演しています。映画『ヒミズ(2011年)』では第68回ベネチア国際映画祭でマルチェロ・マストロヤンニ賞 (新人俳優賞)を獲得した実績もある実力の持ち主です。
近年では『生理ちゃん(2019年)』『糸(2020年)』といった映画のほか、ドラマ『プロミス・シンデレラ(2021年)』といった話題作にも出演しており、演技力の幅が広いことも評価されています。
コメディ映画『翔んで埼玉(2019年)』では白鵬堂学院の生徒会長・壇ノ浦百美を演じ、強烈なメイクとファッション、突き抜けた演技で注目されました。
1995年生まれの女優で、これまで日本アカデミー賞 優秀主演女優賞、エランドール賞新人賞など多くの賞を獲得してきた、実力の高い役者です。
注目されるきっかけとなったのは連続テレビ小説『まれ(2015年)』で、そこからコンスタントに映画・ドラマへ登場しています。
コメディ作品にも出演しており、映画『大怪獣のあとしまつ(2022年)』では環境大臣秘書官・雨音ユキノを演じました。
1991年生まれの女優で、ドラマや映画のほか、ミュージカルに出演したり、フォトエッセイを発売したりと精力的に活動しています。
映画『こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話(2018年)』や『ヲタクに恋は難しい(2020年)』に出演したほか、ウォルト・ディズニーの『シンデレラ(2015年)』ではシンデレラを吹き替えで演じました。
コミカルな演技も得意で、映画『引っ越し大名!(2019年)』では於蘭役として国替えに奔走する主人公・片桐春之介を演じた星野源と共に作品を盛り上げています。
1969年生まれの女優です。ドラマや映画へ数多く出演しながら、ナレーションやCMでも活躍しています。
近年の出演作はドラマ『BG~身辺警護人~(2018年)』や『妻、小学生になる。(2022年)』などです。
コメディ作品でも活躍しており、三谷幸喜が脚本と監督を務めたコメディ映画『記憶にございません!(2019年)』では、主人公である総理大臣・黒田啓介の妻、黒田聡子を演じました。
1986年生まれの女優で、第27回ホリプロタレントスカウトキャラバンにてグランプリを受賞しています。
連続テレビ小説『てるてる家族(2003年)』ではゴールデン・アロー賞放送新人賞・最優秀新人賞を獲得し、映画『北の零年(2006年)』では日本アカデミー賞優秀助演女優賞受賞と、経歴も申し分ありません。
コメディ作品では、映画『決算!忠臣蔵(2019年)』で主演の堤真一、岡村隆史らを支えました。
1986年生まれの女優で、これまで『パラダイス・キス(2011年)』『スマホを落としただけなのに(2018年)』『ファーストラヴ(2021年)』などの映画で主演を務めています。
ドラマにも多く出ており、『家売るオンナの逆襲(2019年)』『リコカツ(2021年)』といった作品が最近の出演作です。
コメディ映画では2022年公開の『大河への道』にて、主演の中井貴一をサポートしながらコミカルな演技にも挑戦しています。
1987年生まれの女優で、2000年に東宝シンデレラオーディションでグランプリを受賞し、芸能活動をスタートさせました。
映画『ロボコン(2003年)』『世界の中心で、愛をさけぶ(2004年)』『モテキ(2011年)』といった話題作へ次々と出演し、瞬く間に人気女優の地位を確立させています。
映画『コンフィデンスマン』シリーズには主演で登場し続けており、2022年の最新作『コンフィデンスマンJP 英雄編』でもコミカルな演技を披露し、作品のヒットに貢献中です。
コメディ映画で人気を取るには演技力が必要!
コメディ映画は人気の高いジャンルで、特に邦画のコメディは多くの需要があります。それだけに注目度も高く、また、人を笑わせるには高い演技力も必要なため、出演する役者はいずれも高い演技力を持っている人ばかりです。
ランキングに入った俳優・女優がどういった作品にこれまで登場してきたかを踏まえた上で、培われた演技力に注目して鑑賞してみましょう。