インタビュー

男優1位記念!阿部寛インタビュー

「パワースコア」の算出方法

株式会社アーキテクトが2025年5月に実施したタレントパワーランキングの最新調査での10代から60代の男女の回答における認知度(名前も顔も知っている)と誘引率(「もっと見たい、もっと知りたい」という関心を示す指標)の数値から算出しました。

2025年5月 / パワースコア / 男優

新たな挑戦だった『キャスター』

──タレントパワーランキングは認知度と「もっと見たい、知りたい」という関心度の高さを示す誘引率のスコアをかけあわせて算出されるもので、単に知名度だけではないというのが特徴です。その最新調査で、全年齢の男優の中で阿部さんが1位でした。

こうやって注目していただけるというのは、素直にうれしいです。

──5月に調査が行われたので、阿部さんが主演された日曜劇場『キャスター』の注目度が高かったようです。

注目していただけるのは素直に嬉しいですね。あの役は自分にとってもハードルの高い挑戦でした。実際の事件を想起させる部分もあり、どう切り込むかには悩みましたが、結果として多くの方に観ていただけたのはありがたいことです。

──主人公のニュースキャスター・進藤壮一を演じて、どのように感じましたか。

20代の頃、表現の一環でアナウンスを学んだことがあります。当時は『もっと声を高く、明るく』と言われ、低めの声の自分には無理も感じました。今は年齢を重ね、地声の説得力をそのまま使えるようになった。今回の『キャスター』ではむしろ声の持つ厚みを活かしました。脚本自体も非常に鋭く、忖度なしで切り込む姿勢が貫かれていて、放送できるギリギリのラインを攻めていたと後で聞きました。

──ニュースキャスター役を演じるのは、難しかったですか?

映画『ショータイムセブン』(2025年2月公開)、ドラマ『キャスター』と続けてキャスター役が続きました。昔は最も苦手とするジャンルでしたが、今は自分にとって難しい役柄しか残っていない。舞台でもそうですが、困難な役をあえて選んで臨むことで、長い時間をかけて役と格闘できる。今回もその積み重ねでした。

『俺ではない炎上』では女優1位の芦田愛菜と共演

──9月公開の主演映画『俺ではない炎上』は、SNSで個人情報が晒されて追い詰められる役で、こちらも『キャスター』と同じように社会問題になっているテーマを描いた作品ですね。

『キャスター』では追い込む役でしたが、今回は逆にSNSで犯人に仕立て上げられ、追い込まれる。真剣にやればやるほど滑稽に見える。現代的な風刺の効いた役どころだと思います。崖から落ちるシーンなど撮影は過酷でしたが、それも含めて手応えのある仕事でした。

──山田篤宏監督とは、撮影現場でどのようなお話をされましたか。

浜松での撮影も印象的でした。ふと「うなぎを食べたい」と監督に尋ねたら、すでに10軒以上リサーチしていた。分析力と探究心の深さに驚かされました。信頼できる監督でしたね。

──今回のタレントパワーランキングの最新調査で、女優部門の1位は、映画『俺ではない炎上』にも出演している芦田愛菜さんです。男優1位と女優1位が出演している、注目度の高い映画になりました。

芦田愛菜さんとは初共演でしたが、非常にクレバーで予想以上の存在感がありました。ご一緒する時間は長くはなかったものの、その確かな実力に“1位”という評価も納得しました。

世間での阿部寛のイメージは?

イメージワード/2024年/男女計

──タレントパワーランキングでは、世間がどのようなイメージで見ているのかを調べるイメージワード調査も実施しています。どんなイメージで見られているかというのは、想像がつきますか?

どういうイメージなのかというのは、自分ではわからないです。自分のことは、自分が一番わからないので。さきほど自分のデータを見させていただきましたが、「個性的」や「存在感がある」とかが高かったり、俳優として評価してもらっていて、ホッとしました。「活発な」は、数字が低いですね(笑)。

──落ち着いているイメージが強いのでしょうね。

そうですね。「活発な」や「やんちゃな」は、僕のような年齢になると低くなるでしょうね。「優しい」も低いのは、最近、強い役ばかりやってるからかなと。「包容力」は、もうちょっとあると思いますけど(笑)。「個性的な」が高いのは、いいことです。

──俳優の個性については、どのように考えていますか?

俳優にとっての個性は、その人にしか出せない空気だと思うので。僕は個性的な役が多くて、今までも1つに固まらずにいろんな役を演じてきたので、それに対して個性的だと言っていただけるのは、僕にしかできない役だと判断してくださっているということでもあるので、素直にうれしいですね。

──阿部さんが今後さらに、どのような個性的な役を演じるのだろうかという期待感も強いのだと思います。

最近は深夜とか配信などいろんなドラマがあって、若い俳優の人たちも多くの役柄を演じているので、脚本家にとっても今までないタイプの役を生み出すというのはなかなか難しくなってきてると思います。その中で自分にしか出来ない役をつくるのは刺激的な作業ですね。

──演技に関して、どのように考えながら演じていますか。

ドラマに関しては作品を見た人が一歩前に進んでほしいというのは意識しています。以前『ドラゴン桜』という作品を演じたときに、同じ業界の親御さんから数人に感謝された。そんなに影響力があるのかと驚かされた。ほかの出演作品でも、そのような声を聞くのは素直に嬉しいですね。

海外への挑戦は長年の夢

──最近は映像作品の世界を取り巻く状況も刻々と変化していますが、俳優としての今後について、どのように感じていますか?

ネット配信の作品だったり、映像の世界が広がっているので、そういう世界にも一歩足を踏み出したいなと思います。

──配信ドラマとしては、2022年にディズニープラスの『すべて忘れてしまうから』で主演されましたね(2023年にはテレビ東京系でも放送)。

自分は出演した本数は少ないですけど、たぶん、どこまで表現が許されるのかとか、表現が広がっていく部分があるので、挑戦したいですね。世界も視野に入れて、狭めないで、広く、可能性を探していけたらと思っています。結構色んな役を演じましたが、やったことがないものをもっと探したいですね。

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阿部寛プロフィール

誕生日 1964年6月22日
出身地 神奈川県
所属 オフィスA
公式サイト http://abehiroshi.la.coocan.jp/

映画『俺ではない炎上』

2025年9月26日公開

原作:浅倉秋成
監督:山田篤宏 脚本:林民夫

出演
阿部寛
芦田愛菜 藤原大祐 長尾謙杜
三宅弘城 橋本淳 板倉俊之 浜野謙太 美保純 田島令子
夏川結衣

撮影/スギゾー。

文/高倉文紀
評論家。『日経エンタテインメント!』『日刊ゲンダイ』などで女優・男優の取材や分析を展開しているほか、テレビ番組や雑誌・ウェブニュースにコメントを提供。
https://note.com/tokyodiorama

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