正統派の歌唱と整ったルックス、天然キャラでデビュー2年目からオリコンTOP10常連に
辰巳ゆうとは、1998年1月9日大阪府出身で、中学生の頃に、長良プロダクション主催の「ティーンズカラオケ大会」の優勝をキッカケに、同事務所のスカウトを受け、高校生より本格的に歌のレッスンを開始。そして、2018年1月にシングル「下町純情」てCDデビューを果たし、同年の日本レコード大賞・最優秀新人賞を受賞した。

正統派の歌唱と整ったルックス、そして、しっかりとお辞儀をする礼儀正しさがあり、それでいて天然キャラも入っているというのは生まれ持ってのスターと言えるだろう。現に、デビュー2年目からはオリコン上位の常連となっており、この2023年の6作目シングル「心機一転」でもオリコン最高6位と5作連続のTOP10入りを果たした。2020年以降、コロナ禍により、思うようにライブ会場での即売プロモーションができない中で、セールスは2万枚前後を堅調に推移。その間に歌唱力はメキメキと伸びているので、あとは認知度を伸ばしたいところだ。

タレントパワースコアでは、幅広い年齢層の男性から支持される兆しあり
現在のタレントパワーのスコア(認知度×関心度)を見てみると、全体では3.7ポイントと、TOP10常連のアイドルグループ並みで、まだコアなファン中心に支えられているという状況だ。ただし、そういった熱烈な女性ファンの方は2.4ポイントなのに対し、男性は5ポイントと女性以上に高い。これは、「顔と名前を知っている」なおかつ「歌が流れていたら聴いてみたい」という実力がデビューから6年が経過し、浸透してきたと言えそうだ。実際、女性ファンは20代に突出しているのに対し、男性ファンは10代から50代まで幅広くスコアが出ており、今後に期待される。
- パワースコア_2022年11月調査(男性×年代別)
- (女性×年代別)
2023年の新曲「心機一転」はステージ映えする王道演歌!
2023年の新曲「心機一転」は、前向きな王道演歌。ジャケット写真は、ややチャラさが出ているが(笑)、楽曲の方は堂々と歌い上げているので、これは、テレビ番組やコンサートでもステージ映えすること必至。更なるブレイクを期待したい。カップリング曲の方は、岡千秋らしいリズミカルな応援歌の「一本道だよ人生は」(Aタイプ収録)、人情味あふれるムード歌謡風の「大阪夢あかり」(Bタイプ収録)、そして逆風に耐えながらも飛び続けるというマイナー調の「燕」(Cタイプ収録)と、それぞれに聞かせどころがある。
- シングル「心機一転」Aタイプ
- Bタイプ
- Cタイプ
彼の実力を知るには、コンサートの模様を収録した映像やCDがオススメ!
ただ…、彼の実力をさらに知るには映像ソフト&CDアルバム『辰巳ゆうと コンサート2021~そして、これから~』がオススメ。自身のシングル曲に加え、村下孝蔵「踊り子」、高橋真梨子「for you…」、チェッカーズ「涙のリクエスト」、五輪真弓「恋人よ」といったカバー曲も幅広く聴かせ、さらに三波春夫の長編歌謡浪曲も若者らしい勇敢さがあって、このデビュー4年目にして既にかなりの奥行きを感じさせる。それでいて、トークになると人懐っこい関西弁で、ときおり涙もろさも垣間見えて、放っておけないタイプというのが心にくい。幅広いレパートリーとキャラの立ち方は、彼の先輩となる氷川きよしのデビュー5年目あたりを想起させる。氷川きよしが開拓してきた演歌男子のマーケットを、後輩である辰巳ゆうとが、今後どう受け継いでいくのか、とても楽しみだ。

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うすい・たかし。1968年京都府出身。特技は1975年以降のバースデーソング占い(笑)。地元大学大学院理学研究科修了、専攻は理論化学(だったはず)。総合化学会社、音楽系広告代理店での数値解析やマーケティング実務を経て、05年にT2U音楽研究所を設立。現在は、音楽分析や配信サイトの選曲、コンピレーションや復刻CDの企画のほか、日経エンタテインメント!やfumu fumu news、共同通信加盟社の各地方の新聞等で愛と情熱に満ちたコラムを執筆。Twitterは @t2umusic(よかったらフォローして下さい♪)
☆各種ストリーミングサービスにて大人向けのプレイリスト『おとラボ』を選曲しています♪
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