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12月11日公開の三浦春馬主演映画『天外者』ヒロインの森川葵が田中光敏監督と撮影現場を振り返る

旬の女優インタビュー 対談・森川葵×田中光敏 前篇

12月11日公開の映画『天外者』(てんがらもん)は、幕末から明治初期にかけて実業家として商都大阪の基礎を作った人物と言われる五代友厚を主人公とする物語。五代に大きな影響を与えた遊女・はるを演じた森川葵と、この映画のメガホンを取った田中光敏監督が対談。撮影現場でのエピソードを明かすとともに、本作が遺作となった主演の三浦春馬が見せたやさしい人柄の記憶を2人で語ってくれた。

森川さんは思いの強さを持っている女優(田中監督)

──監督は撮影現場で森川さんの演技を見て、どう感じましたか?

田中光敏 森川さんは思いの強さをちゃんと持っているから、伝えた言葉を自分の中で消化できていないと演技の形にできないと思いました。だから、彼女がちゃんと納得しているか、目を見て確認していました。彼女、すごく細いじゃないですか。だから、いつも「大丈夫? ちゃんと食べてる?」と聞くんですけど、そうしたら「(三浦)春馬さんに背負われるシーンが映画の中にあるので、重くなって迷惑をかけないように」って(笑)。

森川葵 ちょうどその話をしている場所に春馬さんもいらっしゃって、「全然だいじょうぶだよ」と言ってくださいました(笑)。

──森川さんは、今回演じたはるという役についてはどう感じましたか?

森川 監督から言われていたのが「あなた(はる)の言葉が五代友厚にとって、もっと誰もが自由に生きられる世の中を作っていきたいという気持ちに火をつけることになるのだから、あなたがきっかけなんだよ」って。それも、短い時間の中の言葉で、伝えていかないといけないので、大事に演じたいなと思いました。

田中 橋の上で、はるが五代を突き放すセリフを言うシーンのリハーサルをしていた時に、彼女の自由なところを出していったほうが役に近づくような気がしたので、「もっと弾けてください」と言いました。

森川 はじめのうちは、遊女という設定なので、おしとやかに演じていたんです。でも、「もっと強く言っていいんじゃない」と言われて、はるという役が、私が最初に想像していたものとはだいぶ違うものに変化しました。

──映画『天外者』では役や演技について、撮影中に森川さんから監督に質問したり、相談をしたりというのは、よくありましたか?

森川葵 私が質問や相談をする前に、監督の方から私が聞きたいことを説明してくださることが多かったですね。

田中 そういうときに、必ず春馬くんもいて、3人で話していたよね。

森川 撮影も一緒のシーンが多かったので、監督と何かを話す時は春馬さんもいらっしゃいましたね。

田中 彼は、僕たちの話を黙って聞いてるんです。

森川 確かにそうでした。

田中 次に撮るシーンについて説明していると、彼女の頭の中にはその次のシーンの気持ちも入っているから、せつなくてうるうるしてくるので、そういうときに春馬くんが「だいじょうぶ?」と声をかけていました。世代が近い役者さんたちなので、その勢いやアイデアが映画に反映されてました。伊藤博文から手紙が届いて2人が喜ぶシーンも、リハーサルの最初のうちは手を取り合って喜んでいたのが、だんだん役の2人のうれしい気持ちが盛り上がってきて、「抱き合ってもいいですか?」と言われて。その結果、心あたたまるシーンになりました。

後篇に続く

■映画『天外者』

2020年12月11日公開
出演:三浦春馬 三浦翔平 西川貴教 森永悠希 森川葵ほか
監督:田中光敏 脚本:小松江里子
配給:ギグリーボックス
(C)2020映画「五代友厚」製作委員会

 

森川葵(もりかわ・あおい)

誕生日 1995年6月17日
所属事務所 スターダストプロモーション
公式サイト https://www.stardust.co.jp/section1/profile/morikawaaoi.html
公式インスタグラム https://www.instagram.com/aoi_morikawa0617/