旬の女優インタビュー 松岡茉優・前篇
多くの映画やドラマで心に響く演技を見せてきた松岡茉優が、3月26日に公開される映画『騙し絵の牙』にヒロイン・高野恵役で出演。
塩田武士が大泉洋をあて書きした崖っぷち出版社の雑誌編集長を主人公とするベストセラー小説を、『桐島、部活やめるってよ』『紙の月』などの映画を手がけてきた吉田大八監督が映画化。大泉洋の部下に配属された、まっすぐな人柄の編集者を演じた松岡に、映画の撮影現場の様子などを聞いた。
私がやってきたことが、間違っていなかったんだなって思いました
──吉田大八監督の映画には、『桐島、部活やめるってよ』以来8年ぶりの出演になりますね。
今回、監督との面接をせずに出演のオファーをいただいたんです。だいぶ久しぶりなので、私がどういうひとになっているかが、監督はわからないはずですよね。監督にそのことを聞いたら、「作品を見ていたら、わかるから」と言われて。その言葉を聞いて、監督に届いていて、大切な役をいただくことができたのは、8年間のあいだに私がやってきたことが間違っていなかったんだ、良かったなと思いました。
──実際に撮影が始まって、久しぶりの吉田監督の現場で演技をして、いかがでしたか?
『桐島、部活やめるってよ』のときは、がむしゃらで日々を勤めることで頭も心もいっぱいいっぱいでしたが、今回は現場でてんやわんやになることもなく、地に足がついていて、どう演じたらいいのか、作品全体の中でどう見えたらいいのかといったことも、ちゃんとできていたかはわかりませんけど(笑)、自分なりに考えて、頑張ることができました。私も20代後半に入りまして、落ち着きがでてきたのかなと。
──役への準備としては、どのようなことをしましたか?
出版社が舞台で、私が知らない部分も多いので、監督から「こういう本を読んでみて」と渡された本を読んだりしました。今回は実際に出版社での勤務経験がある方がコーチのような存在として撮影現場にもいらっしゃってくださって、何か分からないことがあるとすぐに質問できる体制を作っていただいたので、そのおかげで不安なくできました。
私も本が好きで、本に救われてきたので、私と同世代の若い人たちにも、映画を通じて出版業界の今を知ってほしいです。知ってもらうところから始まることが多いと思うので。
──企業の一員という役は、演じていてどう感じますか?
学生役を演じていた『桐島~』の頃と比べると、大人になったからこそ、いただけた役ですよね。豊かな経験になりました。お医者さんとか、まだ私はやったことがないですけど刑事とか、そういう役は20代後半だからこそできる役なのかなと思います。
──今回のヒロインを演じながら、彼女についてはどう感じましたか?
流されない力を持っているので、うらやましいです。すごく強くて、美しいと思います。
──どういう魅力がある映画だと思いますか?
騙し合いバトルが行われますが、登場する人物が全員、本が好きで、本に対する愛情を持っているんです。だから、見終わった後に爽快感があって、ピュアな気持ちで見ていただくことができると思います。
──今、女優として演じることについてはどう感じていますか?
コロナ禍に入って、この作品も半年以上公開が延期になりましたが、お芝居をして生活ができるというのはどういうことなのかなと見つめなおす1年でした。娯楽はどう存在すべきなのかとか、いろいろ考えました。
後篇に続く
■映画『騙し絵の牙』
2021年3月26日公開
出演:大泉洋 松岡茉優
宮沢氷魚 池田エライザ/斎藤工 中村倫也
坪倉由幸 和田聰宏 石橋けい 森優作 後藤剛範 中野英樹 赤間麻里子 山本學
佐野史郎 リリー・フランキー 塚本晋也/國村隼
木村佳乃 小林聡美/佐藤浩市
原作:塩田武士
監督:吉田大八 脚本:楠野一郎 吉田大八
配給:松竹
(C)2021「騙し絵の牙」製作委員会
松岡茉優(まつおか・まゆ)
誕生日 1995年2月16日
出身地 東京都
所属事務所 ヒラタインターナショナル
公式サイト https://www.matsuokamayu.jp/
公式インスタグラム https://www.instagram.com/mayu_matsuoka_koushiki/