12月4日に公開された映画『夏、至るころ』で原案・監督を手がけている池田エライザは、2013年から2018年まで雑誌『CanCam』の専属モデルとして活躍。女優としては映画『みんなエスパーだよ!』『ルームロンダリング』『貞子』、ドラマ『左ききのエレン』(MBS・TBS系)、『きのうの猫村さん』(テレ東系)、『名探偵で建築を』(BSテレ東・テレビ大阪)などで活躍。抜群の歌唱力をテレビの音楽番組で披露したり、雑誌で連載を持ち文才を見せるなど、多彩な才能の持ち主として知られている。
2020年は学びのある年でした
──好きな映画監督、全作品を見ている監督は?
全部見ていると思うのは、(レオス・)カラックス監督と(ジョン・)カサヴェテス監督です。そういう監督をオマージュするアートな表現もやりたかったんですけど、田川市を撮るという依頼を受けているので、自分がやりたいこととやるべきことを見誤っちゃいけないなって。さっぱりと、そのアイデアは捨てました。超えられるほどのアイデアがあればいいですけど、好きすぎてパクリになってしまう恐れもあるし。
──もうすぐ2020年が終わります。いろいろなことを感じて、考えた1年だったとい思いますが、振り返るとどんな年でしたか?
学びのある年でした。私はガリ勉なので(笑)、勉強ばかりしてました。今までは「女優であるなら、犠牲を払ってでも芝居を選択すべきだ」というちょっと残酷な働き方を自分に課して、100万馬力で仕事をしていて、まわりの人たちが「無理はしないでね」といつも心配してくれていても、「だいじょうぶ、これが仕事だから」と言ってました。でも、24歳になって、親にも「体が強いほうじゃないんだから」と言われて、そうだな、自分の体を大事にしないといけないなと思うようになって。コロナ禍になって、もしもこの先また仕事ができない世の中になったら、仕事だけしていたら何も残らないでからっぽになっちゃうなと感じて。そういうことも、真剣に考えるようになりました。
──最近はどういうことについて調べて、勉強しているのですか?
自発的な次に撮りたい映画の企画として、脳科学や遺伝子学をテーマにしたいなと思って、今いろんな本を読んで勉強してます。映画で社会風刺的なことを伝えたいなら、ちょっと非現実なもの、たとえば、人間がこういう動物だったらというようなことを書いてみるのも面白いんじゃないかなと。
──プライベートでチャレンジしていることは、何かありますか?
最近はコロナ禍の状況もあってなかなか行けていないんですけど、自動車教習所に通ってます。効果測定という模擬試験のようなものがあるんですけど、1から20まで50問ずつの問題が収められている問題集があって、そのうち150問をやってくれば効果測定が受けられると言われましたが、私は不安症で勉強しないと気が済まないので、1000項目全部繰り返し予習して行ったら、笑われました。「全部やった人は初めて見た」と言われて(笑)。
──今回の『夏、至るころ』の舞台は福岡県の田川市でしたが、いつか違う地方や町を舞台にした映画を監督するとしたら、関心がある地方は?
私は北海道に行ったことがなくて。南国生まれの九州育ちですし、寒い地方に行ったことがないんですよね。0度以下というのを、あまり経験したことがない。北海道の独特の文化たったり、民族的なことだったりを知りたいです。九州にうっすらと伝わってきている話ではなくて、アイヌの方がこれからどうしていきたいとか、ほんとうのところの話を聞きたい。あと、新鮮な海鮮丼も食べたいです(笑)。
■映画『夏、至るころ』
2020年12月4日より全国順次公開原案・監督:池田エライザ
脚本:下田悠子
出演:倉悠貴 石内呂依 さいとうなり
安部賢一 杉野希妃 後藤成貴
大塚まさじ 高良健吾 リリー・フランキー 原日出子
配給:キネマ旬報社DD 映画24区
(C)2020「夏、至るころ」製作委員会
池田エライザ(いけだ・えらいざ)
誕生日 1996年4月16日
出身地 福岡県
所属事務所 エヴァーグリーン・エンタテイメント
公式サイト http://www.elaiza.com/
公式インスタグラム https://www.instagram.com/elaiza_ikd/