朝ドラの主題歌は人気が出る?
朝ドラの主題歌に人気の楽曲が多いのは、どういった理由からなのでしょうか?意外と知らない朝ドラ主題歌の魅力の秘密を、整理していきましょう。
物語を印象づける名曲が多い
朝ドラの主題歌には、物語のテーマを表現し、印象付ける名曲が多く選ばれています。当初はそうと気づかないながらも、ふと「この曲はこれを表現していたんだ」と腑に落ちる経験をしたことがある人も多いのではないでしょうか。
単体で聞いても良い曲ながら、ドラマと重なることで魅力を発揮するのが、朝ドラの主題歌に共通する特徴です。物語を理解していく中で、主題歌に隠されたメッセージが徐々にリンクしていき、ドラマの深みがより一層増していくのです。
アーティスト側のメリット
朝ドラの主題歌を手掛けるアーティストには、そうそうたるメンバーが名を連ねています。大御所とも呼ばれるようなアーティストたちが主題歌を手掛けることに対し、「もう十分売れているのになぜ」といった意見が聞かれることも少なくありません。
正確な理由についてはアーティストのみが知るところですが、一説によると「既存ファン以外にも自分の音楽を届けたいから」「自分の音楽が通用するのか試したいから」などの理由があるとされています。
朝ドラへの主題歌提供は、アーティスト冥利に尽きるのはもちろん、一種の腕試しにもなるのかもしれません。
歴代では歌詞がない主題歌も
朝ドラの歴史は、1961年の『娘と私』からスタートしました。意外に知られていませんが、当時の主題歌は楽器だけで演奏されるインストゥルメンタルで、歌は入らないのが一般的でした。
朝ドラの歴史が続いていく中で、徐々に歌入りの主題歌が使われるようになり、2010年以降はほとんどの主題歌が歌入りとなっています。
とはいえ、これから先も今のままの主題歌の形が続いていくとは限りません。時代の変化とともに自然と変わっていくことも、十分に考えられるでしょう。
朝ドラ主題歌を担当した歌手の人気ランキング算出方法
朝ドラ主題歌を担当した歌手の人気ランキングは、株式会社アーキテクトによる独自調査の結果をもとに構成しています。以下、ランキングの詳しい算出方法を解説します。
当社独自の集計方式で算出
朝ドラ主題歌を担当した歌手の人気ランキングは、株式会社アーキテクトが実施する業界最大規模のタレント調査『タレントパワーランキング』によって算出したパワースコアから作成しました。
パワースコアとは、調査の結果に対し、タレントごとの認知度(顔と名前を知っている)・誘引率(見たい・聴きたい・知りたい)を掛け合わせて求めた値です。
今回のランキングは、2023年2〜5月度に行われた調査をもとに作成しています。
朝ドラ主題歌を担当した歌手の人気ランキング
順位 | タレント名 | パワースコア | 調査時期 |
1位 | 宇多田ヒカル | 31.6 | 2023年5月 |
2位 | 星野源 | 30.9 | 2023年5月 |
3位 | 桑田佳祐 | 30.8 | 2023年2月 |
4位 | ゆず | 30.7 | 2023年5月 |
5位 | 福山雅治 | 30.3 | 2023年5月 |
6位 | Mr.Children | 30.2 | 2023年5月 |
7位 | 中島みゆき | 29.7 | 2023年5月 |
8位 | あいみょん | 29.2 | 2023年5月 |
朝ドラ主題歌を担当した歌手の人気ランキングは、ベテランから若手まで、幅広い年代のアーティストが並ぶ結果となりました。以下、それぞれの経歴や代表作を紹介します。
2016年11月、シングル『生きていたんだよな』でメジャーデビューしたシンガーソングライターです。
若い世代から絶大な支持を受け、デビュー後たちまちトップアーティストの仲間入りをし、2018年にはNHK紅白歌合戦への出場を果たしています。
2019年2月には武道館公演を成功させたほか、Billboard JAPAN TOP Artist of the Year 2019、オリコン年間ストリーミングランキング 2019などで1位を記録しました。
朝ドラには、2023年放送の第108作『らんまん』の主題歌として、楽曲『愛の花』を提供しました。
1975年、『アザミ嬢のララバイ』でデビューした、日本を代表するシンガーソングライターの1人です。
同じく1975年に『時代』で世界歌謡祭グランプリを受賞して以降、ドラマ『家なき子(1994年)』の主題歌『空と君のあいだに』や、ドキュメンタリー番組『プロジェクトX 挑戦者たち』の主題歌『地上の星』など、数多くのヒット曲を世に送り出しています。
また、70年代・80年代・90年代・2000年代の4世代においてシングルチャート1位の経験を持つ、唯一の女性アーティストとしても知られています。
朝ドラには、2014年放送の第91作『マッサン』の主題歌として、楽曲『麦の唄』を提供しました。
1992年5月、1stミニアルバム『Everything』でメジャーデビューした4人組ロックバンドです。
1993年のシングル『CROSS ROAD』で知名度を高めると、翌1994年の『innocent world』が大ヒットとなり、オリコン年間シングルランキングで1位を獲得するとともに、第36回日本レコード大賞も受賞しました。
以降、1996年上半期までにリリースしたシングルがすべて100万枚を突破するなど、国民的なバンドの一つとして知られています。
朝ドラには、2016年放送の第95作『べっぴんさん』の主題歌として、楽曲『ヒカリノアトリエ』を提供しました。
1969年2月6日生まれ、長崎県出身のシンガーソングライターです。1990年にシングル『追憶の雨の中』でデビューして以降、音楽活動のみならず、俳優・ラジオパーソナリティ・写真家などマルチな才能を発揮しています。
『桜坂(2000年)』『家族になろうよ/fighting pose(2011年)』などでヒットを飛ばしたほか、俳優としてもドラマ『ガリレオ』シリーズや、NHK大河ドラマ『龍馬伝(2010年)』などの人気作品があります。
朝ドラには、2004年放送の第71作『わかば』の主題歌として、楽曲『泣いたりしないで』を提供しました。
北川悠仁と岩沢厚治によって、1996年に結成された音楽デュオです。路上ライブから活動をスタートさせ、そのパフォーマンスが徐々に評判を呼びました。
1997年にミニアルバム『ゆずの素』でインディーズデビュー、翌1998年に『ゆずマン』でメジャーデビューすると、同1998年『夏色』でブレイクし、以降数々のヒット作を世に放っています。
1998年8月に行われた最後の路上ライブには、大荒れの天候の中、およそ7,000人の観客が駆けつけたことでも話題となりました。
朝ドラには、2013年放送の第89作『ごちそうさん』の主題歌として、楽曲『雨のち晴レルヤ』を提供しました。
1956年2月26日生まれ、日本を代表するロックバンド『サザンオールスターズ』のフロントマンを務めるアーティストです。
1978年、サザンオールスターズとしてシングル『勝手にシンドバッド』でデビューすると、『いとしのエリー(1979年)』『TSUNAMI(2000年)』などでヒットを飛ばしました。
1987年には『悲しい気持ち(JUST A MAN IN LOVE)』でソロデビューを果たし、現在に至るまでグループ活動と同様に数々の名作を残しています。
朝ドラには、2017年放送の第96作『ひよっこ』の主題歌として、楽曲『若い広場』を提供しました。
1981年1月28日生まれ、埼玉県出身のシンガーソングライター・俳優・文筆家です。2010年、1stアルバム『ばかのうた』でソロデビュー以降、多彩な魅力が人気を博し、俳優としての活動も本格化させていきました。
2016年のシングル『恋』が、メインキャストの1人として出演したドラマ『逃げるは恥だが役に立つ』の主題歌として大ヒットすると、2021年には同作で共演した女優・新垣結衣と結婚しています。
朝ドラには、2018年放送の第98作『半分、青い。』の主題歌として、楽曲『アイデア』を提供しました。
音楽プロデューサー・宇多田照實と歌手・藤圭子を両親に持つ、シンガーソングライターです。1998年、弱冠15歳で発表したシングル『Automatic/time will tell』がダブルミリオンを記録しました。
翌1999年にリリースした1stアルバム『First Love』は、累計765万枚以上を売り上げる異例の大ヒットとなり、歴代アルバム売上の日本記録を樹立しました。2010年には休業期間に入りましたが、2016年に活動を再開し、新たな作品を発表しています。
朝ドラには、2016年放送の第94作『とと姉ちゃん』の主題歌として、楽曲『花束を君に』を提供しました。
世界観に合った楽曲を奏でる歌手にも注目
朝ドラの主題歌は、作品の世界観を表現し物語に深みを与えてくれる、ドラマの一部といっても大げさではない存在です。
そんな大切な主題歌を担うのは、それぞれに実績を持つ人気アーティストばかりです。なぜそのアーティストが選ばれたのか、その楽曲は何を表現しているのかを考察してみることで、これまでとはひと味違った朝ドラの楽しみ方ができるかもしれません。