演技力があるイメージが強い女優ランキングの調査方法

アーキテクトが実施しているタレントパワーランキングのイメージワード調査は、そのタレントの名前も顔を知っていると答えた回答者に用意した17のワードの中から3つ選んでもらっています。この調査において、調査対象となっている女優の中で、「演技力がある」を選んだ人の割合が高かった順にランキング化しました。今回は2025年度の最新データを使用しています。

20代女優から杉咲花がランクイン
20位
市川実日子
1978年6月13日生まれ、東京都出身。雑誌『オリーブ』専属モデルなどを経て、1998年に女優デビュー。個性的な存在感が支持されている女優で、初主演映画『blue』でモスクワ国際映画祭最優秀女優賞に輝きました。
バカリズムが脚本を手がけた2025年1月期ドラマ『ホットスポット』(日テレ系)で民放連ドラ初主演。『ドキュメント72時間』(NHK)などのナレーションでも活躍しています。
19位
戸田恵子
1957年9月12日生まれ、愛知県出身。ドラマ『中学生群像』(NHK)で女優デビューし、アイドル演歌歌手としてもデビュー。その後、アニメ『それいけ!アンパンマン』(日テレ系)の主人公の声優として活躍。1990年代後半以降は、三谷幸喜作品やドラマ『ショムニ』(フジ系)で存在感を見せました。
最近では吉岡里帆主演の『しずかちゃんとパパ』(NHK・2022年)、門脇麦主演の『ながたんと青と-いちかの料理帖-』(WOWOW・2023年)、ムロツヨシ主演の『うちの弁護士は手がかかる』(フジ系・2023年)などのドラマでも好演。
18位
二階堂ふみ
1994年9月21日生まれ、沖縄県出身。2007年に女優デビュー。2012年公開の映画『ヒミズ』でインパクトが強い演技が海外でも評価されて、W主演した染谷将太とともにヴェネツィア国際映画祭でマルチェロ・マストロヤンニ賞(新人俳優賞)に輝きました。2020年には窪田正孝主演のNHK連続テレビ小説『エール』でヒロイン役。ヒロインを演じた2023年の『VIVANT』(TBS系)での演技も高評価を得ました。
2024年に配信された米国ドラマ『SHOGUN 将軍』にも出演。2025年9月5日公開の広瀬すず主演映画『遠い山なみの光』に出演しています。
16位
木村多江
16位には2人の女優が同率で並んでいます。1971年3月16日生まれ、東京都出身。1999年放送のドラマ『リング〜最終章〜』(フジ系)で貞子役を演じて注目を集め、2008年に初主演映画『ぐるりのこと。』で日本アカデミー賞最優秀主演女優賞などを受賞。2010年には米・CNNが選ぶ「まだ世界的に名前は売れていないが、演技力のある日本の俳優7人」に安藤サクラらとともに選出されました。
2025年1月期のドラマ『まどか26歳、研修医やってます!』(TBS系)に出演。美術番組『美の壺』(NHK)のナレーションも務めています。
16位
杉咲花
1997年10月2日生まれ、東京都出身。子役出身の女優で早い時期から卓越した演技センスが脚光を浴びて、2016年に公開された映画『湯を沸かすほどの熱い愛』で日本アカデミー賞の新人俳優賞に加えて最優秀助演女優賞も受賞。2020年にはNHK連続テレビ小説(朝ドラ)『おちょやん』でヒロインを演じました。最近の主演ドラマでは、2024年の『アンメット ある脳外科医の日記』(カンテレ・フジ系)で見せた演技が高く評価されました。
2025年4月には映画『片思い世界』で広瀬すず・清原果耶とともに主演。このランキングは30代以上の女優が上位に入る傾向が強くなっていますが、その中で杉咲花は20代女優ではトップの健闘を見せているのが注目に値します。20代女優ではそのほか、29位に富田望生、31位に河合優実、38位に古川琴音がランクインしています。
15位
門脇麦
1992年8月10日生まれ、東京都出身。2011年に女優デビュー。2014年公開の映画『愛の渦』のヒロイン役などでの演技が評価されて、キネマ旬報ベスト・テン新人女優賞などを受賞。菅田将暉主演の『ミステリと言う勿れ』(フジ系・2022年)、主演ドラマ『厨房のありす』(日テレ系・2024年)などでも活躍して、深みのある演技を見せる女優として支持されています。
2025年1月期ドラマ『秘密〜THE TOP SECRET〜』(カンテレ・フジ系)でヒロインを演じました。11月から紀伊國屋サザンシアターで上演されるチェーホフ原作の舞台『狩場の悲劇』にも出演します。
14位
上野樹里
1986年5月25日生まれ、兵庫県出身。2002年に女優デビュー。2004年に映画『スウィングガールズ』で主演して、躍動感のある演技が評価されて日本アカデミー賞新人俳優賞などを受賞。2006年には人気漫画をドラマ化した『のだめカンタービレ』(フジ系)で主演。
2025年1月に放送された『監察医 朝顔2025新春スペシャル』(フジ系)で主演。5月に公開されたアニメ映画『パフィンの小さな島』の日本語版吹き替えでゲスト声優を務めました(主人公の海鳥の母親役)。
13位
黒木華
1990年3月14日生まれ、大阪府出身。京都造形芸術大学映画学科俳優コースで演技を学び、在学中から野田秀樹が主宰するNODA・MAPなどの舞台で活躍。クラシカルな役柄が似合う演技派女優として注目を集め、2014年には映画『小さいおうち』に出演してベルリン国際映画祭最優秀女優賞(銀熊賞)を受賞。印象的な演技を見せた代表作として、2016年の『重版出来!』、2019年放送の『凪のお暇』(ともにTBS系)などを挙げられます。
2025年9月20日から上演される舞台『ここが海』に出演するほか、9月26日公開予定のオダギリジョー監督の映画『THE オリバーな犬、 (Gosh!!) このヤロウ MOVIE』で京都弁をしゃべる生活安全課の刑事役を演じています。
12位
伊藤沙莉
1994年5月4日生まれ、千葉県出身。子役としての活躍を経て、2015年にドラマ『トランジットガールズ』(フジ系)で連ドラ初主演。2017年のNHK朝ドラ『ひよっこ』で注目を集め、2024年放送の朝ドラ『虎に翼』では主演して放送文化基金賞演技賞を受賞しています。
2025年9月12日に主演映画『風のマジム』が全国公開予定(沖縄県では9月5日に先行公開)。10月公開予定の山田裕貴主演映画『爆弾』にも出演しています。

11位
天海祐希
1967年8月8日生まれ、東京都出身。宝塚歌劇団を経て、ドラマや映画で活躍。2021年には主演映画『老後の資金がありません』がヒットして、日刊スポーツ映画大賞・石原裕次郎賞主演女優賞などを受賞しました。
2025年3~5月に上演された舞台『鎌塚氏、震え上がる』に出演。10月31日公開予定の吉永小百合主演映画『てっぺんの向こうにあなたがいる』に主人公の親友の新聞記者役で出演しています。
個性派主演級女優の江口のりこ・趣里・岸井ゆきのもトップ10入り
10位
岸井ゆきの
1992年2月11日生まれ、神奈川県出身。2009年に女優デビュー。2019年に主演映画『愛がなんだ』で注目を集め、2022年公開の映画『ケイコ目を澄ませて』で聴覚障害のプロボクサーをストイックに演じて、日本アカデミー賞最優秀主演女優賞などを受賞しました。
2025年4月期ドラマ『恋は闇』(日テレ系)で志尊淳とW主演。秋公開の映画『佐藤さんと佐藤さん』では宮沢氷魚とW主演します。
8位
尾野真千子
8位には2名が同率で並んでいます。1981年11月4日生まれ、奈良県出身。早くから演技力が高く評価されていた女優で、地元で河瀨直美監督にスカウトされ、1997年公開の『萌の朱雀』で主演デビュー。シンガポール国際映画祭で主演女優賞を受賞しました。2011年にはNHK朝ドラ『カーネーション』でヒロインを演じました。
2025年4月に公開された長尾謙杜主演映画『おいしくて泣くとき』に出演。8月13日に放送されたドラマ『八月の声を運ぶ男』(NHK)に出演しました。
8位
趣里
1990年9月21日生まれ、東京都出身。2011年、『3年B組金八先生ファイナル〜「最後の贈る言葉」4時間SP』(TBS系)で女優デビュー。2018年公開の映画『生きてるだけで、愛。』で高崎映画祭最優秀主演女優賞などを受賞。2022年にはオーディションで選ばれて、NHK朝ドラ『ブギウギ』のヒロインを演じました。
2024年秋のドラマ『モンスター』(カンテレ・フジ系)で主演。2025年7月4日にオンエアされたドキュメンタリー番組『戦後80年僕の日本人助産婦を探して』(NHK BS)でナレーションを担当しました。
7位
吉田羊
2月3日生まれ、福岡県出身。大学在学中に小劇場の舞台で女優デビュー。2007年に『愛の迷宮』(東海・フジ系)でドラマ初出演。2014年にドラマ『HERO』(フジ系)で活躍し、映画『ビリギャル』などで好演してブルーリボン賞助演女優賞などを受賞。
2025年9月5日に公開された映画『遠い山なみの光』に広瀬すずが演じる主人公・悦子の1980年代・ロンドン時代を演じています。報道によると、同作品がイギリスでも公開予定であることを見据えて海外スタッフを含め全会一致で起用が決まったそうです。
6位
平岩紙
1979年11月3日生まれ、大阪府出身。2000年に劇団「大人計画」の新人オーディションで合格して女優デビュー。NHK朝ドラ『とと姉ちゃん』など、多くの作品で個性的な名バイプレイヤーとして活躍。
2025年1月期のドラマ『ホットスポット』(日テレ系)に市川実日子が演じた主人公の幼なじみ役で出演。7月14日放送開始されたドラマ『僕達はまだその星の校則を知らない』(カンテレ・フジ系)では高校で生活指導を担当している教師役を演じます。
5位
寺島しのぶ
1972年12月28日生まれ、京都府出身。1989年に女優デビュー。2003年に映画『赤目四十八瀧心中未遂』などで主演して、力強い演技が注目を集めて日本アカデミー賞最優秀主演女優賞など、映画賞を総なめしました。
2025年4月期ドラマ『ダメマネ! ーダメなタレント、マネジメントしますー』(日テレ系)に出演。6月に公開されてヒットしている映画『国宝』に横浜流星が演じている歌舞伎役者の母親役で出演しています。
4位
大竹しのぶ
1957年7月17日生まれ、東京都出身。1973年に女優デビュー。1975年に映画『青春の門』で本格デビューし、NHK『水色の時』ではヒロイン役として出演。2020年からNHKラジオ『大竹しのぶの“スピーカーズコーナー”』に出演しています。
2025年7月~8月に上演された舞台『華岡青洲の妻』で主演しました。10月~11月に上演予定の主演舞台『リア王』では宮沢りえ・成田凌・生田絵梨花らと共演します。
2位
江口のりこ
2位は同率で2名。1980年4月28日生まれ、兵庫県出身。2000年に柄本明が座長を務める劇団東京乾電池に入団。シリアスからコメディまで幅広いタイプの作品で異色の存在感を見せて注目を集め、2021年にドラマ『ソロ活女子のススメ』(テレ東系)で民放連ドラ初主演。2024年には映画『愛に乱暴』で第34回日本映画プロフェッショナル大賞主演女優賞を受賞しました。
2025年3月31日から放送が開始されたNHK連続テレビ小説『あんぱん』に出演。4月期ドラマ『対岸の家事〜これが、私の生きる道!〜』(TBS系)にも出演しました。
2位
余貴美子
神奈川県出身。1976年にオンシアター自由劇場に入団。2008年に映画『おくりびと』、2009年には映画『ディア・ドクター』で日本アカデミー賞最優秀助演女優賞を2009年、2010年に続いて受賞しています。
2024年には朝ドラ『虎に翼』でヒロインの夫の継母を演じました。2025年5月~7月に上演された舞台『家政夫のミタゾノ THE STAGE レ・ミゼラ風呂』にも出演しました。
1位は朝ドラヒロインとしても活躍した30代女優
1位
安藤サクラ
1986年2月18日生まれ、東京都出身。2007年、父・奥田瑛二が監督を務めた映画『風の外側』で急遽代役として起用されて主演デビュー。多彩な表現力で注目を集め、2012年に公開された映画『かぞくのくに』でキネマ旬報ベスト・テン主演女優賞などを受賞。2018年にはNHK朝ドラ『まんぷく』でヒロインを演じました。
2025年1月期の市川実日子主演ドラマ『ホットスポット』(日テレ系)に東京03の角田晃広が演じた宇宙人の母親役でゲスト出演。日本アカデミー賞授賞式の司会でも活躍。8月にスイスで開催されたロカルノ映画祭パルディ・ディ・ドマーニ部門出品作品『A Very Straight Neck』で主演しています。
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評論家。『日経エンタテインメント!』『日刊ゲンダイ』などのメディアで俳優・アイドルの取材や分析を展開するほか、テレビ番組や雑誌・ウェブニュースにコメントを提供。
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