コラム

ビール類のCMに出演している男性タレントは?調査データと一緒に紹介!

ビール・発泡酒・新ジャンルを含むビール類は、大手メーカー4社(アサヒ、キリン、サッポロ、サントリー)が大きなシェアを占めているジャンルで、各社の定番商品に加えて新商品が毎年次々と発売され、多くの人気タレントをCMに起用しています。

ビール類のCMに出演する男性タレントには、どのような傾向があるのか。日本最大級のタレント調査「タレントパワーランキング」の最新調査から男女・年代ごとの支持の違いや世間でのイメージを分析しました。

ビール類CMの傾向

ビール類のCMはイメージ戦略が商品のヒットに結びつきやすいために出稿量が多く、これまでにも数多くのヒットCMを生んできました。1980年代には人気アーティストの楽曲をバックにタレントが瓶から注いだビールを飲む、イメージ系のCMが目立っていました。その後、商品の主力が缶ビールに移ると、CMで描かれる内容も変化します。

最近の傾向としては、クラフトビールの隆盛もあって味に対する消費者の嗜好が多様化して、出演タレントがビールを飲んだ感想を語るCMが増えています。また、サントリー「生ビール」、キリン「晴れ風」「グッドエール」など、複数の男女俳優が共演するCMが多くなっています。

タレントパワーランキングの調査方法

株式会社アーキテクトでは年に4回(2月/5月/8月/11月)、毎回男女10~69歳の合計4400人に回答を依頼しています。調査しているのは「認知度」(そのタレントを知っているかどうかの数値)、「誘引率」(「知っている」と答えた人に対して、そのタレントがドラマやCMに出ていて観たいと思うかどうかの数値)で、「認知度」と「誘引率」を掛け合わせて、そのタレントが、どれだけの人たちを惹きつけているか、「人気度」を示す弊社独自の指標「パワースコア」を算出します。

また、イメージデータ調査では、タレントのジャンルごとに決められているイメージワードから3つのワードを選ぶ方法によって、そのタレントがどのようなイメージを持たれているかを年に1回調査しています。今回は2025年11月度に実施した調査結果のデータを中心に使用しています。

※年齢・所属グループなどは2026年2月10日時点。

ビール類CMに出演している男性タレント

アサヒ「スーパードライ生ジョッキ缶」

岡田准一

1980年11月18日生まれ、大阪府出身の45歳。1995年にV6(2021年に解散)のメンバーとしてCDデビューしました。俳優としては2002年にドラマ『木更津キャッツアイ』(TBS系)で主演して注目を集め、2015年には日本アカデミー賞最優秀主演男優賞を受賞。2025年は主演に加えてプロデュースを手がけたドラマ『イクサガミ』がNetflixで配信されました。主演映画『SUKIYAKI上を向いて歩こう』が2026年公開予定です。

2023年からアサヒ「スーパードライ生ジョッキ缶」のCMに出演。2025年7月から放送開始された最新CM“最高のひと口目”篇では、缶を開いた瞬間に湧き出る泡を観察した後にビールを飲む姿を描いています。2021年に発売された同商品は当初のターゲットとして打ち出した20~30代から、岡田准一をCMに起用して以降はターゲット年齢をやや上げました。タレントパワーランキングの最新調査を見ると岡田の支持は40代後半以降の年代で高く、最も高いのは50代前半の38.7ポイントで全年齢での27.2ポイントを大きく上回っています。

サントリー「生ビール」

山﨑賢人

1994年9月7日生まれ、東京都出身の31歳。2010年に俳優デビュー。『グッドドクター』(フジ系)、『アトムの童』(TBS系)などのドラマで主演したほか、2020年にシーズン1が配信されたNetflixシリーズ『今際の国のアリス』や映画『キングダム』『ゴールデンカムイ』で主演して以来、若い層で高い支持を集めています。

サントリーが2023年4月に全国新発売した「生ビール」のCMでは、上白石萌音が看板娘として働く定食屋を舞台としたシリーズを展開。現在は上白石のほか、西島秀俊、坂口憲二と共演しています。20代前半から30代前半と50代後半でパワースコアが高い山﨑賢人をCMに起用したことで、若い層をターゲットとした同商品のヒットに貢献しました。イメージワード調査結果をもとに世間でのイメージが近いタレントを最大4名までコンピュータが自動ではじき出す「相似タレント」の1人として、アサヒビールのCMに出演する横浜流星の名前も挙がっています。

キリンビール「一番搾り」

堤真一

1964年7月7日生まれ、兵庫県出身の61歳。ジャパンアクションクラブの団員を経て、映画・ドラマで活躍。2005年に公開されて大ヒットした映画『ALWAYS三丁目の夕日』で主演。最近では2025年後期NHK連続テレビ小説『ばけばけ』に雨清水傳役で出演しました。

キリンビールのCMには1992年から「ラガービール」に起用され、「一番搾り」のCMには2017年から出演しています。2025年7月から小芝風花が出演する「一番搾りホワイトビール」“堤さんからの手紙”篇のCMがオンエアされ、堤真一は声の出演を担当しました。最新のイメージワード調査では、「演技力がある」と答えた人が65.4%で圧倒的に多く、2番目にスコアが高かった「落ち着いた」の37.6%を大きく離しています。演技力が高く落ち着いている俳優というイメージの高さが、ロングセラー商品である一番搾りのCMに起用された要因になっていると思われます。

キリンビール「晴れ風」

目黒蓮

1997年2月16日生まれ、東京都出身の28歳。2020年にSnow ManのメンバーとしてCDデビュー。2022年にはドラマ『silent』(フジ系)で注目を集めました。2026年2月6日公開予定の映画『ほどなく、お別れです』では浜辺美波とW主演しています。

2023年からキリンビバレッジ「午後の紅茶」のCMで活躍。2024年3月に発売され、キリンビールの新商品では過去15年で最大のヒットを記録した「晴れ風」のCMに発売当初から出演。内村光良、天海祐希、今田美桜と共演しています。同商品はこれまでビールを敬遠してきた層にもアピールする商品として打ち出し、若い年代の支持が高い目黒が起用されました。10代に加えて、30代、50代前半など幅広い年齢層で高いパワースコアを示しています。

アサヒビール「スーパードライクリスタル」

横浜流星

1996年9月16日生まれ、神奈川県出身の29歳。2011年に『仮面ライダーフォーゼ』(テレ朝系)でドラマ初出演。2025年はNHK大河ドラマ『べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜』で主演したほか、吉沢亮主演の映画『国宝』でライバルの歌舞伎役者役を演じて注目を集めました。

2025年9月にフルリニューアルされたアサヒ「スーパードライクリスタル」で酒類CMに初めて出演。イメージワード調査では「男前な」「演技力がある」「クールな感じ」のスコアが高く、クールなイメージが、キレのよさで支持されているスーパードライのブランドイメージと親和性があります。

サッポロビール「ヱビスビール」

山田裕貴

1990年9月18日生まれ、愛知県出身の35歳。父はNPB中日ドラゴンズ・広島東洋カープに在籍していた山田和利。2011年に俳優デビュー。2019年放送のNHK連続テレビ小説『なつぞら』で注目を集めました。最近では2025年10月公開の映画『爆弾』で活躍。

2024年からサッポロが発売するプレミアムビール「ヱビスビール」のブランドアンバサダーに起用され、2026年は「幅広い層にいい顔を広げていく」をテーマとしたCMを展開。1月から放映がスタートした“満たされる時間”篇では所属事務所の先輩でもある俳優の加治将樹と共演しています。イメージワード調査結果では「演技力がある」に次いで、「個性的な」のスコアが高くなっています。個性的な演技派俳優としてのイメージが、本物・本質志向を打ち出す同商品のCMへの起用要因として大きいと考えられます。

キリンビール「グッドエール」

鈴木亮平

1983年3月29日生まれ、兵庫県出身の42歳。2006年に俳優デビュー。2018年にはNHK大河ドラマ『西郷どん』で主演。2026年1月期は日曜劇場『リブート』(TBS系)で主演しています。

2025年10月に発売された新ブランド「グッドエール」のCMに綾瀬はるか、Mrs.GREEN APPLEの大森元貴、浜辺美波とともに出演しています。イメージワード調査では「演技力がある」「力強い」「落ち着いた」「男前な」「誠実な」のスコアが高く、明るく力強いイメージがあることが「日本の未来が明るくなるいいビール」をコンセプトに掲げる同商品のCMへの起用につながりました。

サントリー「金麦」

竹野内豊

1971年1月2日生まれ、東京都出身の55歳。モデルを経て、1994年に俳優デビュー。反町隆史とW主演した1997年放送のドラマ『ビーチボーイズ』(フジ系)で注目を集めました。2025年前期NHK連続テレビ小説『あんぱん』にも出演。

2025年から、続投の黒木華に加えてサントリー「金麦」(酒税法上の分類は「発泡酒②」※)のブランドメッセンジャーに加わり、CMに出演中。30代以上(特に50代前半と60代)の支持が高い竹野内を新たに起用することによって、今まで以上に幅広い年齢層へのアピールを狙っています。

※「金麦」「金麦糖質75%オフ」はともに2026年10月から分類がビールに格上げされることが既に発表されています。

サントリー「金麦糖質75%オフ」

仲野太賀

1993年2月7日生まれ、東京都出身の32歳。2006年に俳優デビュー。ドラマ『今日から俺は!!』(日テレ系)、『いだてん〜東京オリムピック噺〜』(NHK)、『新宿野戦病院』(フジ系)などで活躍。2026年度のNHK大河ドラマ『豊臣兄弟!』で主演しています。

2026年1月5日から放映がスタートしたサントリー「金麦〈糖質75%オフ〉」のCMに登場。商店街を歩き、コロッケを片手にビールを飲む“誘惑の商店街”篇がオンエアされています。イメージワード調査では「演技力がある」「個性的な」に加えて、「面白い」「落ち着いた」「優しい」「誠実な」のスコアも高く、優しい雰囲気がヘルシー志向の商品イメージに合致します。

サッポロビール「黒ラベル」

妻夫木聡

1980年12月13日生まれ、福岡県出身の45歳。1998年に俳優デビュー。2009年にはNHK大河ドラマ『天地人』で主演。2025年10月期のドラマ『ザ・ロイヤルファミリー』(TBS系)でも主演して話題を集めました。

サッポロビールの主力商品である「黒ラベル」のCMに2010年から出演。各年齢を代表する「魅力ある大人たち」をゲストに迎えて対話する「大人エレベーター」シリーズを展開して、2026年は松任谷由実と共演しています。日曜劇場での主演の効果もあって、40代前半男性の認知度が2025年8月度の58%から11月度は80%まで上昇しています。

まとめ

ビール類のCMは、購買層の主力となる40代以上に認知度が高い、同世代に当たる40~60代の男優が出演しているほか、最近は各社とも若年層での売上アップを目指していることから20~30代の男優も起用されています。

イメージワード調査で「演技力がある」のスコアが高い男優が出演することが多く、幅広い年代の男女にアピールするため、NHK大河ドラマで主演したことがある男優の起用も目立ちます。

また、最近は各社が複数の新商品を市場に投入していますが、商品の種類によってCMに起用される男性タレントのタイプは異なっています。落ち着いた大人の雰囲気があるCM内容になることが多いプレミアムビールにはイメージワード調査で「個性的な」「落ち着いた」のスコアが高い男優が起用され、健康意識が高まってシェアを伸ばしている糖質ゼロ・オフのビール類には「優しい」「誠実な」のスコアが高い男優が起用される傾向が見られます。

☆タレントパワーランキングを活用して、キャスティングにぴったりなタレントを見つけてみませんか?

毎回1280名のタレントについて調査しているタレントパワーランキングのデータを精査すれば、「いま、ビール類のCMに起用すると効果的なタレントは誰なのか」が見えてくるはずです。

タレントパワーランキングでは、ビール類のCMに出演しているタレントの年代別認知度やタレントパワーを知ることができるほか、既にCMに出演しているタレントに世間でのイメージが似ている相似タレントをコンピュータがはじき出す機能もあります。

 

文/高倉文紀

評論家。『日経エンタテインメント!』(日経BP社)、『時事年鑑』(時事通信社)、『C&Bまるごと1冊CM美女』(晋遊舎)、『CMアイドル名鑑』(ぶんか社)などでCMタレント・広告に関する記事を執筆してきた。現在はタレントパワーランキングのウェブサイトで執筆を担当するほか、『日刊ゲンダイ』などの新聞・雑誌・ウェブサイトで俳優・アイドルの取材やタレント市場分析を展開している。