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『ドラゴン桜』でブレイクした細田佳央太を徹底分析。 イメージワードの1位はダントツで「○○○がある」

2021年、「カメレオン」ぶりが話題になった男優といえば、細田佳央太だろう。4月期の連続ドラマ『ドラゴン桜』(TBS系)に高橋海人、南沙良、平手友梨奈、鈴鹿央士らとメインキャストに選ばれて注目を集めたが、さらに反響を呼んだのは、その変貌ぶり。坊主頭になり、体重を13㎏も増量して画面に登場したときは、それが細田とは分からないほどだった。

演じたのは、発達障害を抱えながらも天才的な能力を持ち、昆虫が大好きな心優しい少年という、レイヤーがいくつも重なった難役。この「原健太」を1クール見事に演じきり、一躍脚光を浴びた。

『ドラゴン桜』以降、公開ラッシュで上昇気流に

『ドラゴン桜』の放送終了後、8月に公開されたのが、映画『子どもはわかってあげない』だ。沖田修一監督(『南極料理人』『横道世之介』)のもとで演じたのは、上白石萌歌演じる主人公と意気投合する書道部の門司昭平。この「もじくん」をマッシュルーム風のヘアスタイルで演じ、さわやかな輝きを放っていた。

本作は『ドラゴン桜』の追い風に乗って公開されたこともあり、プロモーションではバラエティにも引っ張りだこ。『ウチのガヤがすみません!』(日テレ系)、『突然ですが占ってもいいですか?』(フジ系)など人気番組に出演が相次いだ。9月に入ると、『ZIP!』(日テレ系)の金曜パーソナリティーに。細田の「ブレイク感」とともに、ピュアで優しい素顔も印象付けた。

10月期のドラマ『恋です!』で全盲の高校生役に挑戦

ドラマ出演も相次いだ。9月には、2週連続で放送された『バンクオーバー!〜史上最弱の強盗〜』(日テレ系)に出演。前編では、長髪&髭&ズタボロの衣装で「謎の男」として登場し、「細田佳央太くんだと気づかなかった!」「振り幅すごい」とSNSで話題に。その理由が明らかになった後編では、思わぬ展開やラブストーリーで感動を呼んだ。

10月からは、杉咲花主演の『恋です!〜ヤンキー君と白杖ガール〜』(日テレ系)に出演中。杉咲花演じる弱視のヒロインのクラスメイトで、生まれつき全盲の青野陽太役を好演しており、また評価を高めそうだ。

石井裕也監督作『町田くんの世界』の主演に大抜てき

細田は現在、19歳。4歳のときから芸能活動を開始し、7歳のときに現在の事務所・アミューズに所属した。以降、17年に『先に生まれただけの僕』(フジ系)、18年に『FINAL CUT』(カンテレ、フジ系)、18〜19年に特撮ドラマ『魔法×戦士 マジマジョピュアーズ!』(テレ東系)に出演するなどしてきた。

転機となったのは、高校1年生のときにオーディションを受けた映画『町田くんの世界』(19年/ワーナー・ブラザース映画)だ。人気監督・石井裕也(『川の底からこんにちは』『舟を編む』)が、1000人を超える参加者の中から、主演に細田を大抜てき。困った人を見ると放っておけない、真面目一直線の高校生・町田一役がハマった。本作の熱演が評価され、ブルーリボン賞や報知映画賞、毎日映画コンクールなどの新人賞にノミネートされた。

そして20年には、ドラマ『さくらの親子』(東海テレビ、フジ系)の第3シリーズや、黒木瞳監督の映画『十二単衣を着た悪魔』(キノフィルムズ)などに出演。21年には、1月公開で大ヒットした『花束みたいな恋をした』(東京テアトル、リトルモア)に出演し、主人公2人(菅田将暉、有村架純)がファミレスで目にする初々しいカップル役を清原果耶とともに演じた。また4月には、月9ドラマ『イチケイのカラス』(フジ系)の第4話に登場。5月からはMBSの連ドラ『ラブファントム』に出演し、『ドラゴン桜』とともに飛躍した。

イメージワードは「演技力がある」がダントツの1位に

細田のタレントパワーは、2021年8月に調査を開始。その結果を見ると、認知度は13.4%、「見たい、知りたい」の関心度を示す「誘引率」は80.3%だった。そして認知度に誘引率を掛け合わせた「タレントパワー」は6.2%となっている。タレントパワーを男女別に見ると、男性4.3%、女性8.2%と女性からの支持が特に高い。女性の中でも最も数値が高い世代を調べると、25〜29歳だった(16%)。

イメージワード調査の結果を見ると、「演技力がある」が最も高く63.3%。「演技力がある」が10代でこれほど高いのはまれなケースと言えるだろう。2位は「優しい」で37.4%、3位は「個性的な」で27.9%。これらは『ドラゴン桜』の原健太役の効果が大きいかもしれない。以降、4位は「さわやかな」、5位は「誠実な」、6位は「落ち着いた」となっている。

ちなみにイメージワード調査の結果を男女別で比較すると、どちらも1位は「演技力がある」だが、2位は男性で「個性的な」、女性では「優しい」が突出している。同性には「個性」が、異性には「優しさ」が大きな魅力として映っているようだ。さらにイメージワードが近い「相似タレント」を調べると、妻夫木聡、林遣都、須賀健太、浅利陽介らの名前が挙がった。いずれもキャリアのある「演技派」ばかりだ。

21〜23歳で受賞? 今後の細田佳央太の行方は?

10月15日からは、自身2作目となる音声ドラマ『脱出カプセル』がサブスクリプションサービス「NUMA」で配信中。宇宙を舞台にしたSF密室劇という難易度の高いドラマに挑んでいる。12月には20代になる細田。このまま演技力を磨いていけば、映画やドラマの主演で常連となり、いずれは映画賞を受賞……となりそうだが、前述の『突然ですが占ってもいいですか?』で占い師・星ひとみに「21〜23歳が勝負時。たぶん賞を獲れるよ」と予想されていた。さて、その実現はいかに?

 

細田佳央太(ほそだ・かなた)

誕生日 2001年12月12日
出身地 東京都
所属事務所 アミューズ
公式サイト https://www.amuse.co.jp/artist/A8395/
公式インスタグラム https://www.instagram.com/kanata_hosoda_official/
公式ツイッター https://twitter.com/KanataHosoda/

文・泊 貴洋