女性タレント

伊藤沙莉インタビュー(後篇) ずっと「親しみやすい」でいられたら

2020年は、Netflixドラマ『全裸監督』やテレビアニメ『映像研には手を出すな!』などの演技が評価され、ギャラクシー賞個人賞を受賞。『これは経費で落ちません!』の演技で東京ドラマアウォード助演女優賞を獲得するなど、躍進の年となった伊藤沙莉。後篇では、そのタレントパワーを紹介していく。

2020年に認知度やタレントパワーが急上昇

タレントパワーランキング/伊藤沙莉/時系列/2020年8月度~過去2年

——タレントパワーランキングでは、4ヶ月に1度、約1000人の方に「伊藤沙莉さんのことを知っていますか?」「伊藤沙莉さんのことを知りたいと思いますか?」というふうにアンケート調査をしています。

えー、こわっ! 怖いです(笑)。

——認知度を見ると、2年前から少しずつ上がり、今年に入ってグッと跳ね上がっています。

ああ、ホントだ。

——それに比例して、認知率に誘引率を掛け合わせた「タレントパワー」も急上昇しています。今年の急上昇の要因は、何だと思いますか?

ああ〜、『全裸監督』じゃないですか? 現場とかいろんなところで「見ました」とすごく言われたのが、『全裸監督』なんです。あとは『映像研には手を出すな!』。だから、その2つはかなり大きかったのかなと思います。地上波のドラマでは、『いいね!光源氏くん』や『これは経費で落ちません!』(19年)、『獣になれない私たち』(18年)もよく「見たよ」と言われましたね。最近、今の時代に合っていたり、肩の力を抜いて見られるドラマに携わる機会に恵まれたというのが、大きかったんだと思います。私がというより、出ている作品なんだと思います。

——CMも急激に増えました。今年はマクドナルド、サントリー伊右衛門、メルカリ、東京ガス、TVerなどなど、大活躍でした。

不思議ですよねぇ。本当に縁が無かったんですよ、CMは特に。でも、1回やると違うのかな。今でも流れが分からない。分からなですし、すごく分かりやすい世界だなと感じます。

——流れが来ている、という実感は?

うーん、どうなんだろう。前と比べればという感じです。

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——タヌキからウサギに脱却したような気持ちは?

私はタヌキはタヌキで、ずっと変わらないと思います。ただ、ひねくれタヌキではなくなりました。そして世の中には、ウサギの人よりタヌキの人が多いと思うんです。私がやらせていただくのは、『タイトル、拒絶』のカノウもそうですし、『いいね!光源氏くん』の沙織もそうですし、タヌキ側の人間が多い。だから共感が生まれる、ということなのかなと思います。

イメージ上位は「演技力」「個性的」「親しみやすい」

タレントパワーランキング/伊藤沙莉/イメージワード/2020年

——タレントパワーランキングでは、イメージワード調査も行っています。「伊藤沙莉さんはどういうイメージですか?」と聞いて集計結果を出していて。

こわーい、また怖いです(笑)。

——グラフを見ると、「演技力がある」「個性的な」「親しみやすい」が突出しています。

おっ、意外と「セクシーな」がありますよ! 最近ちょっと、兼ね備えてきたかな(笑)。

——(笑)。このイメージワードがうれしいっていうのはありますか?

お芝居をやらせていただいているので、「演技力がある」が一番うれしいですね。「親しみやすい」も、よく言っていただけますね。そういう役柄が多いからかなとは思います。あと「個性的な」もうれしいです。だからといって「個性派俳優」という言葉はよく分からないんですよね、私は。

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——よく「個性派女優」って呼ばれますよね。

「個性派」「実力派」「演技派」。そういう「正統派」じゃない方の言い方ですね。その派閥がいるのか?みたいなのはよく思います。でも、その「派」を取って、こんなふうに「個性がある」「演技力がある」と、意見として言っていただけるのはすごくうれしいな。

——ちなみにイメージワードが似ている「相似タレント」としてはじき出されたのは、吉高由里子さん、木南晴夏さん、富田望生さんといった方々でした。

へえ〜、吉高さんは意外かも。

——伊藤さんが、「この人にはタレントとしてパワーを感じる」という人はいますか?

森田望智です。『全裸監督』でずっと一緒で、最近、『全裸監督2』を撮っているのですが、空気を「バン!」と作ってくれるんですよ。「この子は、すごい力を持ってるな」と毎回思います。引っ張られますし、その世界に必ず連れていかれますし、何よりも、お芝居を見ていて飽きない。私は彼女のお芝居が大好きで、たまに自分が順子という役だと忘れて見入っちゃうくらいなんですね。「やばっ、私のセリフでした」みたいなことがよくある(笑)。「天才が出てきちゃった!」という感じがします。

——次々に新しい才能が出てきますが、ご自身は今後、どういう女優になりたいですか。

私はずーっと「親しみやすい」と思ってもらえればいいと思います。

——……それだけ?

ビッグマウスじゃなくて、すいません!(笑)。

 

伊藤沙莉(いとう・さいり)


誕生日 1994年5月4日
出身地 千葉県
所属事務所 アルファエージェンシー
公式サイト http://www.alpha-agency.com/artist/post-2.html
公式ツイッター https://twitter.com/SaiRi_iTo
公式インスタグラム https://www.instagram.com/itosairi/
公式ブログ https://lineblog.me/itosairi/

 

映画『タイトル、拒絶』


2020年11月13日から全国公開
監督・脚本:山田佳奈
出演:伊藤沙莉、恒松祐里、佐津川愛美、片岡礼子、でんでん、モトーラ世理奈、池田大、田中俊介、般若
ヘアメイク AIKO
スタイリスト 吉田あかね

配給:アークエンタテインメント
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