連載

THE RAMPAGE 陣のミリオンカラー Vol.1:狩野英孝さん

今回から始まった『THE RAMPAGE陣のミリオンカラー』
この連載は、THE RAMPAGEのパフォーマー兼グループのリーダーでもある陣が、様々な分野で活躍する方との対談で、自身も成長しようという企画だ。

第1回のゲストは、お笑い芸人のほかYouTuber、シンガーソングライター、ゲームのアンバサダー、ふるさと大使など多方面で活躍している狩野英孝(かの・えいこう)さん。

ここ数年で、テレビやラジオ、インターネット番組などの司会や、バラエティー番組への出演、雑学日めくりカレンダーの発売など多岐にわたって活動し始めた陣にとっては、まさに絶好の対談相手と言えよう。今回は、その秘訣に迫ってみた。

学生時代の憧れは、とんねるず、ダウンタウン、ウッチャンナンチャン

:狩野さん、まずは、ご結婚おめでとうございます!

狩野英孝さん(以下、狩):ありがとうございます!最近は、芸人仲間の間でも、子どものことや、健康に関することが話題になってきて、あらためて、第二の人生を見つめ直すようになりましたね。

:どうぞ末永くお幸せに!

さて、ここからは、どのように芸人人生を歩んでこられたのかお尋ねします。小さい頃から、お笑いが好きだったんですか?

:はい!とは言っても、自分が小さい頃は、東北にそういった文化がなくて。地元に(宮城県栗駒町ご出身、現在の栗駒市)に年1回、芸人の方が来るかどうかで、テレビのお笑い番組で、とんねるずさん、ダウンタウンさん、ウッチャンナンチャンさんを観るくらいでした。学校でもドラマ『金八先生』シリーズの方が人気で、お笑いを話題にする仲間はいなかったですね。

:周りに東京や大阪へ行く芸人志望の人もいなかったんですね。

:ええ。でも、とんねるずさんって、歌で紅白歌合戦にも出て、ドラマや映画にも出て、ファッションショーのランウェイにも出て、マルチで活躍されるってすごいな、ああいう風になれたらという想いはありました。

それで、演技、歌、ダンス、お笑い、といろんなカリキュラムがあって、しかも出身者に当時から色々と活躍しているウッチャンナンチャンさんがいたので、高校卒業後、3年制の日本映画学校に入ったんです。

:具体的に芸人を目指されたのはいつですか?

:21歳からですかね。お笑いの授業を受けてから興味がわいてLIVEに初めて行ったんですよ。そこで、いとうあさこさんやナイツさんを観て、お笑いってホントに面白いと思い、完全に心を動かされました。

:でも、映画学校だったら、大半は役者さんや映画の制作志望の方ですよね…。

:そう、周りは皆「“お笑い”は学生生活の想い出作りでしょ」みたいな雰囲気で、仲間がいなかったので、一人で芸人を目指すことになりました。

:そういうキッカケだったんですね!僕も小さな頃から、『エンタの神様』で狩野さんを観させていただいてたのですが、人気者になられたのは何歳からですか?

: 27歳ですね。それまでは、仕事はLIVE以外ありませんでした。

同じネタでも見た目を変えたらブレイクのキッカケに!

:そのブレイクの手ごたえはあったんですか?

:自分の中で、これだ!と思ったことがあります。

僕は、当初からナルシストのキャラで売ってたんですが、なぜかもう少しのところで落ちるのが数年続いて。何年か経ったある時、自信のあるネタでテレビのオーディション番組を受けたけど、やっぱり落ちてしまったんですね。

でも、その後、別のテレビ番組が始まるというのでまた同じネタを持ってオーディションを受けに行ったら、同じ審査員の方がいて。同じネタなんだし、こりゃダメだ…と思っていたら、なぜか大ウケで!

:えぇっ!、それはどうして?

:実は、一コだけ違うことがあって。

それまでは、成人式の時におばあちゃんに買ってもらった紺のスーツでやってたんですけど、心機一転と思い、白いスーツの胸に薔薇を挿して同じネタをやったんですね。そうしたらプロデューサーの方が、前回と全然違うものになっていて、面白い!って出してもらった番組が、『爆笑!レッドカーペット』なんですよ。

そこで衣装や外見で、こんなに反応が変わるんだって気づきました。

:やっぱり目からの情報って大事なんですね!

:それまでは、カネもないし、ネタさえ面白けりゃいいだろ、ってトガってたんですけどね。楽屋に来る格好でそのまま舞台にも出ていたけど、今から考えたら、あれは手抜きでした。

スーツもシワシワで、雑に扱っていたし。でも、ネタだけじゃ限界が来ていて、あと変えるとしたら…って気合いを入れて見た目も変えたのが当たりました。

:どこかの段階でコンビをやろうという気持ちはなかったんですか?

:その気持ちはあったんですが、うちの事務所のオーディションは、最初からネタを作る必要があり、仲間のいないままピン芸人から始めたんですよね。でも、半年後に受かってLIVEに出られるようになっても、最初の拍手がピーク。あとは、ネタを披露してもシーンとしていて。

あれっ?人ってこんなに笑わないもんなのって、換気扇やエアコンの音だけが聞こえてきて、心折れそうな日が何年も続きました。

: LIVEって生ものですから難しいですよね。僕らも、ダンスのスキルによって、大きく動いたり、バリエーションを増やしたり工夫するのですが、場所が変わればお客様も変わるので、どう変えればいいかって指標が分からなくて悩むことがありますね。

:そうですよねえ。なんでこんな苦労をしてまで続けてるのかなって思うこともありますね。

生まれもってのナルシスト、日常はすべてお笑いのフィルターを通して

:それでも、続けたいというモチベーションはなんだったんですか?やっぱり、お笑いが好きだから…。

:そうですね。あとは、ナルシストをネタにしてるけど、僕、実は根っからのナルシストなんですよ(笑)。昔から電車に乗っても座らずに窓ガラスで自分の顔を見てたし、中学生からサングラスをかけて学校に行ってたほど。だから普段でもキャラは崩れることがなくて、そこはラクでしたよね。

:確かに分かります!僕もモテたいからダンスを始めたし、イヤホンで音楽を聴いて歩いている時でも、人に見られたい(笑)。でも、ナルシストな要素は大事ですよね。実際によくおモテになられたんですか?

:それがモテたんですよ~(笑)。高校時代は、弓道部の試合にも出たし、バンドで髪を金髪にもしたし、あれがモテ期のピークでしたね。その頃から、L‘Arc~en~Cielさんが大好きで、ずっと聴いていて、LIVEやMUSIC VIDEOでhydeさんが歌う時の歩き方や手ぶりなどもマネしていました。

それが、「僕、イケメン」の芸風や、50TA(フィフティーエー)としての音楽活動に繋がっているんですよ。

:それは本当にスゴイですね!僕は、芸人さんを心からリスペクトしているのですが、芸人さんはやっぱり日頃からアイデアのためにアンテナを張っているんですか?

:それはありますね。僕も、いつからか、CMを観ていても雑誌を読んでいても、「もしも、この人がナルシストだったら…」って意識していますからね。

もし、ラーメン店主がナルシストだったら「ラーメン、つけめん、僕、イケメン」とか、もし教習所の先生がナルシストだったら「右見て、左見て、僕を見て」とかね。

:つまり、日常からお笑いのフィルターで情報が入ってくるんですね。

:今やっている“クセがあり過ぎるデュオ”なんかも、高校時代の記憶がもとになっています。たまにミュージシャンの方って、LIVEでCD通りに歌わないことあるじゃないですか。あれってレア感があるし、凄く嬉しかったんですよ。

それで、同じことをカラオケBOXでやってみたら、友達が食いついてくれて。あと、ゆずさんに憧れて仙台の街中で路上LIVEをやった時も、例えば「翼をください」をわざと外した方がウケたりして。

:へぇーーー!ということは、高校時代から既に見抜いていたんですね。ナルシストでカッコいいことをやりつつ、ちょっと面白いこともやるから、そのギャップで多くの人が惹きつけられると。スゴイなぁ

:有難いことにそこをイジってくださる先輩方にも恵まれていますね。

:いや、ほんとにスゴイです。そういうのを経て、今後もチャレンジしたいことってどんなことですか?これまでも、YouTuber、ミュージシャンとお笑い以外も沢山なさっていて素晴らしいのですが。

:コロナ禍になって、やっぱりLIVEをやりたいって強く思いました。昔は、それしか仕事が無くて、早く卒業したいなって思っていたのに。でも、サンドウィッチマンさんなど先輩方も同じ考えですよ。

あと、ゲーム実況も、最近やらせてもらっているのですが、今まであまり興味が無かったのに、いざやってみたら、「うわっ!難しい!こんなにずっと喋りっぱなしでプレイしながら、観ている人を楽しませるなんて、みんなスゲーな!」って気づきました。だからいつか、よゐこの有野晋哉さんみたいに、大会場を満杯にしたゲーム実況もやれたら最高じゃん!って思っています。

:僕もそれ観に行きたいです!

今のイメージは「天然」「間が抜けて面白い」…いつか「トークが面白い」を1番にします!

-ここで、タレントパワーランキングで調査したイメージワードについてもお尋ねします。

狩野英孝さんの場合、

1位 「天然な感じ」(62%)と、2位「間が抜けていて面白い」(60%)が飛び抜けていて、3位に「一発屋の予感」が35%、そして4位に「トークが面白い」が22%と続きますが、これについてどのようにお考えですか。

:その「天然」「間が抜けて面白い」はよく言われるんですが、僕としては、言い間違いをしてしまうのはイヤなんです。

もしオチまで喋れたら、こんなもんじゃないよ、俺の実力は!!って。本番で噛んでしまって大ウケして、ディレクターさんからも「いやぁ、今日は面白かったよ」って褒められても、反省しています。

昔、1回だけ、本当に1回だけ「そんなに失敗して面白いなら、練習なんかしないでいいや」って開き直って本番に行ったら、言い間違いしても噛んでも全くウケなかったんですよ。

:準備しているからこそ、本当はもっとできると、本気で抵抗するのが面白いと。

:そう、だから「トークが面白い」を1位にしたいという気持ちをずっと持っています!

:3位の「一発屋の予感」というイメージとは真逆に、実際は第一線で長く活躍されていますよね。

:でも、この18年間で、その「一発屋」にも法則があることが分かってきました。「一発屋」と呼ばれる人でも、「誰が一発屋だよ!…明日から5連休だけど(笑)」と笑いに変えるタイプと、「あ…でも、事務所から給料もらってるし、別に余裕ありますから」って低いトーンで話すタイプに分かれる傾向があって、その笑いにできる人はずっと呼ばれている感じがしますね。

だから、「イジってくれてありがとう」って思っています。

:やっぱりそこに熱意があるんでしょうね。実際、お笑いに対するポテンシャルも落ちていない。だからこそ、いろんなことにもチャレンジできるんですね。

最後に読者の方にメッセージをお願いします。

:今のイメージ1位&2位の「天然」「間が抜けている」と、「トークが面白い」は、今後、逆転させてみせるんで、見ていてくださいよ!いつか、ゴールデンでも冠番組を持つ日も来ますから!

:ありがとうございました!!

(対談を終えて)

:ということで、連載『THE RAMPAGE陣のミリオンカラー』、第1回のゲストは狩野英孝さんでした!

僕自身、お笑いが大好きなんですが、そんな狩野さんのこれまでの経験や活動、そして想いを直接聞かせていただいて、真摯に向き合っている人の強さ、それでいて面白さを実感しました。次回もよろしくお願いいたします!!

(取材:人と音楽をつなげたい音楽マーケッター 臼井孝)

「狩野英孝 プロフィール」

1982年2月22日生まれ、宮城県出身。2003年よりピン芸人として活躍、「ラーメン つけ麺 僕、イケメン!」を決め台詞とするホストネタで一躍ブレイク。2008年からは『ロンドンハーツ』の番組企画で、50TA(フィフティーエー)というアーティスト名でCDデビュー。CDはオリコン最高9位のヒットに。2019年末にYouTuberとして活動開始。芸人やシンガーソングライターとしての顔のほかに、ゲーム実況や初心者向け料理でも人気を博している。また、みやぎ夢大使として、観光や特産品のPRにも積極的。

 

「陣 (THE RAMPAGE from EXILE TRIBE) プロフィール」

1994年4月28日生まれ、大阪府出身。2017年1月25日にシングル「Lightning」でメジャーデビューしたTHE RAMPAGE from EXILE TRIBEのパフォーマー兼リーダー。1000個以上の雑学を身につけていることから、2020年末には「まいにち、陣!じんじん雑学カレンダー」を発売。7月1日から、全17公演となるTHE RAMPAGE LIVE TOUR 2021 “REBOOT”~WAY TO THE GLORY~が開催!

・SSTV「ライブを100倍楽しむLIVE YEAH!!!」
VJ(隔週金曜日22:00~23:00)

・bayfm「WEEKEND THE RAMPAGE」
MC(毎週金曜日21:00~21:30)

・TOKYO FM「JUMP UP MELODIES TOP 20
supported by GinzaSonyPark」
MC(毎週金曜日12:00~14:55)生放送

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