女性タレント

新たな6声の魅力に納得!幅広いファン層が強みになるか?Little Glee Monster

最強歌うま少女グループとして2014年にメジャー・デビュー

Little Glee Monster(通称「リトグリ」)は、2023年現在、かれん、MAYU、アサヒ、そして2022年11月に加入したミカ、結海、miyouの6人からなる女性ボーカルグループ。もともと、レコード会社のソニー・ミュージックレコーズと芸能事務所のワタナベエンターテインメントが組んで『最強歌少女オーディション』の合格者から2012年7月に結成され、2014年10月シングル「放課後ハイファイブ」にて当時6人組としてメジャー・デビュー。

2015年の4thシングル「好きだ。」が高校の合唱部を舞台としたドラマ『表参道高校合唱部!』の主題歌に起用されCDシングルがオリコン最高6位、ダウンロードも10万件突破のヒットとなり、ブレイク。

NHK紅白歌合戦に4年連続で出場、異なるテイストの楽曲のメッセージも伝える

以降、ヒットチャートの常連となり、2017年には日本武道館のワンマンライブが成功、同年末のNHK紅白歌合戦に初出場を果たし、この年から「好きだ。」「世界はあなたに笑いかけている」「ECHO」「足跡」と、ドラマ主題歌、コカ・コーラCMソング、ラグビーW杯番組テーマ曲、NHK音楽コンクールの課題曲と、4年連続でヒット曲を『紅白』で歌唱してきた。この4曲だけでも、胸キュン系ラブソング、爽快ポップス、パワフルなエールソング、若い世代の葛藤を描いたメッセージソングと、全くテイストが異なるのに、単に譜面通り歌えるだけじゃなく、言葉もしっかりと伝えられるのがリトグリの大きな強み。アルバムのボーナスCDやライブではカバー曲もふんだんに収録しており、まさに“Glee Monster”っぷりを存分に発揮してきた。

ただ、順調にキャリアを積む一方で、2017年に麻珠が無期限休止を経て、2022年に芹奈とmakanaが体調不良を経てそれぞれ脱退し、ここ数年間は、3人や4人で活動することが多く、リトグリならではの優しくも力強いハーモニーのバランス感覚をどうにか個々のメンバーで精一杯補おうとしている様子が随所に見られた。

第2章となって初のEP『Fanfare』初回盤A(CD+BD)

2022年11月、新たな6人体制をスタート!ライブでは厚いハーモニーが戻ってきた!

そうした中で、2022年11月16日、第2章の幕開けとして、天真爛漫なキャラのミカ、ミュージカル経験のある結海、そして関西出身らしいムードメーカーのmiyouの3人が加入し、12月には配信シングル「Join Us!」がリリース。そして、1月に新体制では初となるライブツアー「Little Glee Monster Live Tour 2023 Join Us!」が開催され、3月22日に第2章では初のパッケージ作品『Fanfare』がリリース。本作は5曲入りCDに初回盤Aには前述のライブ映像が73分収録されているので、ドキドキしながらまずはライブの方から観てみた。

そうすると、6人ならではの厚いハーモニーが戻ってきているのが分かり、“これぞリトグリ!”と心地よく聴くことができた。勿論、加入して2か月でのパフォーマンスで、オリジナルメンバーに追いつこうとする新メンバー3人も、後輩3人のフレッシュさに見劣りしないように努めるオリジナルの3人も、頑張っている感じはひしひしと伝わっているが、楽しさに満ち溢れていて、安心して観ていられる。

オリジナルの3人と新メンバーの3人のバランスを考えた構成が見事!!

特に感心したのが、パンチのある歌声を聞かせる かれんにmiyouを、キュートな要素の強いアサヒにミカを、そしてバランス感覚の良いMAYUに結海を、それぞれ組ませた歌割りやフォーメーションをすることで、加入前まで3方向で頑張ってきた部分を崩すのではなく補強しているのが見事だ。これにより、リトグリのメンバーもガオラー(ファンの愛称)も乱されることなく、新たなスタートを切れる気がした。

また、CDの方は、リトグリならではの明るいハーモニーが楽しげな「Join Us!」、00年代に安室奈美恵やCrystal Kayも歌ってきたR&Bを令和版に進化させた「WONDER LOVER」、言葉と音遊びも知的な「Rolling Rolling Rolling」、流麗なポップスの「HELLO NEW DAY」、熱いボーカルが厚いハーモニーで包まれるエールソングの「Million Miles」と、どれも新たな幕開けにふさわしい“ファンファーレ”のような曲ばかりだ。

(2018年2月のタレントパワースコア 左:女性×年代別 右:男性×年代別)

(2023年2月のタレントパワースコア 左:女性×年代別 右:男性×年代別)

タレントパワーでは、同年代女子に集中した人気が、幅広い年代の男女に拡散。今後、強みが出るか期待!

そんな彼女たちのタレントパワースコアを紅白初出場直後の2018年2月と、その5年後となる2023年2月で比較してみた。女性×年代別を見ると、2018年は10代・20代の女子に人気が集中していたが、2023年は幅広い女性ファンに広がっている。また、男性×年代別では、10代・20代と40代以上の2層に人気が出ている。つまり、デビューから8年が経過し、今なお大型フェスや音楽特番等で十分盛り上がりうる素地はあるのだ。さらに、新メンバーが加入したことで、再び若い女性ファンが増えるのか、それとも、アイドルとアーティストの“エエトコドリ”的な存在として男性ファンが増えるのか。この2023年の飛躍を大いに期待したい!

第2章となって初のEP『Fanfare』、こちらはCD+PHOTOBOOKの初回盤B

 

 

著者プロフィール

うすい・たかし。1968年京都府出身。特技は1975年以降のバースデーソング占い(笑)。地元大学大学院理学研究科修了、専攻は理論化学(だったはず)。総合化学会社、音楽系広告代理店での数値解析やマーケティング実務を経て、05年にT2U音楽研究所を設立。現在は、音楽分析や配信サイトの選曲、コンピレーションや復刻CDの企画のほか、日経エンタテインメント!やfumu fumu news、共同通信加盟社の各地方の新聞等で愛と情熱に満ちたコラムを執筆。Twitterは @t2umusic(よかったらフォローして下さい♪)

☆各種ストリーミングサービスにて大人向けのプレイリスト『おとラボ』を選曲しています♪

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