男性タレント

映像進出を加速中のミュージカル界の貴公子

 井上芳雄、城田優、山崎育三郎ら、熱狂的なファンを持つミュージカル界のスターたち。近年、そのトップ集団に加わっているのが、34歳の古川雄大だ。『ロミオ&ジュリエット』『モーツァルト!』などの大舞台に主演し、その端正なルックスと甘い歌声から、「ミュージカル界の貴公子」などと呼ばれる。

古川が加速させているのが、映像進出だ。2018年にヒットドラマ『下町ロケット』(TBS系)に出演し、2020年にはNHKの連続テレビ小説『エール』に登場。二階堂ふみ演じるヒロインの歌の先生・御手洗清太郎役に起用され、「マーベラス、ファンタスティック!」「ミュージックティーチャーと呼びなさい」といったセリフを連発した。このハイテンションな演技で注目を集め、Yahoo!のリアルタイム検索やツイッタートレンドランキングで「ミュージックティーチャー」が1位となった。

そして今年は、7月からの『女の戦争~バチェラー殺人事件~』(テレ東系)でドラマ初主演。7人の花嫁候補に玉の輿を狙われるホテルチェーンの御曹司・鳴戸哲也を演じ、その“王子様っぷり”が話題となった。

2.5次元『テニスの王子様』を皮切りにミュージカルで大成

古川は高校3年生のときに原宿でスカウトされ、約1年間、プロのダンサーとして活動。その後、2007年にドラマ『風魔の小次郎』(東京MXテレビ 他)で俳優デビューした。当時、2.5次元ミュージカルの先駆けとして知られる『テニスの王子様』を見て感動した古川は、自らオーディションを受けて『「テニスの王子様」Progressive Match 比嘉 feat. 立海』に出演。翌2008年も『テニスの王子様』の2作品に出演した。

また同年、ミニアルバム『PASTEL GRAFFiTi』をリリースして、高校時代から行っていた音楽活動を本格化。2009年には1stフルアルバム『COLOR VARiATiON』を発表した。

同じく2009年に、『2STEPS!』(ゴー・シネマ)、『僕らはあの空の下で』(日本出版販売)と2作の主演映画が公開され、翌2010年には、映画『BECK』(松竹)やドラマ『ヤンキー君とメガネちゃん』(TBS系)などに出演。また『仮面ライダー×仮面ライダー×仮面ライダー THE MOVIE 超・電王トリロジー EPISODE YELLOW お宝DEエンド・パイレーツ』(東映)では、「仮面ライダーG電王」へと変身する時間警察の黒崎レイジ役を演じた。

そして2012年、24歳のときに出演したのが、ミュージカル『エリザベート』だ。井上芳雄や浦井健司を輩出し、“若手俳優の登竜門”と呼ばれるオーストリア皇太子のルドルフ役に抜擢され、初めて帝国劇場の舞台に立った。

以降、主演舞台が増え始め、『ライン』(12年)、『「黒執事」–地に燃えるリコリス2015-』(15年)、『ロミオ&ジュリエット』(17年〜)、『モーツァルト!』(18年)など大劇場のミュージカルで看板を背負ってきた。

その功績が認められ、2018年には、期待の若手に贈られる「岩谷時子賞」の奨励賞を受賞。2019年には『モーツァルト!』『マリー・アントワネット』『ロミオ&ジュリエット』の演技が評価されて「菊田一夫演劇賞」の演劇賞を受賞した。

『エール』の“ミュージックティーチャー”で全国区に

ミュージカル界で頂点へ駆け上がると同時に、加速させてきたのが映像進出だ。2018年、ヒットドラマ『下町ロケット』に第6話より出演。農林業共同組合の職員・吉井浩を嫌みたっぷりに演じ、プライム帯の連続ドラマに初めてレギュラー出演を果たした。

そして2020年1月期は、『トップナイフー天才脳外科医の条件—』(日テレ系)にバー「カサブランカ」のオーナー・来島達也役で出演。その後、4月から連続テレビ小説『エール』にトランスジェンダーの“ミュージックティーチャー”御手洗清太郎役で登場し、6月には“スター御手洗”、10月には“占い師御手洗”として再登場してそのつど話題となった。

また同年7月公開の映画『コンフィデンスマンJP プリンセス編』(東宝)にも出演。世界有数の大富豪の御曹司であるクリストファー・フウ役でインパクトを残した。さらに10月からはドラマ『極主夫道』(読売テレビ・日テレ系)にも出演。「突撃の酒井」こと酒井タツキ警官役でコミカルな演技を披露した。

今年は、1月から放送されたドラマ『カンパニー〜逆転のスワン〜』(NHK BSプレミアム)にアイドルダンサーの水上那由多役で出演。4〜6月は、主演ミュージカル『モーツァルト!』で東京、札幌、大阪を巡った。その後、7月から主演ドラマ『女の戦争〜バチェラー殺人事件〜』がオンエアされ、好評のうちに幕を閉じた。

朝ドラ効果でタレントパワーが急上昇

 

2021年5月調査~過去1年間の推移

 

タレントパワーランキングの調査によると、古川の認知度は2020年5月までほぼ横ばいで推移していたが、同年8月に急上昇している(5月度は20.6%、8月度は25.6%)。これに伴い、認知度に誘引率を掛け合わせたタレントパワーは、8.2%から10.7%に上昇している。これは『エール』に“スター御手洗”として2度目に登場した後だ。

また、『極主夫道』『カンパニー〜逆転のスワン〜』と2つの連続ドラマに出演した後の2021年2月度も上昇している。7月からの主演ドラマ『女の戦争〜バチェラー殺人事件〜』放送後も上昇が確実視される。

パワースコア 女性年代別

 

最新の2021年5月度のタレントパワーを見ると、男性は6.2%、女性は12.7%と女性からの支持が2倍以上も高い。

女性の内訳を年代別に見ると、25〜29歳と35〜39歳が19.3%で最も高く、15〜19歳が18%、20〜24歳が15.3%、55〜59歳が14%となっている。ティーンから中高年まで、朝ドラ効果で幅広い支持を獲得したことが見て取れる。

古川雄大 イメージワード

イメージワード調査では、「演技力がある」と「クールな感じ」が1位で41%。以降、「落ち着いた」が31.7%、「知的な」が28.2%、「男前な」が24.2%、「さわやかな」が23.3%となっている。「クール」「落ち着いた」「知的」といったイメージが、御曹司や貴公子が似合う要因になっているのだろう。

これらの次に高いのが、「個性的な」だ。御手洗のような強烈なキャラクターがまたハマれば、「個性的な」がさらに伸びそうだ。

今後は、ミュージカルの名曲を歌うコンサート「古川雄大 The Greatest Concert vol.2 -collection of musicals-」を大阪と東京で開催(8月27日〜9月5日まで)。

10月15日からは主演ドラマ2作目となる『私の正しいお兄ちゃん』(FOD)が配信される。過去に殺人を犯した謎多き青年・内田海利を演じ、主題歌も担当することが決定。古川は「音楽を志した時から、自分の楽曲がドラマの主題歌になることが夢でした。願いが叶ってとても幸せです」とコメントしている。俳優、アーティストの両面で露出が増えそうだ。

古川雄大(ふるかわ・ゆうた)


誕生日 1987年7月9日
出身地 長野県
所属事務所 研音
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