M1層とF1層における30代男優TOP10の算出方法
株式会社アーキテクトが実施しているタレントパワーランキングの定期調査で、調査対象として登録されている30~39歳男優の中でM1層(20~34歳男性)とF1層(20~34歳女性)のそれぞれの回答においてパワースコアが高かった順にランキング化しました。タレントの年齢は2024年10月28日現在です。
なお、俳優の活動よりもバラエティや歌の活動が中心となっている人は除きました。ここでは2021~2024年(今後公開・放送予定作品を含む)に連続ドラマのレギュラー出演と映画出演(ナレーション、声優を除く)を合わせて3作品以上のタレントを対象としています。
『パワースコア』とは、株式会社アーキテクトが3カ月に1度実施している、タレントの『認知度(顔と名前を知っている)』と『誘引率(見たい・聴きたい・知りたい)』の調査結果をもとに、2つのデータを掛け合わせて算出したものです。タレントパワーランキング調査は2月、5月、8月、11月に実施。今回は、2024年5月度と8月度に調査を行ったデータを使用しています。
M1層・F1層両方のTOP10にランクインしている男優については、M1層のランキング紹介で調査時期から現在までの主な出演作、F1層のランキング紹介で今後の予定をピックアップしています。
男性支持が高い佐藤健・錦戸亮・松山ケンイチ
9位
中尾明慶
9位は同率スコアで2名。1人目は中尾明慶です。1988年6月30日生まれ、東京都出身。2001年、ドラマ『3年B組金八先生』第6シリーズ(TBS系)に上戸彩・平愛梨・増田貴久らとともに生徒役で出演して注目を集めました。2013年には映画『時をかける少女』で共演した仲里依紗と結婚しています。
2022年から『プチブランチ』(TBS系)のMCを担当。2024年6月に公開された映画『おいハンサム!!』に出演。10月7日からYouTube、TikTok、Instagram、Xで配信されている縦型ドラマ『課長 島耕作のつぶやき』(ABC制作)で主演しています。F1層では22位で、この世代では男性支持が高くなっています。
9位
松坂桃李
もうひとりの9位は松坂桃李です。1988年10月17日生まれ、神奈川県出身。2009年に『侍戦隊シンケンジャー』(テレ朝系)の主役に抜擢されて、俳優デビュー。2012年には堀北真希がヒロインを演じたNHK連続テレビ小説『梅ちゃん先生』に出演して注目を集めました。
2023年放送のドラマ『VIVANT』(TBS系)で活躍。2024年9月に公開された三谷幸喜監督の映画『スオミの話をしよう』にも長澤まさみが演じた主人公・スオミの元夫であるYouTuber・十勝左衛門役で出演しています。
7位
錦戸亮
7位も2名が並んでいます。1人目は錦戸亮です。1984年11月3日生まれ、大阪府出身。2003年のNHK連続テレビ小説『てるてる家族』で活躍して注目を集め、2010年に『ちょんまげぷりん』で映画初主演。2019年からシンガーソングライターとしてソロ活動も展開しています。
2024年1月期のドラマ『不適切にもほどがある!』(TBS系)にゲスト出演したほか、4月クールの赤楚衛二主演ドラマ『Re:リベンジ-欲望の果てに-』(フジ系)で心臓血管外科の医師役を演じて、5年ぶりにフジ系ドラマに出演しました。F1層では40位で男性支持の高さが目立っています。
7位
松山ケンイチ
もうひとりの7位は松山ケンイチです。1985年3月5日生まれ、青森県出身。2002年、ドラマ『ごくせん』(日テレ系)で俳優デビュー。2003年に『アカルイミライ』で映画初出演。2007年には『セクシーボイスアンドロボ』(日テレ系)で連ドラ初主演。
2024年前期のNHK連続テレビ小説『虎に翼』で裁判官(のちに最高裁長官)・桂場等一郎を演じました。染谷将太とW主演する映画『聖☆おにいさん THE MOVIE〜ホーリーメン VS 悪魔軍団〜』が12月に公開されます。F1層では40位で同率の錦戸亮同様、男性支持が高くなっています。
6位
吉沢亮
吉沢亮が6位にランクイン。1994年2月1日生まれ、東京都出身。2010年に俳優デビュー。2013年に『ぶっせん』(TBS系)で連ドラ初主演。2019年にはNHK連続テレビ小説『なつぞら』に出演。2021年にはNHK大河ドラマ『青天を衝け』で主演しました。
2024年9月に主演映画『ぼくが生きてる、ふたつの世界』が公開。ろう者俳優として活躍する親に持つコーダの主人公を演じました。10月28日から花王「ピュオーラ」の新CMに出演しています。
5位
佐藤健
5位は佐藤健です。1989年3月21日生まれ、埼玉県出身。2006年に俳優デビュー。2007年に『仮面ライダー電王』(テレ朝系)で連ドラ初主演。2018年のNHK連続テレビ小説『半分、青い。』、同年夏放送の綾瀬はるか主演ドラマ『義母と娘のブルース』(TBS系)でも注目を集めました。
2024年12月13日公開予定の映画『はたらく細胞』で永野芽郁とW主演します。永野芽郁とは朝ドラ「半分、青い。」でも共演していました。F1層では21位で、この世代では男性での順位が高くなっています。
4位
神木隆之介
4位は神木隆之介です。1993年5月19日生まれ、埼玉県出身。子役として1995年にCMでデビュー。2004年に映画『お父さんのバックドロップ』に出演。2016年にはアニメ映画『君の名は。』で主演するなど、声優としても活躍。2023年のNHK連続テレビ小説『らんまん』で主演しました。
2024年7月期の山田涼介主演ドラマ『ビリオン×スクール』(フジ系)に出演したのに続いて、10月期は、長崎県・端島(通称・軍艦島)を舞台にする『海に眠るダイヤモンド』(TBS系)で日曜劇場初主演。F1層では19位で男性支持が高くなっています。
3位
Hey! Say! JUMP
山田涼介
山田涼介が3位にランクインしました。1993年5月9日生まれ、東京都出身。2007年にHey! Say! JUMPのメンバーとしてCDデビュー。2010年に『左目探偵EYE』(日テレ系)で連ドラ単独初主演。2023年のドラマ『王様に捧ぐ薬指』(TBS系)では主演の橋本環奈の相手役を好演しました。
2024年7月期のドラマ『ビリオン×スクール』(フジ系)で主演。財閥系のCEOを演じました。男女両方に高く支持されています。
2位
菅田将暉
2位は菅田将暉です。1993年2月21日生まれ、大阪府出身。2009年、『仮面ライダーW』(テレ朝系)で俳優デビュー。2019年にはドラマ『3年A組 ―今から皆さんは、人質です―』(日テレ系)でGP帯連ドラ初主演して、存在感のある演技が高く評価されました。
2024年9月に公開された映画『Cloud クラウド』で主演。日常が破壊されていく“転売ヤー”を演じ、黒沢清監督と初タッグを組みました。この映画は第29回釜山国際映画祭で「アジアン・フィルム・メーカー・オブ・ザ・イヤー賞」を受賞しています。M1層・F1層の両方でトップ10入りしていますが、M1層のほうが順位が高くなっています。ほかの年代の支持も高く、男女全年齢におけるランキングでは30代男優部門1位となっています。
M1層の1位は春秋・戦国時代を描いた映画シリーズ主演俳優
1位
山﨑賢人
1位は山﨑賢人です。1994年9月7日生まれ、東京都出身。2010年にドラマ『熱海の捜査官』(テレ朝系)で俳優デビュー。2018年に『トドメの接吻』(日テレ系)で主演。2019年からスタートした映画『キングダム』シリーズ、2020年にシーズン1が配信されたドラマ『今際の国のアリス』(Netflix)での主演でもおなじみとなっています。
2024年10月から主演ドラマ『ゴールデンカムイ ―北海道刺青囚人争奪編―』(WOWOW)が放送中です。サントリー生ビール「トリプル生」などのCMにも出演中です。
女性支持が高い玉森裕太・中村倫也・間宮祥太朗
10位
菅田将暉
M1層では2位の菅田将暉がF1層では10位です。
宮藤官九郎・脚本、岸善幸・監督による2025年1月公開の映画『サンセット・サンライズ』で主演します。原作は楡周平の小説で、東京から南三陸にお試し移住したサラリーマンを演じます。
9位
岡田将生
9位は岡田将生です。1989年8月15日生まれ、東京都出身。2006年にCMでデビュー。2009年に『ホノカアボーイ』で映画初主演。演技派の俳優として活躍しています。
2024年はNHK連続テレビ小説『虎に翼』で星航一役を演じたほか、7月期はドラマ『錦糸町パラダイス〜渋谷から一本〜』(テレ東系)に出演。10月期は『ザ・トラベルナース』(テレ朝系)で主演しています。M1層では17位で女性支持が高くなっています。
4位
Kis-My-Ft2
玉森裕太
4位には5人が同スコアで並んでいます。1人目の4位は玉森裕太です。1990年3月17日生まれ、東京都出身。2011年にKis-My-Ft2のメンバーとしてCDデビュー。同年夏、『美男ですね』(TBS系)で連ドラ初主演しました。
2024年10月期は奈緒主演のドラマ『あのクズを殴ってやりたいんだ』(TBS系)に出演中。12月に公開される映画『グランメゾン・パリ』にも出演します。M1層では36位で、女性支持の高さが顕著となっています。
4位
中村倫也
中村倫也も同じく4位です。1986年12月24日生まれ、東京都出身。2005年に映画『七人の弔い』で俳優デビュー。2018年、永野芽郁主演の朝ドラ『半分、青い。』に出演して脚光を浴びました。
最近では2024年8~9月に放送された『Shrink―精神科医ヨワイ―』(NHK)で主演。7月7日~10月17日に上演された劇団☆新感線の舞台『バサラオ』、9月に公開された映画『あの人が消えた』にも出演し、女性支持が特に高くなっています。
4位
間宮祥太朗
間宮祥太朗も4位にランクインしました。1993年6月11日生まれ、神奈川県出身。2008年にドラマ『スクラップ・ティーチャー〜教師再生〜』(日テレ系)で俳優デビュー。2018年、朝ドラ『半分、青い。』でヒロインの夫役を演じて知名度が上昇。2022年には『ナンバMG5』(フジ系)でGP帯連ドラ初主演して注目を集めました。
2024年4月期ドラマ『ACMA:GAME アクマゲーム』(日テレ系)で主演。11月1日スタートのドラマ『ハスリンボーイ』(WOWOW)でも主演し、女性支持が特に高くなっています。
4位
山下智久
山下智久も4位です。1985年4月9日生まれ、千葉県出身。2003年にNEWSのメンバーとしてCDデビュー(2011年にグループを脱退)。2006年、『クロサギ』(TBS系)でGP帯連ドラ初主演。最近では2022年放送の主演ドラマ『正直不動産』(NHK)が話題を集め、2024年1月期に連ドラ第2弾がオンエアされました。
2024年春のドラマ『ブルーモーメント』(フジ系)で主演。気象研究所の研究官を演じました。M1層では26位で女性支持が高くなっています。
4位
吉沢亮
吉沢亮も4位です。M1層では6位で、男女に両方で高く支持されています。2025年には主演映画『ババンババンバンバンパイア』が公開。住み込みのアルバイトとして銭湯で働いている450歳の吸血鬼・森蘭丸を演じ、板垣李光人らと共演します。
同じく2025年には主演映画『国宝』も公開される予定。この映画では歌舞伎の女方を演じて、横浜流星、渡辺謙、高畑充希らと共演します。
3位
松坂桃李
3位はM1層では9位の松坂桃李です。
2024年10月から3カ月連続で月1回放送予定のドラマ『月刊松坂桃李』(WOWOW)では自身の原案をもとに主演します。2025年1月公開の主演映画『雪の花 ―ともに在りて―』では江戸時代の町医者を演じています。
2位
山﨑賢人
2位は山﨑賢人です。M1層では1位で男女ともにトップ3入りして、幅広い支持を示しています。
福田雄一脚本・監督の主演映画『アンダーニンジャ』が2025年1月に公開されます。花沢健吾のマンガが原作で、ヒロインは浜辺美波が演じます。
F1層の1位は8人組グループのメンバー
1位
Hey! Say! JUMP
山田涼介
1位は山田涼介です。M1層では3位で、男女ともにトップ3入りしています。
二宮和也、菊池風磨とYouTubeチャンネル「よにのちゃんねる」のメンバーとしても活躍中で、2024年10月22日にはラジオ特番『よにのちゃんねるのオールナイトニッポンPremium』(ニッポン放送)がオンエアされました。
文/高倉文紀
俳優評論家。『日経エンタテインメント!』『日刊ゲンダイ』などのメディアで男性俳優・女優などの取材や分析を展開。
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