日本アカデミー賞とは?歴史をチェック
まずは、『日本アカデミー賞』の歴史や、米国アカデミー賞との関係を紹介します。どのような受賞部門があるのかについても、見ていきましょう。
米国アカデミー賞から正式許諾を得ている
日本アカデミー賞は、日本の映画芸術や技術の発展のために、映画業界の専門家が選ぶ映画賞です。
正式に米国アカデミー賞から許諾を受けて、日本アカデミー賞協会が創設されました。正式許諾を受けているのは、日本とイギリスのみであるのもポイントです。
受賞作品・受賞者は、日本アカデミー賞協会の会員による投票で決定されます。第4回日本アカデミー賞以降は、ノミネートされた5作品または5名が、優秀賞として賞状・ブロンズ像などを授与されることになっています。
第1回のアカデミー賞受賞者について
第1回は、1978年4月6日に帝国ホテルで行われました。ノミネートされた映画の中から最優秀作品賞に選ばれたのは、『幸福の黄色いハンカチ(1977年)』です。
最優秀監督賞は『幸福の黄色いハンカチ』と『男はつらいよ』シリーズを手がけた山田洋次、最優秀脚本賞も同作品の山田洋次と朝間義隆が受賞しています。
主演男優賞は『幸福の黄色いハンカチ』と『八甲田山(1977年)』でノミネートされた高倉健で、主演女優賞は『はなれ瞽女おりん(1977年)』でノミネートされた岩下志麻が受賞しました。
助演男優賞と助演女優賞は、いずれも『幸福の黄色いハンカチ』でノミネートされた、武田鉄矢と桃井かおりです。
現在の受賞部門は22種類ある
受賞部門は、正賞とその他の賞を合わせた22種類があります。正賞は15種類、その他の賞は7種類です。
【正賞】
- 作品賞
- アニメーション作品賞
- 監督賞
- 脚本賞
- 主演男優賞
- 主演女優賞
- 助演男優賞
- 助演女優賞
- 音楽賞
- 撮影賞
- 照明賞
- 美術賞
- 録音賞
- 編集賞
- 外国作品賞
【その他の賞】
- 新人俳優賞
- 話題賞
- 協会特別賞
- 協会栄誉賞
- 会長特別賞
- 会長功労賞
- 岡田茂賞
日本アカデミー賞主演男優賞ノミネートの俳優ランキングの算出方法
日本アカデミー賞主演男優賞ノミネートの俳優ランキングは、株式会社アーキテクトが独自調査で集計した結果で構成しています。詳しい算出方法を解説します。
当社独自の集計方式で算出
日本アカデミー賞主演男優賞ノミネートの俳優ランキングは、株式会社アーキテクトが実施する業界最大規模のタレント調査『タレントパワーランキング』をもとにパワースコアを算出しました。こちらのデータから、ランキングが作成されています。
パワースコアとは、調査結果をもとに、タレントの認知度(顔と名前を知っている)と誘引率(見たい・聴きたい・知りたい)を掛け合わせた値です。
今回のランキングは、2024年2月度に行われた調査をもとに作成しています。また、2023年から2017年の第40回まで遡り、主演男優賞にノミネートされた人を対象としました。
日本アカデミー賞主演男優賞ノミネートの俳優ランキング
日本アカデミー賞主演男優賞へのノミネート歴を持つ俳優は、実力派俳優として広く知られている人ばかりです。ランキングとともに、各俳優がノミネートされた作品や役柄、プロフィールもチェックしましょう。
14位:GACKT
ロックバンド『MALICE MIZER』のボーカルとして人気を博した後、1999年にソロ活動を開始したミュージシャンです。男性ソロアーティストにおける、シングルTOP10の獲得数が歴代1位という記録は、いまだに破られていません。
俳優としても活動の幅を広げており、ハリウッド映画『BUNRAKU(2010年)』に出演した経験もあります。
漫画をもとに製作された人気映画『翔んで埼玉(2019年)』では、二階堂ふみとW主演を務め、主演男優賞にノミネートされました。
13位:松坂桃李
1988年生まれ、神奈川県出身の俳優です。デビュー以来、ドラマや映画でさまざまな役柄を演じています。その演技力には定評があり、主演男優賞には複数回ノミネートされています。
映画『新聞記者(2019年)』ではエリート官僚役、『孤狼の血 LEVEL2(2021年)』では裏社会を治める刑事役、『流浪の月(2022年)』では大学生の誘拐犯役で、それぞれノミネートされました。『新聞記者』においては、最優秀主演男優賞を受賞しています。
12位:笑福亭鶴瓶
1951年生まれ、大阪府出身の落語家です。1972年に6代目笑福亭松鶴のもとに入門し、同年に上方落語会会員になりました。
数多くのバラエティ番組のMCを務めるほか、映画や舞台俳優としても活躍するなど、マルチな才能を発揮しています。
映画『閉鎖病棟-それぞれの朝-(2019年)』では、死刑執行が失敗に終わり生き延びた人物を見事に演じ、主演男優賞にノミネートされました。同映画で、役作りのために約7kgもの減量を成功させたストイックさからは、役者魂も感じられるでしょう。
11位:阿部サダヲ
1970年生まれ、千葉県出身の俳優です。1992年に劇団『大人計画』に加わり、同年に舞台『冬の皮(1992年)』でデビューしました。
多くの舞台やドラマ、映画に出演し、コメディからシリアスな役まで幅広く演じられる俳優として知られています。
映画『死刑にいたる病(2022年)』では連続殺人犯役を、『シャイロックの子供たち(2023年)』では銀行員役を好演し、それぞれで主演男優賞にノミネートされました。
10位:役所広司
1956年生まれ、長崎県出身のベテラン俳優です。NHK大河ドラマ『徳川家康(1983年)』に出演し織田信長役で注目を集めて以来、出演するドラマや映画は話題となっています。
映画『孤狼の血(2018年)』『すばらしき世界(2021年)』『PERFECT DAYS(2023年)』の3作品で、主演男優賞にノミネートされました。
『孤狼の血』『PERFECT DAYS』では最優秀主演男優賞を受賞、さらに『PERFECT DAYS』はカンヌ国際映画祭で最優秀男優賞の獲得につながった作品です。日本を代表する、国際派俳優の一人としての地位を築いています。
8位:佐藤健
1989年生まれ、埼玉県出身の俳優です。特撮ドラマ『仮面ライダー電王(2007年)』で主演を務め、その後も数々のドラマや映画に出演し、人気若手俳優としての地位を確立しました。
映画『るろうに剣心』シリーズでは、目を見張る殺陣が話題になるなど、演技の幅広さが魅力です。
映画『8年越しの花嫁 奇跡の実話(2017年)』では病に倒れ意識不明となった花嫁を待ち続ける新郎役、『護られなかった者たちへ(2021年)』では殺人事件の容疑者役を演じ、主演男優賞にノミネートされました。
8位:岡田准一
1980年生まれ、大阪府出身の俳優で、1995年にアイドルグループ『V6』のメンバーとしてデビューしました。音楽活動の傍ら俳優業にも取り組み、優れた身体能力を生かしたアクションに定評があります。
映画『海賊とよばれた男(2016年)』では出光興産創業者をモデルにした主人公、『関ヶ原(2017年)』では歴史上の人物である石田三成役、『散り椿(2018年)』では故郷を追われた武士役を演じ、主演男優賞にノミネートされました。
7位:小栗旬
1982年生まれ、東京都出身の俳優です。184cmと身長が高く、野球や音楽鑑賞を趣味としています。
小学生の頃に子役として活動を始め、現在も数々のドラマや映画に出演しています。2010年には、映画監督としてもデビューしました。
主演男優賞にノミネートされた映画『罪の声(2020年)』は、昭和時代に実際に起こった未解決事件を題材にした作品です。主演として、事件の真相を求める新聞記者役を務めました。
6位:西島秀俊
1971年生まれ、東京都出身の俳優です。ドラマ『あすなろ白書(1993年)』で一気に知名度を高めると、以降さまざまなジャンルのドラマや映画に出演を重ね、現在では幅広く活躍する人気俳優の一人となっています。
映画『ドライブ・マイ・カー(2021年)』では、最愛の妻を亡くし喪失感を抱える舞台俳優兼演出家の役を演じ、最優秀主演男優賞を受賞しました。
揺れ動く心情や葛藤、再生へと向かう姿など、見る者を惹き付ける圧巻の演技は、全米映画批評家協会賞においても高い評価を受け、アジア人初となる主演男優賞も受賞しています。
5位:菅田将暉
1993年生まれ、大阪府出身の俳優です。演技力に定評があり、ドラマや映画に引っ張りだこの人気俳優です。歌手としても活躍しており、多くのヒット曲があります。
映画『あゝ、荒野 前篇(2017年)』では少年院帰りのボクサーを演じ、最優秀主演男優賞を受賞しました。
また、映画『アルキメデスの大戦(2019年)』では天才数学者役、『糸(2020年)』では小松菜奈とのW主演、『花束みたいな恋をした(2021年)』では有村架純とのW主演を務め、主演男優賞にノミネートされています。
若いながらもノミネートされた回数が多いことから、実力派俳優であることがうかがえるでしょう。
4位:鈴木亮平
1983年生まれの兵庫県出身、186cmと高身長の俳優です。東京外国語大学を卒業しており、アメリカへの留学経験もあるため、英語力が高いことでも知られています。役作りのために約30kg増量するほどストイックな性格で、数多くの話題作に出演しています。
映画『エゴイスト(2023年)』では、ファッション誌の編集者として働く同性愛者の役を演じました。強さと脆さを持ち合わせた繊細な演技が光り、主演男優賞にノミネートされています。
3位:神木隆之介
1993年生まれ、埼玉県出身で、幼少期からCMに出演しています。子役として多くのドラマにも出演しており、若手ながらも経験豊富な俳優です。声優としても活躍しており、映画『千と千尋の神隠し(2001年)』では坊役に抜擢されました。
終戦直後の日本を舞台とした『ゴジラ-1.0(2023年)』では、両親を失いながらも戦争を生き延びた主人公を演じ、主演男優賞にノミネートされています。同作品はアメリカでも公開され、高い評価を得ました。
2位:二宮和也(嵐)
1983年生まれの東京都出身、人気アイドルグループ『嵐』のメンバーです。1999年にデビューして以来、音楽活動のみならずバラエティ番組でも人気を博し、国民的アイドルグループとして不動の地位を築いてきました。
俳優としても、クリント・イーストウッドが監督を務めた映画『硫黄島からの手紙(2006年)』に出演するなど、幅広く活躍しています。
映画『浅田家!(2020年)』では実在する写真家役、『ラーゲリより愛を込めて(2022年)』ではシベリアの強制収容所に抑留された日本人捕虜役を演じ、主演男優賞にノミネートされました。
1位:大泉洋
1973年生まれの北海道出身、演劇ユニット『TEAM NACS』のメンバーです。『水曜どうでしょう』という、北海道テレビのバラエティ番組で人気を博しました。
その名が全国に広まって以降、数々のドラマや映画、舞台に出演しています。『TEAM NACS』が開催した公演の演出を手がけたり、エッセイ本『大泉エッセイ 僕が綴った16年(2015年)』を出版したりと、マルチに活躍する人物です。
『探偵はBARにいる3(2017年)』では北海道の探偵役、『月の満ち欠け(2022年)』では事故によって妻子を亡くした男性役を演じ、主演男優賞にノミネートされました。
変幻自在な俳優の演技を楽しもう
日本アカデミー賞は、世界が注目している米国アカデミー賞から正式に許諾を受けている、名誉ある映画賞です。多くの俳優がいる中で主演男優賞にノミネートされることは、人の心をつかむ秀でた演技力がある証です。
日本アカデミー賞は毎年開かれているので、これを機に主演男優賞をはじめ、その他の賞に誰がノミネートされているのか、注目するのもよいのではないでしょうか?
主演男優賞へのノミネート歴を持つ俳優の、見る者を魅了する演技を楽しみましょう。