日本アカデミー賞新人俳優賞とは?
『日本アカデミー賞』は、米国アカデミー賞から許諾を受け、日本映画界の発展のために設けられた映画賞です。受賞部門の一つである『新人俳優賞』とは、どのようなものなのか紹介します。
劇場映画の主演・助演が対象
新人俳優賞は、劇場映画において主演または助演クラスの役で、印象に残る演技をした俳優に授与される賞です。毎年、男女それぞれ3~5名が選ばれています。
対象者は、過去に日本アカデミー賞での受賞歴がない俳優です。必ずしも、映画への出演が初めてである必要はありません。
なお、新人賞を設けている映画賞は、日本アカデミー賞以外にもあります。例えば、1956年に始まった『エランドール賞』の新人賞です。1年を通じて活躍が目覚ましく、将来が期待される俳優に贈られます。
このほか、スポーツ新聞が開催している『報知映画賞』にも新人賞があります。
主演男優賞・主演女優賞との違い
日本アカデミー賞の受賞部門は、15種類の『正賞』と7種類の『その他の賞』に分かれています。主演男優賞や主演女優賞は正賞に属し、新人俳優賞はその他の賞に属しています。
主演男優賞・主演女優賞は授賞式で最優秀賞が決められますが、新人俳優賞は最優秀賞がないのが大きな違いです。正賞ではないため、ブロンズは贈られず、賞状と賞金のみが贈られます。
日本アカデミー賞の授賞式は閲覧できる?
チケット販売サイト『チケットぴあ』を通してチケットを購入すれば、授賞式を生で観覧できます。2024年は、3月8日にグランドプリンスホテル新高輪で行われました。
チケットの料金は、座席のエリアによって異なります。チケットには、日本アカデミー賞オリジナルトートバッグなど限定グッズが付いてきます。
なお、小学生以下は入場できない、服装はセミフォーマルなどのルールがあるため、事前に確認しましょう。
授賞式の様子は、テレビでも見られます。生放送ではありませんが、同日に放送されるのが基本です。
日本アカデミー賞新人俳優賞ノミネートの俳優ランキングの算出方法
日本アカデミー賞新人俳優賞ノミネートの俳優ランキングは、株式会社アーキテクトが独自調査で集計した結果で構成しています。詳しい算出方法を解説します。
当社独自の集計方式で算出
日本アカデミー賞新人俳優賞ノミネートの俳優ランキングは、株式会社アーキテクトが実施する業界最大規模のタレント調査『タレントパワーランキング』をもとにパワースコアを算出しました。こちらのデータから、ランキングが作成されています。
パワースコアとは、調査結果をもとに、タレントの認知度(顔と名前を知っている)と誘引率(見たい・聴きたい・知りたい)を掛け合わせた値です。
今回のランキングは、2024年2月度に行われた調査をもとに作成しています。また、2023年から2017年の第40回日本アカデミー賞まで遡り、新人俳優賞にノミネートされた人を選出しています。
【男性】日本アカデミー賞新人俳優賞ノミネートの俳優ランキング
次は、新人俳優賞へのノミネート歴がある男性俳優を、ランキングで見ていきましょう。ノミネートされた作品・役柄とともに、簡単なプロフィールや略歴も紹介します。
7位:千葉雄大
1989年生まれ、宮城県出身の俳優です。俳優としてデビューしたきっかけは、2010年の特撮ドラマ『天装戦隊ゴセイジャー』のオーディションで抜擢されたことです。
近年では、ドラマ『おっさんずラブ-in the sky-(2019年)』や映画『もっと超越した所へ。(2022年)』などの話題作をはじめ、数々のドラマや映画に出演しています。
時代劇コメディ映画『殿、利息でござる!(2016年)』では、武士にあこがれを持つ百姓役を演じ、第40回日本アカデミー賞新人俳優賞にノミネートされました。
6位:竹内涼真
1993年生まれ、185cmと高身長の俳優です。歌やサッカーがうまいことでも知られています。
2013年にモデルとして芸能界デビューし、特撮ドラマ『仮面ライダードライブ(2014年)』で主演を演じたことをきっかけに認知度を高めました。
その後も、NHK連続テレビ小説『ひよっこ(2017年)』やドラマ『下町ロケット』シリーズ、『ブラックペアン(2018年)』などの話題作に立て続けに出演するなど、目覚ましい活躍を見せています。
学園コメディ映画『帝一の國(2017年)』では明るい好青年を演じ、第41回日本アカデミー賞新人俳優賞にノミネートされました。
5位:北村匠海(DISH//)
1997年生まれの東京都出身、音楽・映画鑑賞や古着屋巡りが趣味の俳優・ミュージシャンです。2008年に、スポーツ映画『ダイブ!!(2008年)』で俳優としてデビューしました。
また、2013年にメジャーデビューを果たしたバンド『DISH//』の、ギターボーカルとしても人気を誇ります。シングル『猫』『沈丁花(2021年)』など、ヒット曲を多数残している人物です。
映画『君の膵臓をたべたい(2017年)』では、高校生の『僕』を演じ、第41回日本アカデミー賞新人俳優賞にノミネートされました。
4位:坂口健太郎
1991年生まれの東京都出身、読書が趣味の俳優です。183cmと高身長で、バレーボールを特技としています。2010年に男性ファッション誌『MEN’S NON-NO』の専属モデルになり、芸能界に入りました。
映画『シャンティ デイズ 365日、幸せな呼吸(2014年)』で俳優としてデビューを果たして以降、さまざまな話題作へ立て続けに出演しています。
大ヒット映画『64-ロクヨン-前編(2016年)』『64-ロクヨン-後編(2016年)』に出演したことをきっかけに、第40回日本アカデミー賞新人俳優賞にノミネートされました。
3位:横浜流星
1996年生まれ、神奈川県出身の俳優です。特技は極真空手で、14歳のときに男子55kgの部で世界一に輝いた経歴を持ちます。
モデルから俳優へと活躍のフィールドを広げ、ドラマ『初めて恋をした日に読む話(2019年)』への出演をきっかけに、人気若手俳優の一人になりました。
映画『愛唄 -約束のナクヒト-(2019年)』『チア男子!!(2019年)』『いなくなれ、群青(2019年)』の3作での活躍が評価され、第43回日本アカデミー賞新人俳優賞にノミネートされています。
2位:目黒蓮(Snow Man)
1997年生まれの東京都出身、アイドルグループ『Snow Man』のメンバーです。
2010年に芸能事務所『ジャニーズ事務所(現株式会社STARTO ENTERTAINMENT)』に入所後、アイドルグループ『宇宙Six』のメンバーとして活動する傍ら、2019年に『Snow Man』に加入しました。
俳優としても活躍しており、代表作にはNHK連続テレビ小説『舞いあがれ!(2022年)』や、映画『わたしの幸せな結婚(2023年)』などがあります。
映画『月の満ち欠け(2022年)』に出演した際には、第46回日本アカデミー賞新人俳優賞にノミネートされました。
1位:吉沢亮
1994年生まれ、東京都出身の俳優で、特技の剣道は2段の腕前を持っています。オーディションを経て芸能界入りし、ドラマ『仮面ライダーフォーゼ(2011年)』への出演をきっかけに認知度を高めました。
以降、数々の人気ドラマや映画に出演しています。代表作は、映画『キングダム』シリーズやNHK大河ドラマ『青天を衝け(2021年)』などです。
映画『リバーズ・エッジ(2018年)』では、いじめを受けている同性愛者の役を演じ、第42回日本アカデミー賞新人俳優賞にノミネートされました。
【女性】日本アカデミー賞新人俳優賞ノミネートの俳優ランキング
新人俳優賞にノミネート歴のある女優は、現在も活躍している人ばかりです。ノミネートされた作品やプロフィールと併せて、ランキングを詳しく見ていきましょう。
7位:高畑充希
1991年生まれ、大阪府出身の女優です。13歳で女優としてデビュー後、2007年から5年にわたりミュージカル劇『ピーター・パン』で主演を務めるなど、演劇界で活躍してきました。
ディズニー映画『シンデレラ(2015年)』の日本語吹き替え版では声優を務め、マルチな才能を発揮しています。その後もドラマや映画に多数出演し、NHK連続テレビ小説『とと姉ちゃん(2016年)』では主演を務めました。
岩田剛典とW主演の恋愛映画『植物図鑑 運命の恋、ひろいました(2016年)』では、第40回日本アカデミー賞の新人俳優賞にノミネートされています。
6位:生見愛瑠
2002年生まれ、愛知県出身のモデル・女優です。『めるる』の相性で親しまれており、2021年からはファッション誌『CanCam』の専属モデルになり、さらにドラマ初出演も果たしています。
2022年には、アイドルグループ『Snow Man』の岩本照が主演を務めた恋愛映画『モエカレはオレンジ色(2022年)』で映画にも初出演しました。この映画で女子高生のヒロイン役を演じ、第46回日本アカデミー賞の新人俳優賞にノミネートされています。
4位:吉岡里帆
書道とアルトサックスが趣味の女優です。 多くのドラマや映画に出演しており、代表作にはNHK連続テレビ小説『あさが来た(2015年)』や、映画『パラレルワールド・ラブストーリー(2019年)』『見えない目撃者(2019年)』などがあります。
二つの世界が存在するミステリーを描いた『パラレルワールド・ラブストーリー(2019年)』では、一つの世界では主人公の恋人役、もう一つの世界では主人公の友人の恋人役を演じ、第43回日本アカデミー賞の新人俳優賞にノミネートされました。
目の見えない元警察官役を演じた、『見えない目撃者(2019年)』でもノミネートされています。
4位:中条あやみ
1997年生まれ、大阪府出身の女優です。2011年に人気ファッション誌『Seventeen』の専属モデルを選ぶオーディションでグランプリに輝き、モデルとしてデビューしました。
2012年には女優としての活動も始め、現在も数々のドラマや映画に出演し活躍しています。ユニクロや任天堂など、大手企業のCMにも多数起用されている人気女優です。
実話を基にした映画『チア☆ダン〜女子高生がチアダンスで全米制覇しちゃったホントの話〜(2017年)』では、美貌と知性が光る部長役を演じ、第41回日本アカデミー賞新人俳優賞にノミネートされました。
3位:今田美桜
1997年生まれ、福岡県出身の女優です。地元でスカウトされたことをきっかけに芸能界入りし、映画『罪の余白(2015年)』で女優デビューしました。
近年の出演作には映画『わたしの幸せな結婚(2023年)』や『東京リベンジャーズ』シリーズ、ドラマ『花咲舞が黙ってない(2024年)』などがあります。
話題になった『東京リベンジャーズ(2021年)』では、北村匠海が演じる主人公の高校時代の恋人役を演じ、第45回日本アカデミー賞新人俳優賞にノミネートされました。
2位:浜辺美波
2000年生まれの石川県出身、読書が趣味の女優です。2011年の『東宝シンデレラ』オーディションをきっかけに芸能界入りし、長編映画『逆転裁判(2012年)』で女優としてデビューしました。
代表作には、映画『シン・仮面ライダー(2023年)』『ゴジラ -1.0(2023年)』などがあり、2024年7月には映画『もしも徳川家康が総理大臣になったら』へ出演予定です。
北村匠海とW主演を務めた『君の膵臓をたべたい(2017年)』では、重い膵臓の病気を患っている女子高生のヒロイン役を演じ、第41回日本アカデミー賞新人俳優賞にノミネートされました。
1位:橋本環奈
1999年生まれ、福岡県出身の女優です。福岡県のアイドルグループ『Rev.from DVL』のメンバーとして活躍し、ソフトバンクやリクルートなどの大手企業のCMにも出演していました。
映画デビューを果たしたのは、映画『奇跡(2011年)』です。映画『セーラー服と機関銃 -卒業-(2016年)』では、ヤクザの組長を務めた過去を持つ女子高生役を演じ、第40回日本アカデミー賞新人俳優賞にノミネートされました。
その後も、映画『キングダム』シリーズに出演したり、2022年からは舞台『千と千尋の神隠し』で主演を務めたりと、人気女優としてさらなる活躍が期待されている1人です。
若手から中堅へと成長する姿も楽しみに
日本アカデミー賞新人俳優賞は、主演または助演クラスの役で印象に残る演技をした、男女各3~5名の俳優に贈られる賞です。
現在の経験を積んだ演技だけでなく、若手時代の初々しい演技を見て、成長を感じながら楽しむのもおすすめです。
また、日本アカデミー賞は毎年開催されるので、新人俳優賞にノミネートされた俳優に注目し、成長する姿を楽しむのもよいのではないでしょうか?