旬の女優インタビュー 百田夏菜子・後篇
3月12日に公開された『すくってごらん』で初の映画ヒロインを演じている百田夏菜子は、今や「ももいろクローバーZ」のリーダーとして人気アイドルというイメージが強いが、もともとは小学校5年生のときに所属事務所の募集に合格して、女優候補として演技レッスンを受けていた。2008年から「ももいろクローバー」(現・ももいろクローバーZ)のメンバーとなり、2010年にメジャーデビュー。
女優としては、2016~2017年に放送されたNHK朝ドラ『べっぴんさん』にレギュラー出演したほか、2018年に放送された静岡発地域ドラマ『プラスティック・スマイル』(NHK BSプレミアム)でドラマ初主演。その演技力は、高く評価されている。
インタビュー後篇では、金魚すくいのお店を営むヒロインを演じた映画にちなんで、プライベートでの金魚にまつわる思い出も聞いた。
せっかく映画でピアノと出会ったので、また挑戦したいです
──映画『すくってごらん』で演じたヒロインはミステリアスな女性の役でしたが、そういう役を演じるために、何か工夫したことはありますか?
私が演じた吉乃は、口数も多くなくて、何を考えてるのかがわからない不思議な女の子なので、ふとした瞬間の表情だったり、所作や話し方からミステリアスさや大人っぽさを出せればいいなと研究しながら演じてました。
映画の撮影中に、明治座の「ももクロ一座特別公演」の稽古があって、そっちのほうはいつもがに股で「てやんでい」っていう感じの役だったので、その稽古から映画の撮影現場に戻ったときに「なんか雰囲気が違う」と監督に言われました。癖になって、がに股になっていたのかもしれないと思って、改めて姿勢を意識しました。
──今回の映画は金魚すくいのお店が舞台になっていますが、金魚の思い出はありますか?
小学生の頃は、地元のお祭りに行ったら必ず金魚すくいをしてました。金魚すくいで取った金魚が家にずっといました。今はもういませんけど、10年近くいて大きく育って。おじいちゃんの家にも、金魚すくいの金魚がいました。
──映画のロケが行われた奈良県も金魚の産地として有名ですが、調べてみると、百田さんが生まれ育った静岡県も金魚の養殖がさかんだそうですよ。
そうなんですね。知らなかったです。だからなのか、身近に金魚がいて、友達もみんな金魚を飼ってました。
──和の要素が全面に溢れている映画でした。
ももクロも、もともとは和をモチーフにしたグループで、音楽にも和楽器がたくさん使われていたり、衣装にも和服の要素を取り入れていたりするので、日本ならではのものを感じる環境にしますね。私自身も、静岡のお茶を飲んだり、お味噌汁を飲むと、日本の良さを感じます。
──映画やドラマで演技をして、いま、演じることについてはどのように感じていますか?
普段はずっとももクロのメンバーといて、お仕事の現場に行ってもメンバーと話してしまって、ほかの共演者とゆっくり話す機会は、実はあんまりなくて。でも、ひとりで映画やドラマに出演させていただくと、メンバー以外の同じ人たちと長期間一緒にいたりするので、新鮮です。
グループで見ているものに慣れているので、演技の現場に行くと毎回「こんな世界があるんだ」と思います。「ももクロの現場が普通ではなくて変わってるのかな?」と思うときもありますが(笑)。
──演技の現場に長期間いて、久しぶりにももクロのお仕事をするときの気持ちの切り替えは、どのようにしていますか?
自分たちのライブの映像を見て、雰囲気を確かめるときがあります(笑)。その反対もありますね。演技の現場に向かう移動中に風景を思い出したり、台本を読み込んでイメージしたり。
──映画の中でピアノの弾き語りに初挑戦しましたが、今後もまたピアノ演奏を披露することはあるでしょうか?
せっかくこの映画でピアノと出会ったので、また機会があったら挑戦したいなと思います。
■映画『すくってごらん』
2021年3月12日公開
出演:尾上松也 百田夏菜子
柿澤勇人 石田ニコル
矢崎広 大窪人衛 清水みさと 辻本みず希 北山雅康 鴨鈴女 やのぱん 竹井亮介
川野直輝 笑福亭鶴光
原作:大谷紀子『すくってごらん』(講談社「BE LOVE」所載)
監督:真壁幸紀 脚本:土城温美 音楽:鈴木大輔
配給:ギグリーボックス
(c)2020映画「@すくってごらん」製作委員会 (C)大谷紀子/講談社
百田夏菜子(ももた・かなこ)
誕生日 1994年7月12日
出身地 静岡県
所属事務所 スターダストプロモーション
公式サイト https://www.stardust.co.jp/profile/momotakanako.html
公式インスタグラム https://www.instagram.com/kanakomomota_official/