旬の女優インタビュー 石井杏奈・前篇
昨年12月末に解散したE-girlsのメンバーとして活躍してきた石井杏奈。若手演技派女優としても評価が高く、映画『ソロモンの偽証』『ガールズ・ステップ』や、北村匠海と夫婦役を演じたJTのCMなどで活躍。
SABU監督による4月9日公開の映画『砕け散るところを見せてあげる』では、学校で孤立していたところを主人公によって救われる高校生・蔵本玻璃役を演じ、中川大志とダブル主演している。インタビュー前篇では、映画撮影現場での思い出などを聞いた。
「この気持ちを大切にしたい」と思って、その日に感じたことを日記に書いていました
──新型コロナウィルス感染拡大で公開が延期されていましたが、いよいよ映画『砕け散るところを見せてあげる』が公開されますね。
昨年まではE-girlsでの活動と並行して女優業をしてきましたが、今年に入って女優一本で頑張っていきたいという新しい道に踏み出した、その第一歩の作品になります。
公開が1年伸びてしまいましたが、結果として自分にとっては新しい一歩を踏み出すタイミングで公開されることになり、「ここからもっと頑張るぞ」という気合いが入ります。
──撮影現場の記憶としては、どんなことが思い出されますか?
「あした、どうなってもいい」というくらいの気持ちで、毎日、無我夢中で、まっすぐ、命がけで取り組んでました。今思うと、楽しかったです。声が枯れるほどになったり、全身血まみれになったりと、今までしたことのないことを体験して、たくさん新しい自分に出会うことができました。
──いろんなものを得た作品なんですね。
撮影をしている間は毎日、思うことがありました。現場で吸った空気やそこで感じたプレッシャーが積み重なり、日に日に作品に対する愛が深まって、「この気持ちを大切にしたい」と思ったので、その日に感じたことを日記に書いていました。
今それを読み返すと、演じるというよりも玻璃として生きたいのだなと。それが演技の醍醐味だなと思います。
──演じた役については、どう感じましたか?
自分が演じた玻璃という役が、好きになりました。お話をいただいて台本を読んだときに、共感できるところもあり、玻璃を応援したいと思いました。監督からは、役について「こういうふうに演じてほしい」というのが、ほとんどなかったです。自分が思う玻璃を、好きなように演じさせていただきました。
中川大志くんとの掛け合いも、現場でくりひろげられたものに対して一発で監督が「それで大丈夫」と言ってくださいました。そういうふうに、現場で向き合っている中で、玻璃が作られていったな、と感じています。
──4月2日に公開された『ホムンクルス』で演じている役も、『砕け散るところを見せてあげる』の玻璃と同じように、出会った男性によって救われる女性の役ですよね。
撮影時期も違いますし、演じていたときの心情としては2つの役が似ていると思ったことはありませんが、今思い返してみると確かに、どちらも誰かを救いたくて必死になっている人物が描かれている映画だなと思います。
──石井さん自身としては、困っている人や悩んでいる人を救いたいという思いはありますか?
難しいですけど、正義感のようなものはあって、誰かのヒーローになりたいなと思いました。多感な時期に自分を支えてくれた人がたくさんいたからこそ今の自分があるので、自分もいろんな人を支えていきたいなと。
──これから映画『砕け散るところを見せてあげる』を映画館に見に行く人たちへ、メッセージをお願いします。
様々な愛の要素が詰まっている作品ですが、私もこの作品に対する愛や撮影現場のいとおしさを映画に詰め込んでいるので、受け取っていただけたら、うれしいです。
後篇に続く
■映画『砕け散るところを見せてあげる』
2021年4月9日公開
出演:中川大志 石井杏奈
井之脇海 清原果耶 松井愛莉/北村匠海 矢田亜希子 木野花/原田知世/堤真一
監督・脚本・編集:SABU
原作:竹宮ゆゆこ
配給:イオンエンターテイメント
石井杏奈(いしい・あんな)
誕生日 1998年7月11日
出身地 東京都
所属事務所 LDH JAPAN
公式サイト https://www.ldh.co.jp/management/ishii_anna/
公式インスタグラム https://www.instagram.com/anna_ishii_official/
公式ツイッター https://twitter.com/kudake_movie