NHK大河ドラマ「光る君へ」の魅力
NHK大河ドラマ『光る君へ(2024年)』は、平安時代を舞台に書かれた長編小説『源氏物語』の作者・紫式部の生涯をテーマにした意欲作です。作品の魅力や見どころをチェックしましょう。
細やかな感情描写がカギ
本作は、細やかな感情描写を取り入れた作品を得意とする脚本家・大石静が、脚本を担当しています。本作を見ると、これまで抱いていた平安時代の貴族社会への見方が変わるかもしれません。
許されざる恋や略奪愛など、人間の業の深さが感じられるようなラブストーリーで好評を得てきた脚本家だけに、従来のイメージを覆すような作品になるのではと期待されています。
主人公のまひろ(紫式部)が活躍した平安時代の貴族の生活は優雅なようですが、実はどろどろとした権力争いに満ちていました。
脚本家は平安時代の権力闘争や深い情愛を、作品に反映させたそうです。ラブストーリーだけで終わらせず、身内同士の対立や軋轢などを交えた政治・社会を丁寧に描いています。
美しさだけでなく、人としてありがちな醜さにも焦点を当てた、見応えのあるストーリーに注目しましょう。
実力派・意外性のあるキャストも登場
主人公・まひろ(紫式部)を演じる吉高由里子をはじめとした、実力派俳優らのキャスティングにも注目が集まっています。
本作に登場するのは、まひろが仕える藤原家の人々や貴族たち、ライバルの清少納言、陰陽師の安倍晴明など個性豊かな面々ばかりです。実力派から個性派まで、バラエティ豊かな俳優陣が出演しています。
清少納言を演じる歌手・タレントのファーストサマーウイカや、大納言の息子・藤原斉信(ふじわらのただのぶ)を演じるお笑いコンビ『はんにゃ』の金田哲など、意外性のあるキャスティングも話題です。
誰がどの役を演じているかも見どころの一つとなっており、思わぬ人の登場に驚かされるかもしれません。
豪華な衣装にも注目
登場人物に合わせてコーディネートされた豪華な衣装も、物語を引き立てる魅力の一つです。平安時代の装束として知られる、直衣(のうし)や束帯(そくたい)などのデザインにも注目しましょう。
多くの衣装で『かさねの色目』が意識されており、キャラクターのテーマカラーに合ったものが使われています。
かさねの色目とは、季節に合った色の組み合わせのことで、平安時代の貴族たちは季節感を意識した着こなしをしていました。年齢や身分によっても装いが違うので「なぜ、この人物はこのような衣装なのか?」と、考えながら見ると新しい発見があるかもしれません。
主人公・まひろのテーマカラーは紫です。作中に度々登場する、紫を引き立てるような美しい色の組み合わせもチェックしてみましょう。
NHK大河ドラマ「光る君へ」キャストの人気ランキング算出方法
NHK大河ドラマ『光る君へ』キャストの人気ランキングは、株式会社アーキテクトが独自調査で集計した結果で構成しています。詳しい算出方法を解説します。
当社独自の集計方式で算出
NHK大河ドラマ『光る君へ』キャストの人気ランキングは、株式会社アーキテクトが実施する業界最大規模のタレント調査『タレントパワーランキング』をもとにパワースコアを算出しました。こちらのデータから、ランキングが作成されています。
パワースコアとは、調査結果をもとに、タレントの認知度(顔と名前を知っている)と誘引率(見たい・聴きたい・知りたい)を掛け合わせた値です。
今回のランキングは『第5弾発表までのキャスト』を対象に、2023年11月度・2024年2月度に行われた調査をもとに作成しています。
NHK大河ドラマ「光る君へ」キャストの人気ランキング【男性編】
本作では登場人物たちの恋模様ばかりではなく、権力の座を争う男たちの戦いも描かれています。対立するもの同士の争いや、駆け引きなども見どころの一つです。
主演する俳優だけでなく、脇を固めるキャストの豪華さも話題となっています。第5弾発表までのキャストを対象にした、男性出演者の人気ランキングをチェックしましょう。
8位:上地雄輔
1979年4月18日生まれ、神奈川県横須賀市出身のタレント・俳優です。『遊助』という名義で、歌手活動も積極的に行っています。
タレントとしては、情報番組『ひるおび』の金曜・午後のコメンテーターとして出演中です。NHK大河ドラマへの出演は、『天地人(2009年)』で小早川秀秋役を演じて以来となります。
本作で演じるのは、藤原道長の異母兄・藤原道綱(ふじわらのみちつな)役です。道綱は才能に恵まれず周囲から軽く見られることが多いものの、お人好しで明るく憎めない人物として描かれています。
7位:岸谷五朗
1964年9月27日生まれ、東京都出身の俳優です。映画『月はどっちに出ている(1993年)』での演技が評価され、話題作やCMなどに次々と出演するようになりました。
俳優・寺脇康文との演劇企画ユニット『地球ゴージャス』では、演出や脚本も担当するなどマルチに才能を発揮しています。
本作では、主人公・まひろ(紫式部)の父である藤原為時(ふじわらのためとき)役を演じています。当時栄華を極めていた藤原家に生まれたものの、下級貴族として裕福とは言い難い生活をしてきた人物です。
和歌や漢詩に造詣が深く、娘のまひろ(紫式部)が文学の道へと進む手助けをしたとされます。
6位:柄本佑
俳優の道を歩み始めたきっかけは、映画『美しい夏キリシマ(2003年)』の主人公役オーディションを受けて合格したことです。演技力の高さが評価され、以降多くの映像作品に出演するようになります。
近年の主な出演作と役は、NHK連続テレビ小説『ゲゲゲの女房(2010年)』の菅井役や、映画『シン・仮面ライダー(2023年)』の一文字隼人役などです。映画監督としても活動するなど、活躍の場を広げています。
本作で演じているのは、藤原道長(ふじわらのみちなが)役です。摂関政治の全盛期を築いた人物であり、政治の中心となって権力を掌握しました。
主人公・まひろ(紫式部)とは深い絆で結ばれています。まひろの才気を見込んで娘・彰子に仕えさせ、執筆活動をバックアップする役どころです。
5位:井浦新
1974年9月15日生まれ、東京都出身の俳優です。『ARATA』の名義でモデル活動を開始し、映画『ワンダフルライフ(1999年)』で俳優デビューを果たしました。
映画『11・25自決の日 三島由紀夫と若者たち(2012年)』で三島由紀夫役を演じるにあたって、本名の井浦新に改名しています。
俳優活動だけでなく、日本の伝統工芸の支援やファッションブランドのディレクター、コスメブランドの立ち上げも行っている人物です。
本作で演じるのは、藤原道長の長兄・藤原道隆(ふじわらのみちたか)です。才能に恵まれ、上品さや明るさも兼ね備えた優秀な人物として描かれています。
4位:三浦翔平
1988年6月3日生まれ、東京都出身の俳優です。『第20回JUNONスーパーボーイコンテスト』で、フォトジェニック賞と理想の恋人賞をダブル受賞した経歴を持ちます。
近年の主な出演作と役は、映画『嘘喰い(2022年)』の佐田国一輝役や、ドラマ『おっさんずラブ-リターンズ-(2024年)』の六道菊之助役などです。
本作では、道隆の嫡男・藤原伊周(ふじわらのこれちか)役を担当しています。父が権力を握ったことでスピード出世を果たす運の良さだけではなく、才能と美貌を持ち合わせている人物です。
道隆が弟たちよりも息子たちに権力を継がせたいと考えたため、道長とはライバル関係になります。父が亡くなった後は、一条天皇に入内した妹の定子が頼みの綱となりました。
3位:ユースケ・サンタマリア
1971年3月12日生まれ、大分県出身のタレント・俳優です。ラテンロックバンド『BINGO BONGO』のボーカル&MCとして活躍し、現在はバラエティ番組やドラマ、映画への出演など幅広く活動しています。
俳優としての主な出演作は、ドラマ『踊る大捜査線』シリーズや、同作品のスピンオフ映画『交渉人 真下正義(2005年)』などです。
本作では陰陽師・安倍晴明(あべのはるあきら)を演じています。陰陽師は人智を超えた力を持つ存在として、平安時代の人々から畏怖されている存在です。
天文学や占いに精通し、当時の政治にも影響を与えました。具体的には、方位や時間の吉凶を占い、祈祷や暦の制作などを行っていたとされ、貴族社会になくてはならない人物だったとされます。
2位:佐々木蔵之介
1968年生まれ、京都府出身の俳優です。NHKのドラマへの出演は、NHK連続テレビ小説『オードリー(2000年)』が最初で、スター俳優・幹幸太郎役を演じて話題を集めました。
以降、NHK連続テレビ小説『ひよっこ(2017年)』や、NHK大河ドラマ『麒麟がくる(2020年)』などに出演しています。
本作で演じるのは、主人公・まひろ(紫式部)の夫である、藤原宣孝(ふじわらののぶたか)役です。まひろの父・為時と年齢の近い同僚という間柄で、まひろが幼いときから関わりがありました。
おだやかで上品な性格の人物として描かれ、明るく朗らかにまひろを見守ります。
1位:秋山竜次(ロバート)
1978年8月15日生まれ、福岡県北九州市出身のお笑い芸人です。馬場裕之・山本博とともにお笑いトリオ『ロバート』を結成しています。『キングオブコント2011』で優勝し、お笑いタレントとして認知度をアップしました。
秋山竜次個人としては、さまざまな最新鋭のクリエイターに扮する『クリエイターズ・ファイル』を企画しています。
架空のクリエイターになりきって、ドキュメンタリー形式で紹介するユニークな試みです。作り込まれた人となりや、ビジュアルなどが見どころとなっています。
本作で演じるのは、道長の先輩格に当たる天皇の側近・藤原実資(ふじわらのさねすけ)です。平安時代中期の生活を記した『小右記(しょうゆうき)』の筆者としても知られています。
『小右記』は、摂関政治最盛期の宮中の様子や、政務・儀式について残されている貴重な書物として有名です。
NHK大河ドラマ「光る君へ」キャストの人気ランキング【女性編】
本作に出演している女優たちは、実力派として知られている人ばかりです。多くのドラマ・映画などで主演を演じてきた人気女優や中堅どころで、しっかりと固められています。
第5弾発表までのキャストを対象にした、女性出演者の人気ランキングをチェックしましょう。
8位:瀧内公美
1989年10月21日生まれ、富山県出身の女優です。高校時代に地元でモデル活動を始め、2012年から女優として本格的に活動し始めました。
主な出演作は、映画『彼女の人生は間違いじゃない(2017年)』『火口のふたり(2019年)』などです。『目先のことに全力を捧げる』という信条を掲げています。
本作で演じるのは、藤原道長の妻の一人・源明子(みなもとのあきこ)役です。明子は幼い頃に父が失脚したため、もう一人の正妻である源倫子に比べ、弱い立場だったとされます。
物語が進むにつれ、まひろ(紫式部)に鬱々とした感情を募らせていく役柄です。
7位:見上愛
2000年10月26日生まれ、東京都出身の女優です。2019年にデビューし、ドラマ・映画・CMなどで活躍しています。
近年の主な出演作は、ドラマ『往生際の意味を知れ!(2023年)』や映画『レジェンド&バタフライ(2023年)』などです。
NHK大河ドラマへの出演は本作が初めてで、紫式部が仕える藤原道長の長女・藤原彰子(ふじわらのあきこ)役を務めます。
彰子は、幼少期に一条天皇に入内しました。優しさと強さを持つ女性として描かれています。主人公のまひろ(紫式部)は彰子に仕え、師弟のような関係性となります。
6位:板谷由夏
1975年6月22日生まれ、福岡県出身の女優です。映画『avec mon mari(1999年)』で女優デビューしました。
2015年に、大人向けのファッションブランド『SINME(シンメ)』を立ち上げたことでも知られています。私生活では2児の母でもあり、精力的に活躍中です。
本作では、藤原道隆の妻・高階貴子(たかしなのたかこ)を演じています。息子たちや、一条天皇に入内する娘・定子の教育に力を入れる、知的な女性です。
5位:ファーストサマーウイカ
2013年にアイドルグループ『BiS』の一員としてメジャーデビューし、同グループの解散後も音楽活動を続け、2021年にソロデビューしました。現在は音楽活動と並行し、タレント・女優としても活躍中です。
本作では、一条天皇に入内した定子に仕える、ききょう(清少納言)を演じています。清少納言は、随筆『枕草子(まくらのそうし)』の作者として知られ、歌人としても活躍した人物です。
創造の分野で優れた才覚を表し、主人である定子に誠意を持って仕えた人物として描かれています。『枕草子』は、定子に仕えていた間に起きた出来事や見聞きしたことなどが書かれ、この時代の人々の暮らしを知るための貴重な書物です。
4位:黒木華
映画『東京オアシス(2011年)』でスクリーンデビューして以降、多くの話題作に出演し、若手実力派女優として頭角を現しました。
山田洋次監督作の映画『小さいおうち(2014年)』で、第64回ベルリン国際映画祭の銀熊賞を受賞するなど、演技力が確かな女優として知られています。日本人女優の中で最年少受賞だったことから、大きな話題になりました。
本作で演じているのは、藤原道長の正妻・源倫子(みなもとのともこ)役です。強さを持ちながらもおおらかな女性として、描かれています。
3位:吉田羊
舞台女優として小劇場を中心に活動をしていましたが、ドラマ・映画などの映像作品にも活躍の場を広げ、人気女優の仲間入りを果たしました。
映画『映画 ビリギャル(2015年)』では、第39回日本アカデミー賞優秀助演女優賞を獲得するなど、演技力が評価されている女優の一人です。近年では、ドラマ『コウノドリ』シリーズや『不適切にもほどがある!(2024年)』などに出演しました。
本作で演じるのは、藤原道長の姉・藤原詮子(ふじわらのあきこ)です。後に一条天皇となる、息子の懐仁親王を非常にかわいがっています。懐仁親王が成人してからも寄り添い続け、宮廷で権力を振るった人物です。
2位:高畑充希
1991年12月14日生まれ、大阪府出身の女優です。中学校在学中に、ミュージカルのオーディションに合格したことがきっかけで、デビューしました。ミュージカル『ピーター・パン』の8代目として知られています。
映像作品での主な出演作と役は、映画『アオハライド(2014年)』の成海唯役や、NHK連続テレビ小説『とと姉ちゃん(2016年)』のヒロイン・小橋常子役などです。
本作で演じるのは、藤原道隆の長女 ・藤原定子(ふじわらのさだこ)役です。定子は一条天皇の寵愛を受けた人物で、主人公・まひろ(紫式部)が仕える彰子とはライバル関係にあります。才気にあふれ、清少納言とともに文化的なサロンを築き上げました。
1位:吉高由里子
1988年7月22日生まれ、東京都出身の女優です。NHK連続テレビ小説『花子とアン(2014年)』でヒロイン・安東はな(村岡花子)を演じました。
近年の主な出演作は、ドラマ『星降る夜に(2023年)』や映画『風よ あらしよ 劇場版(2024年)』などです。
本作では、主人公・まひろ(紫式部)役を演じています。まひろ(紫式部)は、平安時代に歌人・漢詩人として活躍した藤原為時の娘として生まれ、父の手ほどきにより文学の素養を身に付けました。
理想の男性・光源氏の生涯を描いた『源氏物語』を執筆し、大ヒットしたことで有名な人物です。作中では、想像力旺盛で好奇心が強い人物として描かれています。
豪華キャストと複雑な物語に酔いしれて
NHK大河ドラマ『光る君へ』には、実力派俳優や意外な人物がキャスティングされています。キャストの詳細や役回りを知ると、より深く物語を知る手助けになるでしょう。
登場人物が多く、似た名前の人物もいる作品です。対立関係や役割などを意識しながら見ると、話の筋が分かりやすくなります。
平安時代ならではの衣装やセットなども、見どころの一つです。より物語の世界に夢中になりたい人は、この時代に生きた紫式部や清少納言の著作も併せてチェックしてみてはいかがでしょうか。