Z世代が「演技力がある」と評価する30代男優タレントランキングの算出方法

アーキテクトが実施しているタレントパワーランキングのイメージワード調査は、そのタレントの名前も顔を知っていると答えた回答者に用意したワードの中から3つ選んでもらっています。ここでは、最新データ結果において30歳~39歳の男性俳優の中で、Z世代(※)男女の回答において「演技力がある」のスコアが高かった順にランキング化しました。今回は2024年度データ結果を使用しています(男優イメージ調査最新結果)。年齢は2025年6月10日時点です。
なお、ドラマ・映画出演以外の活動が中心となっている人は除きました。ここでは2022~2025年(今後放送開始・公開予定の作品を含む)における連ドラレギュラー出演と映画出演(声優・吹き替えを除く)が合わせて3作品以上を基本的な基準としてします。
※Z世代の定義は明確ではありませんが、ここではZ世代という区分が生まれたアメリカの学会などで一般的に言われている「1990年初頭から2000年代前半生まれ」という定義を採用しています。これにしたがって、10代と20代前半・後半の回答を合わせたものをランキングのもとにしています。

Z世代で特に「演技力がある」のスコアが高い山﨑賢人・間宮祥太朗
20位
岡山天音
1994年6月17日生まれ、東京都出身。2009年に『中学生日記シリーズ』(NHK)で俳優デビュー。個性的な存在感を持ったバイプレイヤーとして演技力を発揮する一方、2017年公開の映画『ポエトリーエンジェル』、2025年3月16日に放送されたNHK特集ドラマ『どうせ死ぬなら、パリで死のう。』などでは主演でも活躍しています。
2025年度のNHK大河ドラマ『べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜』に戯作者としても活動する武士・倉橋格(恋川春町)役で出演中。1月に公開された映画『アンダーニンジャ』に猿田役で出演したほか、Mrs. GREEN APPLEの大森元貴とtimeleszの菊池風磨がW主演した4月25日公開の映画『#真相をお話しします』では生配信チャンネルの管理人役を演じています。
19位
賀来賢人
1989年7月3日生まれ、東京都出身。2007年に俳優デビュー。2014年放送のNHK連続テレビ小説『花子とアン』、2015年のNHK大河ドラマ『花燃ゆ』などで好演。2018年放送のドラマ『今日から俺は!!』(日テレ系)で主演して、コメディ作品で高いポテンシャルを見せる演技派としての評価を決定づけました。
2025年3月、日本人男性としては初めてカルティエのグローバルビジュアルに起用されて話題を集めています。8月公開の『劇場版TOKYO MER〜走る緊急救命室〜南海ミッション』にも出演します。ケンタッキーフライドチキン、レバテックなどのCMでも演技力を発揮しています。
18位
間宮祥太朗
1993年6月11日生まれ、神奈川県出身。2008年に俳優デビュー。2016年に『ニーチェ先生』(読売・日テレ系)で連ドラ初主演。2018年にはNHK連続テレビ小説『半分、青い。』で活躍して注目を集めました。力強い演技に定評があります。
男女全体での「演技力がある」のスコアは30代男優27位で、この世代でのスコアが特に高くなっています。2025年1月公開の『アンダーニンジャ』には配達員として潜伏する忍者・加藤役で出演。春はドラマ『イグナイト –法の無法者–』(TBS系)で主人公の新米弁護士を演じています。8月公開のアニメ映画『不思議の国でアリスと -Dive in Wonderland-』に声のキャストとして参加しています。
17位
浅利陽介
1987年8月14日生まれ、東京都出身。子役出身の実力派。ドラマ『ROOKIES』(TBS系)、『コード・ブルー』(フジ系)などで活躍。『相棒』(テレ朝系)ではサイバーセキュリティ対策本部の特別捜査官・青木年男役でseason15からseason20でレギュラー出演して、半目など作り込んだ役作りが好評を集めました。
2025年3月に東京・PARCO劇場で上演された相葉雅紀主演の舞台『グッバイ、レーニン!』に出演しました。4月6日にスタートした小芝風花主演の時代劇ドラマ『あきない世傳 金と銀2』(NHK BS)に指物師の和三郎役で出演しました。
16位
中村倫也
1986年12月24日生まれ、東京都出身。2005年に俳優デビュー。2018年にNHK連続テレビ小説『半分、青い。』に出演して、知名度が上昇。2020年放送の『美食探偵明智五郎』(日テレ系)で約13年ぶりに連ドラで主演したのを皮切りに、その後は多くの作品で主演しています。
2025年1月に放送されたSFオムニバスショートドラマ『ノンレムの窓2025新春』(日テレ系)の第1話で古田新太とW主演したほか、3月放送の『藤子・F・不二雄 SF短編ドラマ シーズン3「異人アンドロ氏」』(NHK BS)でも主演しました。9月から10月には堤真一との二人芝居『ライフ・イン・ザ・シアター』が全国6都市で上演されます。
15位
吉沢亮
1994年2月1日生まれ、東京都出身。2010年に俳優デビュー。2013年、三宅乱丈の漫画を原作とする『ぶっせん』(TBS系)で連ドラ初主演。2019年放送のNHK連続テレビ小説『なつぞら』、同じ年に公開された映画『キングダム』で注目を集め、2021年にはNHK大河ドラマ『青天を衝け』で主演しました。
2025年6月6日に吉田修一の小説を李相日監督が映画化した主演映画『国宝』が公開され、さらに主演映画『ババンババンバンバンパイア』が7月4日に公開されることが決定しました。
14位
林遣都
1990年12月6日生まれ、滋賀県出身。俳優デビューは2007年に公開された映画『バッテリー』の主演。2011年、『荒川アンダーザブリッジ』(MBS・TBS系)で連ドラ初主演。2018年放送の『おっさんずラブ』(テレ朝系)の牧凌太役でも人気を集めました。
舞台出演も多く、2025年3月7日~4月6日に東京と大阪で上演された『やなぎにツバメは』で大竹しのぶ、木野花、松岡茉優らと共演。1月から放映がスタートした転職サービス「doda(デューダ)」の新CMでは北村匠海と共演しています(それぞれデューダのCMに出演していましたが、ダブルキャストのCMは初)。
13位
菅田将暉
1993年2月21日生まれ、大阪府出身。2009年に『仮面ライダーW』(テレ朝系)で主人公のひとりを演じて俳優デビュー。2015年にドラマ『民王』(テレ朝系)で遠藤憲一とW主演して、本格的にブレイク。2019年に『3年A組 ―今から皆さんは、人質です―』(日テレ系)でゴールデンプライムタイム(GP)帯連ドラ初主演。作品ごとに違った表情を見せるカリスマ性を秘めた俳優として支持され、2025年2月度のタレントパワーでは30代男優1位となっています。
宮藤官九郎が脚本を手がけた主演映画『サンセット・サンライズ』が2025年1月に公開されました。4月21日からオンエアされている森永乳業「マウントレーニア」の新CM“「偉大なる、ひとやすみ。」篇・「ある名優」篇で、プライベートでも親友である仲野太賀とCM初共演しています。

12位
柄本佑
1986年12月16日生まれ、東京都出身。オーディションで主演に選ばれ、2003年公開の映画『美しい夏のキリシマ』で俳優デビュー。朝ドラ『あさが来た』(NHK・2015年)、吉高由里子主演ドラマ『知らなくていいコト』(日テレ系・2020年)などで独自の雰囲気を持った個性派として注目を集めました。
吉高由里子が主演した2024年度のNHK大河ドラマ『光る君へ』では藤原道長役を演じました。2025年2月7日公開のアニメ映画『野生の島ロズ』で綾瀬はるからとともに日本語吹き替えを担当。2月21日に公開された根岸吉太郎・監督、広瀬すす・主演の映画『ゆきてかへらぬ』に主人公が東京で出会う「勤め人」役で出演しました。

11位
池松壮亮
1990年7月9日生まれ、福岡県出身。子役としての活躍を経て、2010年代に入ってから多くの映画で深みのある演技を見せて数々の映画賞を受賞。2017年に『金と銀』(テレ東系)で連ドラ初主演して、ドラマでも活躍するようになりました。
バカリズムが脚本を手がけた2025年1月期ドラマ『ホットスポット』(日テレ系)で『月曜から夜ふかし』のディレクター役を演じました。4月24日からNHK BSプレミアムで放送されたドラマ『シリーズ・横溝正史短編集Ⅳ』(NHK BSP4Kでは4月19日から)で主人公の金田一耕助を演じました。主演映画『THE オリバーな犬、(Gosh!!)このヤロウ MOVIE』が秋に公開予定。Z世代女性の回答に限ると80.4%の高いスコアを示しており、30代男優トップです。
10位
濱田岳
1988年6月28日生まれ、東京都出身。1998年に子役デビュー。2004年にドラマ『3年B組金八先生』第7シリーズ(TBS系)に生徒役で出演。2015年には『釣りバカ日誌〜新入社員 浜崎伝助〜』(テレ東系)で主演。親しみやすい役柄を得意とする演技派としてのポジションを確立して、2017年のNHK連続テレビ小説『わろてんか』でも活躍しました。
2025年3月に放送されたグルメドラマ『キキミミメシ 博多なのにミルフィーユ鍋?!昭和中華メシでまいう~に遭遇 天神伝説の夜 編』(TNC)で主演。4月24日スタートのドラマ『PJ 〜航空救難団〜』(テレ朝系)に救難教育隊の教官役で出演。演技派俳優がテレビ番組で声の仕事をすることも多くなっていますが、濱田はドキュメンタリー番組『アナザーストーリー運命の分岐点』(NHK BS)で語りを担当しています。
9位
磯村勇斗
1992年9月11日生まれ、静岡県出身。17歳のころから地元の劇団に入団して演技を学び、当初はフリーで俳優活動を開始。2015年に『仮面ライダーゴースト』(テレ朝系)に出演。NHK 連続テレビ小説『ひよっこ』、『今日から俺は!!』などで活躍して、演技に対してストイックに向き合う俳優として支持を集めました。
2025年1月期は広瀬すず主演ドラマ『クジャクのダンス、誰が見た?』(TBS系)に出演。1月に公開された松重豊監督・主演の『劇映画 孤独のグルメ』で主人公とともに究極のスープ探しをする青年・中川を演じました。2024年10月から『新美の巨人たち』(テレ東系)のナレーターを上野樹里と隔週交代で担当しています。
8位
山﨑賢人
1994年9月7日生まれ、東京都出身。原宿でスカウトされ、2010年にオダギリジョー主演の『熱海の捜査官』(テレ朝系)で俳優デビュー。2015年のNHK連続テレビ小説『まれ』で活躍して知名度上昇。2019年から映画『キングダム』シリーズで主演。2020年に土屋太鳳とW主演したドラマ『今際の国のアリス』(Netflix)はZ世代から高い支持を集めました。
男女全体での「演技力がある」のスコアは30代男優16位で、この世代でのスコアが特に高くなっています。2024年秋にはドラマ『ゴールデンカムイ ―北海道刺青囚人争奪編』(WOWOW)で主演。2025年1月24日に公開された福田雄一監督の映画『アンダーニンジャ』で主演しました。主演ドラマ『今際の国のアリス』シーズン3が9月に配信される予定です。
7位
柳楽優弥
1990年3月26日生まれ、東京都出身。2004年に公開された是枝裕和監督の映画『誰も知らない』の主役に抜擢。そのナイーブな魅力を持った演技は海外でも高く評価されて、カンヌ国際映画祭コンペティション部門で日本人としては初めて男優賞を受賞しました。2014年に『アオイホノオ』(テレ東系)で連ドラ初主演。
2024年10月期ドラマ『ライオンの隠れ家』(TBS系)で主演しました。二宮正明の漫画を原作とする主演ドラマ『ガンニバル』シーズン2(ディズニープラス・スター)が3月から全世界配信されました。
6位
矢本悠馬
1990年8月31日生まれ、京都府出身。2003年に子役デビュー。一時芸能界を離れていたが、2011年に活動を再開。2014年に『花子とアン』で注目を集め、2015年に『ブスと野獣』(フジ系)で連ドラ初主演(おかずクラブのゆいPとW主演)。幅広い役柄を演じて、作品にアクセントを加える演技派として人気を集めています。
2025年1月期のドラマ『相続探偵』(日テレ系)に元警視庁科捜研のエース研究員役で出演。赤楚衛二が演じた主人公、桜田ひよりが演じたヒロインと並ぶ重要キャラクターとして活躍を見せました。大河ドラマ『べらぼう』では旗本・佐野政言を演じています。また、短編映画プロジェクト「MIRRORLIAR FILMS」のSeason7で5月に公開された『Victimes』(監督・加藤浩次)で主演しました。
5位
窪田正孝
1988年8月6日生まれ、神奈川県出身。2006年に俳優デビュー。2015年にドラマ『デスノート』(日テレ系)で主演して注目度が急上昇。2020年にはNHK連続テレビ小説『エール』で主演しました。繊細でやさしい人物から悪役まで、幅広い役柄を演じる俳優として知られています。
2025年3月公開の北村匠海主演映画『悪い夏』に裏社会の住人役で出演しています。9月公開の妻夫木聡主演映画『宝島』にも出演。戦後の沖縄が舞台で、窪田は島から失踪した英雄の弟を演じます。Z世代男性の回答に限ると、「演技力がある」のスコアは30代男優の中で1位です。
4位
染谷将太
1992年9月3日生まれ、東京都出身。子役を経て、2011年に映画『ヒミズ』で共演者の二階堂ふみとともにヴェネツィア国際映画祭でマルチェロ・マストロヤンニ賞(最優秀新人賞)を日本人俳優としては初受賞して、ニュースでも大きく取り上げられました。2020年にはNHK大河ドラマ『麒麟がくる』で織田信長を演じました。
2025年度のNHK大河ドラマ『べらぼう』で喜多川歌麿を演じています。3月に公開された映画『BAUS 映画から船出した映画館』で主演。2014年に閉館した映画館・吉祥寺バウスシアターの道のりを描き、染谷は青森県から上京して前身である井の頭会館に勤める主人公を演じました。11月配信予定の岡田准一主演による時代劇『イクサガミ』(Netflix)にも出演。Z世代の中でも特に20代男女の回答では「演技力がある」のスコアは30代男優1位となっています。
3位
柄本時生
1989年10月17日生まれ、東京都出身。2003年に俳優デビュー。2016年に『初恋芸人』(NHK BS)で主演していますが、主に個性派の名脇役俳優として知られ、2021年に公開された映画『バイプレイヤーズ 〜もしも100人の名脇役が映画を作ったら〜』にも本人役で出演しました。
2025年3月に放送された『藤子・F・不二雄 SF短編ドラマ シーズン3「ミラクルマン」』(NHK BS)に出演。4月25日から北海道限定で放送され、6月1日からBS-TBSで放送されているドラマ『三笠のキングと、あと数人』(HBC)で高杉真宙とW主演しています。7月から上演される舞台『泣くロミオと怒るジュリエット2025』では2020年の初演に続きジュリエットを演じます(ロミオ役も前回と同じくWEST.の桐山照史)。男女全年齢では6位で、Z世代での順位の方が高くなっています。
朝ドラ主演経験者俳優と2026年大河主演俳優が同スコアで1位
1位
神木隆之介
1位には2名が同スコアで並んでいます。1993年5月19日生まれ、埼玉県出身。子役として活躍後、2007年にドラマ『探偵学園Q』(日テレ系)で連ドラ初主演。2016年に大ヒットした新海誠監督のアニメ映画『君の名は。』で主演。2023年にはNHK連続テレビ小説『らんまん』で主演しました。
端島(軍艦島)を舞台にした、2024年10月期の日曜劇場『海に眠るダイヤモンド』(TBS系)で過去と現在の2役で主演して話題を集めました。2025年4月18日にはドラマの舞台となった長崎県でトークイベントが開催されました。4月からサントリーノンアルコール飲料の新CMに出演中。男女全体での「演技力がある」のスコアは30代男優7位で、この世代でのスコアが特に高くなっています。
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1位
仲野太賀
1993年2月7日生まれ、東京都出身。2006年に俳優デビュー。2018年放送のドラマ『今日から俺は!!』で今井勝俊役を演じて、この世代での人気が上昇しました。2020年、南海キャンディーズの山里亮太の短編小説集をドラマ化した『あのコの夢を見たんです。』(テレ東系)で連ドラ初主演。
2024年はNHK連続テレビ小説『虎に翼』で伊藤沙莉が演じた主人公の夫・佐田優三役を演じたほか、宮藤官九郎脚本の『新宿野戦病院』(フジ系)で小池栄子とW主演して、コメディでの巧さを見せました。2026年のNHK大河ドラマ『豊臣兄弟!』で主演。豊臣秀吉の弟・秀長を演じます。

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評論家。『日経エンタテインメント!』『日刊ゲンダイ』などで男女俳優・アイドルの取材や分析を展開している。テレビ番組や雑誌・Webニュースにコメントを提供するほか、映画の劇場用パンフレットなどでも俳優論・演出論を執筆。https://note.com/tokyodiorama