2023年下半期にブレイクした男性タレント・女性タレントランキングの調査方法
このTOP10は、2023年8月・11月に実施されたタレントパワーランキングの定期調査で認知度・誘引率・パワースコアの上昇率ランキング上位に入ったタレント、および注目度が急上昇して新規調査対象になったタレントの中から、世代別・時系列などの各種データを加味して順位を決定しました。
パワースコアとは、調査結果をもとに、タレントの認知度(顔と名前を知っている)と誘引率(見たい・聴きたい・知りたい)を掛け合わせた値です。
上昇率ランキング上位であっても、既に世間に知られていた人および203年上半期までのこのシリーズでランキング入りしたことがある人は除外しました。なお、順位はブレイクのインパクトの大きさなどを考慮して独自に作成したもので、人気やタレントパワーの順位通りではありません。
男性タレント編
10位は那須雄登です。2002年1月16日生まれ、東京都出身。2016年にジャニーズJr.(現・ジュニア)内のユニット「美 少年」のメンバーに選出。バラエティ番組にソロで多数出演するほか、俳優としてもドラマ『姉ちゃんの恋人』(カンテレ/フジ系)、『春は短し恋せよ男子。』(日テレ系)などに出演しました。
2023年7~9月には『ラヴィット』(TBS系)に月曜担当としてレギュラー出演して、知名度が上昇。タレントパワーランキングの11月度調査では10代女性の回答におけるパワースコア上昇率ランキングで20代男性タレント部門6位にランクイン。若い女性層での注目度の高さを示しています。
9位は俳優の岡部たかし。 1972年6月22日生まれ、和歌山県出身。多くの舞台で活躍してきたほか、NHK大河ドラマ『西郷どん』『青天を衝け』、NHK連続テレビ小説『なつぞら』『エール』などのドラマに出演しました。
現在52歳のベテラン俳優ですが、2023年夏に放送されたドラマ『ハヤブサ消防隊』(テレ朝系)に出演して知名度が急上昇。8月度調査で認知度上昇率・男優6位(40代以上男優では2位)にランクイン。さらに、10月にスタートしたNHK連続テレビ小説『ブギウギ』で“アホのおっちゃん”役を演じて注目を集めました。2024年春放送回予定のNHK連続テレビ小説『虎に翼』にも出演します。
8位は松島聡です。1997年11月27日生まれ、静岡県出身。2011年にSexy ZoneのメンバーとしてCDデビュー。2023年春クールのドラマ『帰ってきたぞよ!コタローは1人暮らし』(テレ朝系)に出演して、TELASAで配信されたスピンオフドラマ『佑どののジブン探し』の主役を演じました。
2023年夏クールのドラマ『紅さすライフ』(日テレ系)になにわ男子の大西流星が演じた主人公の異母兄弟役で出演して注目を集め、11月度パワースコア上昇率・20代男性タレント10位。Z世代(10代+20代前半)の回答に限ると、同3位の高い数値を示しています。
7位には川村壱馬がランクイン。1997年1月7日生まれ、大阪府出身。2014年、THE RAMPAGEにボーカルとして加入。
2023年春クールのドラマ『日曜の夜くらいは…』(ABC/テレ朝系)でカフェプロデューサー役を好演したのに続き、秋クールの『セクシー田中さん』(日テレ系)で生見愛瑠の元カレ役を演じて俳優として注目度が上昇して、11月度誘引率上昇率・男性歌手/ミュージシャン1位。2023年12月に公開された映画『MY (K)NIGHT』でTHE RAMPAGEのRIKU、吉野北人とともに主演しています。
6位はお笑いコンビの真空ジェシカです。川北茂澄とガクによって2011年に結成。2021年のM-1グランプリで初めて決勝進出して注目を集めました。
2022年・2023年のM-1グランプリでも決勝進出。2023年5月から冠番組『ジェシカ美術部』(テレ朝系)がスタートするなどテレビ出演も増えて、知名度が上昇。8月度認知度上昇率・お笑いタレント6位にランクインしました。
5位には俳優の木戸大聖がランクインしました。1996年12月10日生まれ、福岡県出身。2017年に俳優として活動開始。2018~2021年にはNHK BSの子供向け番組『おとうさんといっしょ』にレギュラー出演していました。
2023年8月放送のドラマ『僕たちの校内放送』(フジ系)で連ドラ初主演したのに続いて、10月クールの『ゆりあ先生の赤い糸』(テレ朝系)にも出演して注目を集め、11月度誘引率上昇率・20代男優5位。2023年7月に公開された映画『先生!口裂け女です!』でも主演しました。
4位は俳優の山時聡真です。2005年6月6日生まれ、東京都出身。5歳の頃から芸能活動を開始。ドラマ『少年寅次郎』『エール』(NHK)、『この初恋はフィクションです』(TBS系)などに出演しました。
2023年7月に公開された宮崎駿監督の10年ぶりの新作長編アニメ―ション映画『君たちはどう生きるか』で主演。7月クールのドラマ『最高の教師 1年後、私は生徒に■された』(日テレ系)にもレギュラー出演したことで注目度がアップして、11月度誘引率上昇率・男性2位。10代男性では1位でした。2024年1月23日にスタートするドラマ『マルス-ゼロの革命-』(テレ朝系)に出演しています。
キングオブコント準優勝コンビがトップ3入り
3位はお笑いコンビのコットンです。元・広島ホームテレビアナウンサーの西村真二と埼玉県出身のきょんによって2012年に結成(当時のコンビ名は「ラフレクラン」)。
2022年のキングオブコントで準優勝して注目を集め、ニホンモニター調べ「2023ブレイクタレント」(昨年と比べて関東地区のテレビ番組出演数が増加したタレント)で2位(235番組増)にランクインしました。
8月度パワースコア上昇率・お笑い9位。特に20代男女で支持が上昇して、この年代では上昇率1位でした。
2位は俳優の萩原利久です。1999年2月28日生まれ、埼玉県出身。2008年にデビュー。2019年にドラマ『電影少女 -VIDEO GIRL MAI 2019-』(テレ東系)で乃木坂46の山下美月とW主演しました。
2023年夏クールの月9ドラマ『真夏のシンデレラ』(フジ系)で活躍して注目を集め、8月度パワースコア上昇率・男優3位、認知度の上昇率でも男優2位にランクイン。秋クールの『たとえあなたを忘れても』(テレ朝系)では堀田真由の相手役を演じました。
11月度調査のデータを年代別に見ると、10代前半女性、20代後半男性でパワースコアが高くなっています。2024年1月クールはドラマ『めぐる未来』(日テレ系)で主演します。
男性1位は2023年に連ドラ初主演した若手俳優
1位は俳優の綱啓永です。1998年12月24日生まれ、千葉県出身。2017年にジュノン・スーパーボーイ・コンテストでグランプリ受賞。2022年に放送されたドラマ『君の花になる』(TBS系)でボーイズグループのメンバー役を演じました。
2023年夏クールのドラマ『ばらかもん』(フジ系)に出演して幅広い層で注目度が上がり、8月度パワースコア上昇率・男優2位。Z世代男女の回答では同1位でした。10~11月に放送された『ぽさにまる』(フジ系)で連ドラ初主演(上白石萌音、森愁斗とトリプル主演)。さらに、秋クールの『恋愛のすゝめ』(TBS系)でも主演しました。2024年1月26日公開の映画『違う惑星の変な恋人』にも出演しています。
11月度調査結果では10代後半女性、10代前半女性、20代前半男性でパワースコアが高くなっています。
女性タレント編
10位は日向坂46の上村ひなの。2004年4月12日生まれ、東京都出身。2018年に坂道合同オーディションで合格して、けやき坂46(現・日向坂46)3期生として加入しました。
加入当時からグループの次世代エース候補として期待されていましたが、2023年夏放送の『DIY!!-どぅー・いっと・ゆあせるふ-』(MBS/TBS系)で連ドラ初主演を果たすとともに、7月に発売された10thシングル『Am I ready?』で初めてシングル表題曲センターポジションを務めました。
注目度の上昇に伴って、11月度から調査対象に加わりました。年代別では20代後半男性の認知度が高く、40%に達しています。
9位はフジテレビアナウンサーの佐久間みなみです。1997年11月18日生まれ、愛知県出身。2020年4月にフジテレビ入社。2022年4月から『S-PARK』のメーンキャスターとなり、スポーツ番組を中心に活躍しています。
2023年8月27日にプロ野球公式戦広島対ヤクルト戦で始球式を務めたこと上昇要因となって、8月度パワースコア上昇率・女性キャスター2位。8月度調査では誘引率も大きく上昇して、女性タレント全体で3位の伸び率を示しました。
12月には特番『中居正広のプロ野球珍プレー好プレー大賞2023』『THE MANZAI マスターズ』で進行を担当するなど、局内での期待の高さがうかがえます。
8位は女優の嵐莉菜です。 2004年5月3日生まれ、埼玉県出身。2020年から『ViVi』専属モデルとして活躍。2022年に映画『マイスモールランド』で主演。報知映画賞新人賞、キネマ旬報ベスト・テン新人女優賞などを受賞しました。
2023年7月期のドラマ『18/40~ふたりなら恋も夢も~』(フジ系)に出演して話題を集め、8月度誘引率上昇率・10代女優3位。特に20代では同1位でした。
7位は女優の髙石あかりです。2002年12月19日生まれ、宮崎県出身。2014年に芸能界入り。2021年に映画『ベイビーわるきゅーれ』で映画初主演。2023年春に放送されたドラマ『墜落JKと廃人教師』(MBS/TBS系)でヒロインを演じました。
2023年8~10月にNHK「夜ドラ」枠で放送された『わたしの一番最悪なともだち』で蒔田彩珠とW主演。髙石あかりにとっては連ドラ初主演となりました。注目の次世代女優に浮上しました。
2024年2月に1st写真集『幻灯』が発売されるほか、主演映画『ベイビーわるきゅーれ3』が秋公開予定です。
6位には3人組ガールズグループ、MISAMOがランクイン。TWICEの日本人メンバー、モモ・サナ・ミナによって2023年2月にデビューしたサブユニットです。
2023年7月に「MISAMO JAPAN SHOWCASE 2023 “Masterpiece”」を初開催。GoogleレンズのCMに起用されて注目を集め、12月31日の『紅白歌合戦』(NHK)にも初出場しました。
メンバー個人の注目度もアップ。モモは11月度調査での10代の回答で認知度上昇率・女性歌手/ミュージシャン3位にランクインしました。
元BiSHメンバーがトップ5入り
5位はアイナ・ジ・エンドです。1994年12月27日生まれ、大阪府出身。2015年から2023年6月までBiSHのメンバーとして活躍しました。
ソロとして2023年下半期を迎えましたが、10月に公開された岩井俊二監督の『キリエのうた』で映画初主演して、演技力が高く評価され報知映画賞新人賞を受賞しました。
BiSH解散後、元メンバーはそれぞれ活躍を見せていて、セントチヒロ・チッチ(現・スターダストプロモーション所属)、モモコグミカンパニー(現・ワタナベエンターテインメント所属)、ハシヤスメ・アツコ(現・ホリプロ所属)は大手事務所に移籍して、バラエティ番組ゲスト出演も増えています。
女性お笑いコンビのヨネダ2000が4位。誠と愛によって2000年に結成。2022年にM-1グランプリ決勝に進出して脚光を浴びました。
2023年には上方漫才大賞で新人賞を受賞。テレビ番組出演も増えて知名度が上昇。7~9月に放送されたテレビアニメ『いきものさん』(MBS/TBS系)に愛が声優として出演(誠も副音声に登場)するなど、幅広い活躍を見せて8月度の10代の回答における誘引率上昇・女性お笑い2位。11月からスカイパーフェクトTV!のCMに出演しています。
3位は詩羽です。 2001年8月9日生まれ、東京都出身。2021年に音楽ユニット「水曜日のカンパネラ」にコムアイに代わる2代目主演・歌唱担当として加入しました。
2023年7月期のドラマ『最高の教師 1年後、私は生徒に■された』(日テレ系)にレギュラー出演。7月公開の映画『アイスクリームフィーバー』、ピザハットやコカ・コーラのCMにも出演して知名度が急伸。11月度パワースコア上昇率で女性歌手/ミュージシャン部門4位に入りました。20代前半・後半の男性、10代前半・後半の女性などでスコアが高くなっています。
所属している「水曜日のカンパネラ」は、彼女が加入してから初となる日本武道館公演を2024年3月に開催します。
2位は女優の堀田真由です。1998年4月2日生まれ、滋賀県出身。2015年にドラマ『テミスの求刑』(WOWOW)で女優デビュー。2020年にはリクルート「ゼクシィ」のCMに起用されました。
2023年7月期のドラマ『CODE-願いの代償-』(読売/日テレ系)で好演して注目を集め、8月度認知度上昇率・女優部門5位(20代女優では3位)。10月期の『たとえあなたを忘れても』(ABC/テレ朝系)で連ドラ初主演。11月に公開されヒットを記録している映画『翔んで埼玉 〜琵琶湖より愛をこめて〜』にも出演するなど、女優として大きく成長を見せました。
11月度調査結果では、50代前半女性、20代後半女性、20代前半男性、10代後半女性、40代前半女性など幅広い年代で高いスコアを示しています。
女性1位は元HKT48メンバー
1位は村重杏奈です。1998年7月29日生まれ、山口県出身。2011年から2021年までHKT48のメンバーとして活躍。卒業後は『呼び出し先生タナカ』(フジ系)などのバラエティで個性を発揮しています。
2022年に比べてテレビ番組出演が138本増えて(関東地区・ニホンモニター調べ)、「2023ブレイクタレント」7位にランクイン。2023年7月に結成された『呼び出し先生タナカ』発の女性ユニット「東京湾岸がーるず」に森日菜美、なえなの、えなこと参加して、配信デビュー。写真集も発売されました。11月には月9ドラマ『ONE DAY〜聖夜のから騒ぎ〜』(フジ系)にゲスト出演しました。
11月度認知度上昇率で20代女優/女性タレント部門3位。20代女性においては、認知度が42%から68%に上昇して同1位。若い女性層での知名度上昇が目立っています。
そのほか、2023年下半期には、これまでの「タレントパワーランキングが選ぶブレイクした男性タレント・女性タレントTOP10」にランクインした原菜乃華(2023年ネクストブレイク女性2位)、ぱーてぃーちゃん(同9位)、やす子(2022年下半期女性10位)、飯沼愛(同8位)、畑芽育(2022年ネクストブレイク女性6位)、鈴鹿央士(2022年上半期男性1位)、高橋文哉(同2位)、道枝駿佑(2021年上半期男性8位)、板垣李光人(同9位)らも、さらに飛躍を見せました。
前ページに戻る監修・文/高倉文紀
評論家。『日経エンタテインメント!』『日刊ゲンダイ』などのメディアで女優・女性アイドル・男性俳優の取材や分析を展開。
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